国土交通省は、令和8年度「トラック輸送省エネ化推進事業」の公募開始を発表しました。トラック事業者と荷主等が連携し、物流全体の効率化を進めるために必要なシステムや車両の導入経費の一部を補助するものです。申請受付は、1次公募が令和8年7月1日から、2次公募が令和8年7月29日から始まります。
事業名 | 令和8年度 トラック輸送省エネ化推進事業 |
目的 | トラック事業者と荷主等の連携による輸送効率化、省エネ化の推進 |
主な補助対象 | 車両動態管理システム、予約受付システム等の輸送効率化システム、ダブル連結トラック、スワップボディコンテナ車両 |
1次公募 | 令和8年7月1日(水)10:00 ~ 7月10日(金)16:00 |
2次公募 | 令和8年7月29日(水)10:00 ~ 8月7日(金)16:00 |
申請方法 | 補助事業ホームページから申請書類をダウンロードし、申請期間中にアップロード |
執行団体 | パシフィックコンサルタンツ株式会社、パシフィックリプロサービス株式会社 |
1週間で 6件ダウンロード されました
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
建設会社にとってのポイントは「自社がトラック事業者か」だけではありません
今回の制度は、建設業向けに限定された補助金ではありません。
対象として示されているのは、トラック事業者と荷主等が連携して輸送効率化に取り組む事業です。
そのため、中小建設会社がまず見るべきなのは、次の2点です。
- 自社が対象になり得る立場か
- 協力運送会社や資材会社との連携で活用余地があるか
建設会社は、日々の現場で多くの「運ぶ仕事」に関わっています。
資材を現場へ入れる。残材を出す。重機を回送する。仮設材を移動する。職人さんの段取りに合わせて、朝一番の搬入を組む。
このあたりは、まさに現場の利益を左右します。
たとえば、現場監督が「午前中に来るはずの資材が来ない」と電話をかけ続ける。職人さんが手待ちになる。置き場が狭く、搬入車両が重なる。こうしたことは、どの会社でも起こり得ます。
今回の補助対象には、車両動態管理システムや予約受付システムが含まれています。
これは、単なる運送会社の話ではありません。
建設会社側から見れば、現場搬入の見える化、待機時間の削減、段取り改善につながる可能性があります。
補助対象は「システム」と「車両」。まずは自社の物流課題に当てはめて見る
国土交通省の発表では、補助対象として次のようなものが挙げられています。
- 車両動態管理システム
- 予約受付システム等の輸送効率化システム
- ダブル連結トラック
- スワップボディコンテナ車両
中小建設会社が特に見ておきたいのは、システム系です。
もちろん、ダブル連結トラックやスワップボディコンテナ車両は、一定規模の物流を持つ事業者向けの色合いが強いと考えられます。
一方で、車両動態管理や予約受付は、建設現場の搬入管理にも近い領域です。
たとえば、次のような課題がある会社は、今回の制度をきっかけに物流の棚卸しをしてもよいと思います。
- 現場ごとの搬入時間が読みにくい
- 資材搬入車両が重なり、現場周辺で待機が発生する
- 運送会社との連絡が電話・FAX・個人LINEに分散している
- 配車や搬入予定が、担当者の頭の中に残りがち
- 燃料費や運送費の上昇を、見積や原価管理に反映しきれていない
今回の発表文では、運輸部門におけるエネルギー消費量の約4割をトラック輸送が占めるとされています。
国としても、トラック事業者だけに任せるのではなく、荷主側も含めて物流全体を効率化する方向を強めています。
建設業も、この流れと無関係ではいられません。
申請期間は短い。関係しそうなら早めに事務局ページを確認したい
今回の公募期間は、かなり短めです。
1次公募は令和8年7月1日10時から7月10日16時までです。
2次公募は令和8年7月29日10時から8月7日16時までです。
申請は、補助事業ホームページから申請書類をダウンロードし、申請期間中にアップロードする形です。
詳細は、トラック輸送省エネ化推進事業事務局のホームページで確認する必要があります。
発表内で案内されているURLは以下です。
https://www.pacific-hojo.jp/
建設会社の場合、まずは次の確認が現実的です。
- 自社が申請主体になり得るか
- 協力運送会社や資材会社が申請主体になり、自社が荷主等として連携できるか
- 導入しようとしているシステムや車両が補助対象に入るか
- 省エネ効果の実証に必要なデータを出せるか
特に4つ目は大事です。
今回の事業は、輸送効率化を通じたエネルギー消費量の削減効果を実証するものとされています。
つまり、単に「便利なシステムを入れたい」だけではなく、どの輸送をどう効率化し、どのように省エネ効果を確認するかが問われる可能性があります。
「物流は外注だから関係ない」と切り分けない方がよい流れです
建設業では、運搬を外部に任せている会社も多いです。
「うちは運送会社ではないから関係ない」と感じる方もいると思います。
ただ、最近の流れを見ると、物流の効率化は荷主側の責任や協力も求められる方向に進んでいます。
現場搬入の時間指定。荷待ちの発生。急な変更。積み下ろしの段取り。これらは、運送会社だけでは解決できません。
建設会社側の段取りが変わると、運送の効率も変わります。
そして運送の効率が変わると、最終的には運送費、燃料費、現場の手待ち、近隣対応、工程管理に返ってきます。
ここは、じわじわ効いてきます。
見積の利益率が薄い現場ほど、こうした小さなロスが痛いです。
「1台待たせた」「1時間ずれた」「朝の搬入が重なった」。
一つひとつは小さく見えます。
でも、年間で見ると大きな原価になります。
今回の補助金は、直接採択されるかどうかだけでなく、自社の物流と現場段取りを見直す合図として使えます。
中小建設会社が今やっておきたい整理
今回の公募に関係しそうな会社は、まず次の情報を1枚にまとめてみるとよいです。
- 主な資材・機材の搬入ルート
- よく使う運送会社・資材会社
- 現場で待機や搬入重複が起きやすい場面
- 配車・搬入予定を管理している方法
- 電話、FAX、メール、LINE、Excelなど、連絡手段の分散状況
- 燃料費・運送費が見積や原価にどう反映されているか
ここまで整理すると、補助金を使う・使わない以前に、改善の入り口が見えてきます。
たとえば、まずは搬入予定表を統一する。現場ごとの搬入ルールを決める。協力会社と情報共有の方法をそろえる。
大きなシステム導入の前に、できることもあります。
ただし、車両動態管理や予約受付の仕組みが必要な規模になっている会社なら、今回のような補助制度を確認する価値があります。
補助金は、設備投資のきっかけです。
同時に、現場の段取り、原価管理、協力会社との関係を見直すきっかけでもあります。
自社の物流・原価・デジタル活用を一度つなげて考える
今回の制度は、トラック輸送の省エネ化がテーマです。
ただ、中小建設会社にとっては、物流だけを切り出して考えるより、現場運営や原価管理とつなげて考える方が実務に落とし込みやすいです。
「うちの場合、対象になるのか」
「運送会社と一緒に考えた方がいいのか」
「そもそも搬入管理や原価管理が属人化していて、何から整理すればよいかわからない」
そんな段階でも、整理する価値はあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。建設企業の持続的成長を支援し、ものづくりに集中できる建設業界へ近づけるための伴走です。
補助金の活用可能性だけでなく、物流の見える化、原価管理、デジタル活用をどうつなげるかを考えたい場合は、次の整理先としてご活用ください。無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」という段階でも大丈夫です。

































