国土交通省は、令和7年度第4四半期および令和7年度計の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」を公表しました。建設業許可業者5,000者を対象に、元請として受注した建築物のリフォーム・リニューアル工事を調査したものです。

公表内容

建築物リフォーム・リニューアル調査報告

対象

令和7年度第4四半期受注分、令和7年度計

調査対象

建設業許可業者5,000者

第4四半期の受注高

3兆7,037億円

第4四半期の対前年同期比

10.8%増

令和7年度計の受注高

16兆4,104億円

令和7年度計の対前年度比

18.7%増

年度計の住宅受注高

4兆9,033億円、18.7%増

年度計の非住宅受注高

11兆5,071億円、18.6%増

今回の数字でまず押さえたいのは、リフォーム・リニューアル市場が住宅、非住宅ともに大きく伸びていることです。年度計では、住宅が前年度比18.7%増、非住宅建築物が18.6%増でした。

新築市場だけを見ていると、地域によっては先行きの読みづらさがあります。一方で、既存建物の改装・改修、維持・修理、設備更新は、建物が使われ続ける限り発生します。今回の統計は、中小建設業にとって「ストック市場をどう取りに行くか」を考える材料になります。

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  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
  • 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
  • 6月5日内装工事会社長崎県
  • 6月4日防水工事会社東京都
  • 6月4日内装工事会社東京都
  • 6月3日総合建築埼玉県
  • 6月3日空調設備工事会社香川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

伸びている中心は「改装・改修」と「維持・修理」です

令和7年度計の工事種類別を見ると、住宅では次のような動きが出ています。

  • 改装・改修工事:3兆8,164億円、前年度比17.4%増
  • 維持・修理工事:9,215億円、前年度比35.4%増
  • 増築工事:338億円、前年度比39.0%減
  • 一部改築工事:1,316億円、前年度比8.8%減

非住宅建築物では、改装・改修工事と維持・修理工事の合計が10兆9,099億円、前年度比20.0%増でした。

ここから見えるのは、大きく建て替えるよりも、今ある建物を直しながら使う流れが強いということです。

中小建設業にとっては、これはかなり実務的な意味があります。増築や大規模改築だけを狙うのではなく、日常的な修繕、設備更新、内装、外壁、屋根、給排水、電気、空調といった仕事を、継続受注につなげる設計が重要になります。

一度きりの工事で終わらせるのではなく、点検、見積、修繕、追加提案、定期対応までを一連の流れにできる会社が強くなる市場です。

住宅は「個人」と「管理組合」が大きな発注者です

年度計の住宅リフォーム・リニューアル工事では、発注者別に見ると次の順に大きくなっています。

  • 個人:3兆769億円、前年度比16.4%増
  • 管理組合:9,538億円、前年度比29.8%増
  • 民間企業等:6,203億円、前年度比21.3%増

特に注目したいのは、管理組合向けの受注高が29.8%増えている点です。

共同住宅では、専有部分だけでなく共用部分の改修もあります。外壁、屋上、給排水、電気設備、防水、内装、共用部の安全性など、関係する工種は広いです。専門工事会社にとっても、元請・協力会社のどちらの立場でも関わりやすい領域です。

ただし、管理組合向けの仕事は、個人住宅とは営業の進め方が違います。価格だけではなく、説明資料、工程の分かりやすさ、居住者対応、騒音・安全対策、掲示物、管理会社との連携が問われます。

つまり、工事力に加えて「説明力」と「段取り力」が受注力になる領域です。

非住宅は「民間企業等」と「公共」が大きい。工場・事務所・設備系に注目です

非住宅建築物の年度計では、発注者別に次の数字が出ています。

  • 民間企業等:8兆7,992億円、前年度比17.1%増
  • 公共:2兆3,645億円、前年度比24.8%増

用途別では、非住宅建築物で大きいのは次の用途です。

  • 事務所:2兆4,984億円、前年度比13.3%増
  • 生産施設、工場・作業場:2兆4,172億円、前年度比18.1%増
  • その他の非住宅建築物:2兆5,688億円、前年度比25.2%増

