国土交通省港湾局は、港湾工事のDXや働き方改革の推進に伴い、港湾土木工事請負積算基準と現場施工実態の乖離解消を求める要請が高まっているとして、港湾工事積算基準の全工種を対象とした改定作業に着手することを発表しました。あわせて、改定の方向性などを議論する「港湾工事積算基準等あり方検討会」を開催します。

発表主体

国土交通省 港湾局

対象

港湾土木工事請負積算基準

検討内容

港湾工事積算基準の改定の方向性など

改定作業の対象

港湾工事積算基準の全工種

背景

港湾工事のDX、働き方改革の推進に伴う、積算基準と現場施工実態の乖離解消

検討会日時

令和8年6月17日 10時00分から11時30分まで

検討会の公開状況

非公開。冒頭挨拶のみカメラ撮り可能

今回の発表は、まだ具体的な改定内容が示されたものではありません。ただし、港湾工事に関わる会社にとっては、将来の予定価格、入札判断、原価管理、施工体制の考え方に影響し得る動きです。

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  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
  • 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
  • 6月5日内装工事会社長崎県
  • 6月4日防水工事会社東京都
  • 6月4日内装工事会社東京都
  • 6月3日総合建築埼玉県
  • 6月3日空調設備工事会社香川県
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今回のポイントは「開催」ではなく「全工種を対象に改定作業へ着手」したことです

今回の報道発表は、形式としては検討会の開催案内です。しかし、中小建設業の経営目線で見るべき点は、検討会そのものではありません。

重要なのは、国土交通省港湾局が、港湾工事積算基準と現場施工実態の乖離を課題として認識し、全工種を対象に改定作業へ着手すると明記した点です。

港湾工事は、作業船、潜水、浚渫、埋立、海上起重など、陸上工事とは異なる制約が多い分野です。天候、潮位、船舶手配、技能者確保、安全管理、現場待機、移動、段取り替えなど、実際の施工では多くの変動要素があります。

そこにDXや働き方改革が加わると、現場の実態はさらに変わります。たとえば、デジタル技術の活用で効率化できる部分がある一方、導入・運用・教育・データ整理には新たな手間やコストも発生します。働き方改革についても、単に労働時間を短くするだけではなく、工程、交代制、外注先との調整、船舶や機械の稼働計画まで見直す必要が出てきます。

そのため、積算基準が現場の変化をどう織り込むかは、受注者側の採算に直結します

まだ改定内容は未定。だからこそ自社の実態を数字で持っておく必要があります

現時点で、改定後の基準の内容、適用時期、具体的な単価や歩掛の変更内容は示されていません。したがって、「何が上がる」「何が変わる」と断定する段階ではありません。

ただし、今から準備できることはあります。それは、自社の施工実態を、感覚ではなく数字で説明できる状態にしておくことです。

特に港湾工事に関わる会社では、次のような情報を整理しておく価値があります。

  • 実際の人工、機械・船舶の稼働、待機、移動、準備・片付けの実績
  • DX機器やシステムの導入・運用にかかっている費用と効果
  • 週休、時間外労働抑制、交代制などによる工程・原価への影響
  • 安全管理、書類対応、発注者協議に必要な間接的な工数
  • 見積時の想定原価と、完成後の実行原価の差異

今後、積算基準の改定方向が見えてきたときに、自社の実態が整理されていれば、入札判断や発注者との協議、協力会社との単価交渉がしやすくなります。

逆に、実態が把握できていないと、基準が変わっても「自社にとって採算が改善するのか」「むしろ別の部分で負担が増えるのか」を判断しにくくなります。

DXと働き方改革は「コスト増」だけでなく「積算の前提変更」として見るべきです

建設業界では、DXや働き方改革が語られるとき、どうしても「新しい負担」として受け止められがちです。実際、初期投資や教育、運用ルールづくりは必要です。

ただ、今回の港湾工事積算基準の見直しは、別の見方もできます。

それは、現場で起きている変化を、公共工事の積算前提にどう反映するかという議論が進み始めたということです。

これまで現場側が負担してきた段取り、待機、管理、調整、デジタル対応、働き方改革対応が、どのように基準へ反映されるのか。ここは港湾工事会社にとって重要な論点です。

もちろん、改定が必ず受注者に有利に働くとは限りません。効率化が進んだ部分については、基準上の前提が変わる可能性もあります。だからこそ、「基準が変わるのを待つ」のではなく、「自社の原価構造を把握したうえで変化を読む」ことが大切です。

中小建設会社が今見るべき実務ポイント

今回の段階で、すぐに社内ルールを変える必要があるわけではありません。ただし、港湾工事に関わる会社は、次の3点を確認しておくとよいです。

1つ目は、港湾工事の案件別原価が、工種別・作業別にどこまで見えているかです。全体では黒字でも、特定作業や特定条件で採算が崩れていることがあります。積算基準の見直しが進む局面では、この粒度が重要になります。

2つ目は、働き方改革による工程・人員配置の変化を、見積に反映できているかです。労働時間管理を強化しても、従来と同じ工程前提、同じ人工前提で見積を続けていると、現場の無理が利益を削ります。

3つ目は、DXにかかる費用を、単なる一般管理費の中に埋もれさせていないかです。機器、ソフト、通信、教育、データ管理などの費用は、導入後も継続的に発生します。これらを案件別、部門別に見える化しておくことで、今後の積算基準や発注条件の変化に対応しやすくなります。

今回のニュースは、まだ「決まったこと」よりも「これから議論されること」が中心です。しかし、積算基準の見直しは、受注単価だけでなく、経営管理の精度を問うテーマです。港湾工事に関わる会社ほど、早めに自社の数字を整えておく価値があります。

自社の原価と見積の前提を一度整理しておく

港湾工事積算基準の改定内容は、今後の議論を待つ必要があります。一方で、自社の原価構造、見積前提、DX対応、働き方改革による工数変化は、今から整理できます。

「うちの場合、どの費目を見ればよいのか」「実行予算と実績原価の差をどう整理すればよいのか」「DXや働き方改革のコストを見積にどう反映すべきか」といった段階でも、考え方を整理するだけで次の打ち手が見えやすくなります。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、販路拡大、資金調達、人材確保、組織活性化、原価管理、デジタル活用まで、現場と経営をまたいだ課題整理をお手伝いしています。無理な営業はいたしませんので、今回のような制度・基準見直しをきっかけに「自社では何から整理すべきか」を確認したい場合は、次の整理先としてご活用ください。

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