国土交通省は、令和8年度当初予算事業「クルーズ等訪日旅客の受入促進事業」の第2回公募を開始しました。クルーズ船の寄港増加に伴うオーバーツーリズム対応、二次交通不足、旅客受入機能の強化、地域経済効果の創出などを目的に、港湾管理者、地方公共団体、民間事業者、地域協議会等の取組に対して、経費の一部を補助する制度です。
事業名 | クルーズ等訪日旅客の受入促進事業 令和8年度第2回公募 |
公募開始日 | 令和8年6月15日 |
応募受付期間 | 令和8年6月15日(月)~令和8年8月7日(金)17:00必着 |
補助率 | 1/2以内 |
公募対象者 | 港湾管理者、地方公共団体、民間事業者、登録DMO・候補DMO、クルーズ振興のための地域協議会等 |
主な対象分野 | 寄港促進、地域経済効果の創出、二次交通不足解消、クルーズ旅客の受入機能強化、国内事業者のインバウンド需要獲得 |
採択結果通知 | 令和8年9月下旬頃を予定 |
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- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
- 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
- 6月5日内装工事会社長崎県
- 6月4日防水工事会社東京都
- 6月4日内装工事会社東京都
- 6月3日総合建築埼玉県
- 6月3日空調設備工事会社香川県
建設業が見るべきポイントは「港湾まわりの受入機能強化」です
今回の制度は、名前だけを見ると観光・クルーズ向けの補助金に見えます。
ただし、中身を見ると、建設業に関係する項目がいくつも含まれています。
特に注目したいのは、「二次交通不足解消やクルーズ旅客の受入機能強化」です。募集要領では、次のような整備が補助対象として示されています。
- 港湾周遊促進のための賑わい施設の整備
- プロムナード、モニュメント、サイクリング施設等
- 旅客上屋等の改修
- 屋根付き通路
- ボーディングブリッジ
- 旅客待合所等の仮設施設
- CIQに必要な設備、テント、電源設備等
旅客上屋等がある港湾では、待合設備、電源設備、内装の改修・増改築、旅客動線の効率化、CIQスペースの確保などが対象に含まれます。
つまり、港湾周辺で建築・土木・電気・設備・内装・仮設に関わる会社にとっては、地域の事業計画がそのまま将来の工事・業務機会につながる可能性があります。
施工会社が単独で使う補助金、とは限りません
ここは少し冷静に見ておきたいところです。
この補助金は、建設会社が「自社の設備投資のために使う」制度というより、港湾管理者、自治体、DMO、民間事業者、地域協議会などが、クルーズ受入や地域誘客のために使う制度です。
そのため、地域の建設会社にとっては、次の2つの見方が現実的です。
- 自社が補助対象事業者になり得るか確認する
民間事業者も対象に含まれています。ただし、事業内容が制度目的に合っている必要があります。
- 自治体・港湾管理者・観光事業者・協議会の計画に、施工・設計・整備の担い手として関わる
港湾施設、待合環境、動線、仮設設備、電源、サイン、周遊空間などは、地域の施工力が必要になる領域です。
大事なのは、「補助金が出るらしい」ではなく、「地域の港湾・観光計画の中で、自社がどの役割を担えるか」を見ることです。
交付決定前の着手は補助対象外です
募集要領では、実務上かなり重要な注意点も示されています。
交付決定前に事業着手している事業は補助対象外です。
採択された後であっても、補助金の交付申請を行い、交付決定を受ける必要があります。また、事業の全体計画に変更が生じた場合、変更手続が完了する前に変更部分へ着手した工事等は補助対象外になるとされています。
これは、施工側にも関係します。
発注者側が補助金を使う場合、施工会社としては、着工時期、契約時期、変更契約、追加工事の扱いを普段以上に丁寧に確認する必要があります。
「先に進めておいて、あとで補助金に乗せる」は危ない進め方です。
複数年度計画は可能。ただし次年度以降の補助は確約ではありません
地方整備局等に提出する事業計画では、最大3ヶ年度まで事業計画期間を定めることができます。
