国土交通省は令和8年6月5日、株式会社小松製作所からショベル・ローダ等のリコール届出があったと発表しました。

リコール届出日:令和8年6月5日
リコール届出番号:5827
リコール開始日:令和8年6月5日
届出者:株式会社小松製作所
対象車種:コマツ WA80-8、FH35、FH40、FH45、FH50、FH60、FH70、FH80
対象台数:計2,420台
対象製作期間:平成26年12月26日〜令和8年4月15日
不具合部位:原動機(燃料インジェクタ、ECU)
事故の有無:無し
不具合件数:0件

今回の内容は、ショベル・ローダやフォーク・リフトを保有・使用している会社では、すぐに車台番号を確認しておきたいリコールです。

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何が問題とされたのか

対象機種では、設計検討が不十分だったため、使用を続ける中で次のような状態が重なる可能性があるとされています。

  • 燃料インジェクタの噴射ノズルが経時劣化で摩耗し、燃料噴射量が増えることがある
  • 可変ターボ内部にダスト等が付着し、空気供給効率が低下することがある
  • MAFセンサにダストが付着し、実際より多い空気流量として誤認識することがある

その結果、空燃比が低下し、煤の発生が増え、PM(粒子状物質)の排出量が保安基準を超過するおそれがあるとされています。

現時点で、発表資料上は不具合件数は0件、事故は無しです。 ただし、リコール開始日は令和8年6月5日です。対象機を使っている場合は、通常の点検とは別に、リコール対応の確認が必要です。

対象となる機種と台数

今回の対象は、コマツの3型式、8車種です。

| 車名 | 型式 | 通称名 | 対象範囲 | 対象台数 | |---|---|---|---|---:| | コマツ | YDN-WA139 | WA80-8 | WA139-20001〜WA139-23265 | 1,949台 | | コマツ | YDN-M286 | FH35、FH40、FH45、FH50 | M286-140001〜M286-143915 | 384台 | | コマツ | YDN-M288 | FH60、FH70、FH80 | M288-51002〜M288-51861 | 87台 |

製作期間の全体範囲は、平成26年12月26日〜令和8年4月15日です。

ただし、国交省資料では、車台番号の範囲には対象とならない車両も含まれている場合があるとされています。 そのため、番号が近いから対象、範囲外に見えるから大丈夫、と社内だけで判断しきらない方が安全です。販売店または届出者への確認が確実です。

改善措置は何か

改善措置は、全車両に対して次の対応を行うものです。

  • 燃料インジェクタを対策品に交換する
  • コントローラのプログラムを対策プログラムに書き換える
  • 取扱説明書にMAFセンサ自動補正の運転方法を追加する
  • エアクリーナエレメントカバーに、MAFセンサ自動補正の実施を促す銘板を貼り付ける

識別は、エアクリーナエレメントカバーに貼り付けた銘板の有無で行うとされています。

ここは現場運用にも関わります。単に部品交換で終わりではありません。取扱説明書に運転方法が追加される点が大事です。整備担当だけでなく、実際に機械を動かす人にも伝える必要があります。

中小建設業がまず確認したいこと

今回のリコールで、会社側が見るべきポイントは大きく3つです。

1つ目は、自社保有機の車台番号確認です。 WA80-8は、土木・外構・解体・舗装・資材置場などでも使われやすい機種です。購入機だけでなく、長く使っている機械ほど確認漏れが起きやすくなります。

2つ目は、リース機・レンタル機の扱い確認です。 自社所有でなくても、現場で日常的に使っている機械であれば、稼働予定に影響する可能性があります。レンタル会社や販売店から連絡が来るのを待つだけでなく、対象機らしきものがあれば確認しておくと段取りが組みやすくなります。

3つ目は、現場への周知です。 今回の改善措置には、MAFセンサ自動補正の運転方法追加が含まれています。つまり、リコール対応後に「貼ってある銘板を見ればよい」で終わらせず、運転者が理解している状態にしておくことが大切です。

特に小さな会社では、機械の管理者と実際の運転者が日によって変わります。車両台帳、点検記録、現場への一言共有。この3つをセットで進めると、抜け漏れを減らせます。

今回のリコールから見える経営上の示唆

リコールそのものは、メーカーが届け出て改善措置を行うものです。 一方で、建設会社側にとっては、機械管理の仕組みを見直すきっかけにもなります。

現場の機械は、動いていると「問題なし」に見えます。 でも今回のように、事故や不具合件数が出ていなくても、排出ガスの保安基準に関わるリコールが出ることがあります。

だからこそ、次のような管理が効いてきます。

  • メーカー、型式、車台番号を一覧で管理する
  • 所有機、リース機、レンタル機を分けて把握する
  • リコール・点検・修理履歴を残す
  • 整備後の運転方法変更を、運転者まで伝える

難しいシステムでなくても構いません。Excelでも、紙の台帳でも、まずは十分です。大事なのは、いざ発表が出たときに「うちに対象機があるか」がすぐ分かることです。

機械管理は、安全管理であり、稼働管理であり、利益管理でもあります。 急な整備で現場が止まると、工程にも原価にも影響します。早めに把握できれば、影響を小さくできます。

まずは車台番号と販売店確認から

今回の発表では、使用者には直接電話またはダイレクトメール等で連絡するとされています。また、届出者のホームページにも掲載される予定です。

自社で対象機を使っている可能性がある場合は、次の順番で確認すると進めやすいです。

  1. WA80-8、FH35、FH40、FH45、FH50、FH60、FH70、FH80の使用有無を確認する
  2. 車台番号・シリアル番号を確認する
  3. 販売店または届出者に対象該当性を確認する
  4. 整備日程と現場稼働予定を調整する
  5. 対応後の銘板有無と運転方法を社内で共有する

今回のリコールは、現時点で事故無しとされています。過度に構える必要はありません。 ただ、対象機がある会社では、早めに確認しておくほど現場の段取りが楽になります。

機械管理を会社の仕組みにしていくために

リコール対応は、単発の確認で終わりがちです。 でも本当は、自社の機械台帳、点検記録、現場への伝達方法を整えるよい機会でもあります。

「うちの機械一覧がすぐ出てこない」 「リース機と自社所有機が混ざっている」 「整備の情報が現場まで伝わりきらない」 そうした状態は、多くの会社で起こります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。機械管理や点検台帳の整備も、現場を止めない経営管理の一部です。

今回の件をきっかけに、「自社では何から整理すべきか」を一緒に確認することもできます。無理な営業はいたしませんので、状況整理の壁打ちとして必要なときにご相談ください。 お問い合わせはこちら