国土交通省は、令和8年度「マンションストック長寿命化等モデル事業」の第1回採択結果を公表しました。高経年マンションの再生や長寿命化に向けたモデル的な取組を支援する事業で、今回の募集では4者4件の応募があり、1者1件が採択されました。
発表日 | 令和8年6月22日 |
事業名 | マンションストック長寿命化等モデル事業 |
令和8年度第1回の提案受付期間 | 令和8年4月1日~4月15日 |
応募件数 | 4者4件 |
採択件数 | 1者1件 |
採択された区分 | 先導的再生モデルタイプ(計画支援) |
採択プロジェクト | 日米ビルの建替えに向けた検討 |
第2回応募予定 | 令和8年6月22日~6月26日 |
第3回応募予定 | 令和8年9月14日~9月18日 |
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
今回のポイントは「採択結果」だけではなく、マンション再生市場の方向性です
今回採択されたのは、1970年築・45戸の借地権マンションである日米ビルについて、隣接地の取得や底地との一体的な所有権化を含めて建替えを検討するプロジェクトです。
老朽化により、漏水事故への対応や耐震補強などが必要になっていました。一方で、修繕積立金不足などにより、維持管理が限界に近づいていたとされています。
ここで注目したいのは、単に「古いマンションを直す」という話ではない点です。
修繕、耐震、建替え、隣接地、底地、区分所有者の高齢化、合意形成。これらを一体で扱う案件が、今後増えていく可能性があります。
中小建設業にとっても、これは遠い話ではありません。防水、給排水、電気、ガス、外壁、耐震、解体、仮設、内装、設計、調査。マンション再生には、多くの専門工事が関わります。
ただし、今後は「工事だけください」ではなくなっていきます。管理組合やコンサル、設計事務所と一緒に、建物の状態、工事費、居住者負担、段階施工、長期修繕計画との整合性まで含めて提案できる会社が選ばれやすくなります。
この事業で支援対象になっている会社・工事
別添資料では、補助事業の概要として、主に次のような支援メニューが示されています。
計画支援
事業前の立ち上げ準備段階を支援するものです。
補助事業者として、マンション再生コンサル、設計事務所、管理会社等が挙げられています。
補助率は定額で、原則上限500万円/年、最大3年とされています。ただし、評価委員会が必要と認める場合は、1事業あたり1,500万円を上限として、500万円/年を超えて補助を受けることが可能とされています。
工事支援
長寿命化等の改修工事や建替工事、大規模修繕工事等の実施段階を支援するものです。
補助事業者として、施工業者、買取再販業者等が挙げられています。
補助率は、資料上では1/3とされています。
つまり、施工会社にとっても関係があります。特に、マンション改修や設備更新、大規模修繕に関わる会社は、この制度の動きを押さえておく価値があります。
採択された案件から見える、評価される提案の型
今回の採択プロジェクトでは、次の点が評価されています。
- 維持管理コストの増大により、維持限界に近づいている実態を踏まえていること
- 建替えを中心に検討を進めてきたこと
- 改正区分所有法の施行を見据え、隣接地取得の仕組みを活用する事業スキームを構築していること
- 区分所有者の過半が70歳以上という実情を踏まえ、負担金を抑える住戸計画を検討していること
- 区分所有者との個別面談、底地人・隣接地所有者との交渉など、丁寧な合意形成を進めていること
ここから読み取れるのは、採択される提案は「技術的に優れている」だけでは足りないということです。
建物の課題と、住んでいる人の課題を同時に解いているか。
ここが重要です。
現場側から見ると、老朽化マンションでは「配管を更新すればいい」「外壁を直せばいい」と単純に言えない場面が増えます。居住者が高齢で、費用負担に限界がある。工事中の生活動線も難しい。管理組合の意思決定にも時間がかかる。
その中で、施工会社が出せる価値は大きいです。
たとえば、劣化状況をわかりやすく整理する。複数の工事範囲を比較する。仮設や工程の負担を下げる。居住者説明に使える資料を用意する。そうした一つひとつが、再生プロジェクトの前進につながります。
第2回・第3回の応募予定も出ています
令和8年度の今後の応募期間は、次のとおり予定されています。
応募予定期間 | |
|---|---|
第2回 | 令和8年6月22日(月)~令和8年6月26日(金) |
第3回 | 令和8年9月14日(月)~令和8年9月18日(金) |
第2回は発表日と同日から始まる短い期間です。この記事を読むタイミングによっては、すでに終了している可能性があります。
その場合でも、第3回や次年度以降を見据えて、管理組合・設計事務所・管理会社・マンション再生コンサルとの関係づくりを進めることが大切です。
補助事業は、思いつきで応募できるものではありません。建物の現状、課題、工事内容、概算費用、合意形成の状況、モデル性を整理する必要があります。
特に中小建設業の場合、単独で制度対応まで抱え込むよりも、自社の施工領域を明確にしたうえで、計画支援側のプレイヤーと早めに接点を持つほうが現実的です。
中小建設業が今見るべき実務ポイント
今回の発表を、自社の経営に引き寄せるなら、見るべき点は3つです。
1. 自社の工事が「長寿命化」の文脈に乗るか
給排水管、電気、ガス、防災設備、外壁、防水、耐震、共用部改修などは、長寿命化の文脈に入りやすい領域です。
自社の工事を、単品工事ではなく「建物を長く使うための工事」として説明できるかを見直したいところです。
2. 管理組合向けに説明できる資料があるか
マンション工事では、専門用語だけでは前に進みません。
なぜ必要か。放置すると何が起きるか。どの順番で直すべきか。費用をどう平準化できるか。
理事会や区分所有者に伝わる言葉で説明できる会社は、今後さらに強くなります。
3. コンサル・設計・管理会社と組める体制があるか
この事業の計画支援では、マンション再生コンサル、設計事務所、管理会社等が補助事業者として示されています。
施工会社が主役になる場面もありますが、入口は計画支援側から始まることも多いはずです。
「どの会社と組めば、管理組合にとってよい提案になるか」を考えることが、受注機会づくりにつながります。
これからのマンション改修は、工事力と編集力の両方が必要です
高経年マンションは増えていきます。現場では、漏水、設備劣化、耐震、修繕積立金不足、居住者の高齢化などが重なります。
そこで求められるのは、腕のいい工事だけではありません。
課題を整理し、関係者に伝わる形にし、現実的な工事計画へ落とし込む力です。
中小建設業にとっては、チャンスです。大きな会社でなくても、地域のマンションをよく知り、誠実に状態を見て、無理のない提案ができる会社には出番があります。
マンション再生の市場は、これから「修繕する会社」から「再生を一緒に組み立てる会社」へ、評価軸が少しずつ移っていくはずです。
自社に関係する制度か、早めに整理しておく
今回のような補助事業は、制度名だけを見ると少し遠く感じるかもしれません。ですが、実際にはマンション改修、設備更新、大規模修繕、耐震、建替えなど、中小・専門工事会社の仕事と深くつながっています。
「うちの工事は対象になり得るのか」「管理会社や設計事務所とどう組めばよいか」「提案資料をどう整えればよいか」。このあたりを一度整理しておくと、次の案件に入りやすくなります。
ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、販路拡大、資金調達、人材確保、組織活性化、原価管理、デジタル活用まで横断して、現場に近い形で課題整理と実行を支援しています。
制度活用やマンション改修分野への関わり方について、「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な論点を一緒に確認する場としてご活用ください。





