一方で、募集要領では、次年度以降については予算の状況によるため、確定することはできないとも明記されています。事業着手をもって、次年度以降の補助金交付を約束するものではありません。
港湾の改修や受入施設整備は、単年度で終わらないこともあります。
中小建設企業としては、複数年度案件になりそうな場合ほど、年度ごとの工区、出来高、資金繰り、発注時期を早めに確認することが大切です。
特に地方の港湾では、設計、CIQ関係機関との調整、観光コンテンツ造成、プロモーションなどが一体で動くことがあります。工事だけを見ていると、全体スケジュールを読み違える可能性があります。
審査では「地域との連携」と「実現可能性」が見られます
審査・評価の観点として、募集要領では次の項目が示されています。
- 実施体制の妥当性
- クルーズ船社や地域内関係者との連携状況
- 本事業の目的との整合性
- 実現可能性
- 概算事業費及び経費内訳の妥当性
- 事業実施による成果目標等の妥当性
ここから見えるのは、単に「施設をつくる」だけでは弱いということです。
港にテントを置く。上屋を直す。通路を整備する。待合スペースを広げる。
それ自体は大事です。ただ、補助金の文脈では、その整備によってクルーズ旅客の受入がどう円滑になり、地域消費や地方誘客にどうつながるのかまで整理する必要があります。
建設会社が協議会や自治体と関わる場合も、見積だけではなく、現場目線で次のような提案ができると価値が出ます。
- 旅客動線をどう分ければ混雑を減らせるか
- 雨天時や猛暑時に待合環境をどう確保するか
- 仮設施設と常設施設のどちらが現実的か
- 電源設備や案内表示をどこに置くと運用しやすいか
- 工事中も港湾機能を止めずに進められるか
地域の観光課題を、現場で使える施設計画に翻訳できる会社は、これから重宝されます。
応募する場合の実務チェック
応募受付期間は、令和8年6月15日から令和8年8月7日17時必着です。
提出は、各地方整備局等または各地方運輸局等へ電子メールで行います。紙媒体の持参や郵送は不要とされています。
提出書類には、申請書、事業計画、補助対象事業費の算出根拠資料、定款、登記事項証明書、直前三年の貸借対照表・損益計算書などが含まれます。民間事業者が含まれる場合に必要な書類もあります。
また、補助金の経理では、収支簿を備え、他の経理と区分し、契約書・支払領収書等を補助事業完了年度の終了後5年間保存する必要があります。
補助金を使う事業は、採択されて終わりではありません。
契約、支出、実績報告、現地調査、会計検査まで見据えた管理体制が必要です。
中小建設企業は「港湾×観光×地域整備」の動きを見ておきたい
今回の公募は、全国すべての建設会社に直接関係する話ではありません。
ただし、港湾のある地域、クルーズ寄港を増やしたい地域、観光客の受入環境を整えたい地域では、かなり現実味のあるテーマです。
国は、クルーズ需要を地域経済に取り込む方向を打ち出しています。そのためには、港そのものだけでなく、待つ場所、歩く場所、乗り換える場所、買う場所、休む場所が必要になります。
これは、建設業の仕事に近い領域です。
これからの地域整備は、「観光施策」と「インフラ整備」が分かれずに動く場面が増えていきます。
地元の港湾管理者、自治体、観光協会、DMO、商工団体がどのような計画を持っているか。そこに自社の施工力や設計対応力をどう合わせられるか。
早めに情報を取りに行く価値があります。
自社の地域でどう関われるかを整理する
今回のような補助金は、制度名だけを見ると自社には遠く感じるかもしれません。ですが、港湾周辺の改修、動線整備、仮設施設、電源設備、賑わい空間づくりまで分解すると、地域の中小建設企業が担える仕事は少なくありません。
「うちの地域の港は対象になりそうか」「自治体や協議会とどう話せばよいか」「補助金が絡む工事で、契約や着手時期をどう管理すべきか」。こうした整理から始めるだけでも、次の動きが見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、建設企業の持続的成長を支援しています。今回のような制度を、自社の販路拡大や地域連携のきっかけとしてどう見るか、壁打ち段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要に応じて落ち着いてご相談ください。






