また、業種別では非住宅建築物において、電気・機械器具設置工事業の受注高が2兆5,585億円、前年度比54.1%増となっています。

ここは見逃せません。非住宅の改修市場では、建築本体だけでなく、電気・機械設備・管工事まわりの存在感が大きくなっています

工場、事務所、倉庫、流通施設では、建物を止められない中での改修も多くなります。休日施工、夜間施工、工程分割、安全区画、既存設備との取り合い。現場の難易度は上がります。

その分、対応できる会社にはチャンスがあります。「営業先を持つ元請」と「専門性を持つ協力会社」が組める体制をつくれるかが、受注の幅を左右します。

省エネ、設備更新、劣化修繕は今後も経営テーマになります

第4四半期の工事目的別受注件数を見ると、住宅・非住宅ともに「劣化や壊れた部位の更新・修繕」が最も多くなっています。

  • 住宅:劣化や壊れた部位の更新・修繕 169万9,823件、前年同期比32.4%増
  • 非住宅:劣化や壊れた部位の更新・修繕 77万7,670件、前年同期比70.6%増

省エネルギー対策も増えています。

  • 住宅:省エネルギー対策 8万4,200件、前年同期比16.5%増
  • 非住宅:省エネルギー対策 6万5,473件、前年同期比27.6%増

工事部位では、住宅で「給水給湯排水衛生器具設備」、非住宅で「電気設備」や「給水給湯排水衛生器具設備」が多くなっています。

これは、老朽化対応と省エネ対応が、建物所有者にとって避けにくい投資になっていることを示しています。

中小建設業としては、単に「壊れたら直す」だけでなく、次のような提案がしやすくなります。

  • 修繕履歴を整理する
  • 今後数年の更新時期を見える化する
  • 省エネや安全性の観点を加える
  • 設備会社、電気会社、管工事会社と連携する
  • 小工事を次の中規模工事につなげる

大切なのは、単価の高い工事だけを追うのではなく、顧客の建物を長く見る関係をつくることです。

中小建設業が今回の統計から考えたい3つのこと

今回の調査は、全国の市場規模を示す統計です。自社の地域で同じ伸び方をするとは限りません。それでも、経営判断の材料としては十分に使えます。

まず考えたいのは、自社の得意工事が「改修・修繕市場」のどこに当たるかです。

住宅の内装なのか。外壁・屋根なのか。給排水なのか。非住宅の電気設備なのか。工場の営繕なのか。管理組合向けなのか。ここを曖昧にしたまま「リフォームを取りに行く」と言っても、営業も採用も協力会社づくりもぼやけます。

次に、小規模工事を利益に変える管理体制です。

修繕や設備更新は、件数が多くなりやすい仕事です。現調、見積、職人手配、材料手配、請求、入金確認。ここが属人的だと、忙しいのに利益が残りにくくなります。Excelでもシステムでも構いません。案件管理、原価管理、写真管理、見積履歴を整えることが重要です。

最後に、協力会社との組み方です。

改修工事は、建築・電気・管・設備・内装・防水などが絡みます。全部を自社で抱える必要はありません。ただし、誰と組むか、どこまで任せるか、現場管理をどうするかは早めに整理したいところです。

市場が伸びる局面では、仕事は増えます。同時に、人手不足、工程遅れ、見積漏れ、利益率低下も起きやすくなります。伸びている市場ほど、受け方を決めておくことが大切です。

自社にとっての改修・修繕市場を整理するために

リフォーム・リニューアル市場の拡大は、中小建設業にとって前向きな材料です。ただ、どの領域を狙うかによって、必要な営業先、職人、協力会社、原価管理、デジタル活用は変わります。

「うちは住宅向けを伸ばすべきか」「管理組合向けに入れるのか」「工場や事務所の修繕を増やすには何が足りないか」「小工事が増えても利益を残せる管理にしたい」。こうした整理は、早めに一度言語化しておくと動きやすくなります。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、販路拡大、資金調達、人材確保、組織活性化、原価管理、デジタル活用まで横断して、現場に合う形で整理と実行を支援しています。無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」という段階でも、必要に応じて壁打ち先としてご活用ください。

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