国土交通省は、令和7年3月に公開した「上下水道DX技術カタログ」の内容を充実させるため、掲載する技術情報の追加募集を始めました。対象は、上下水道施設のメンテナンスの高度化・効率化に資するデジタル技術です。募集期間は令和8年6月15日から7月24日17時まで。改訂版カタログの公開は令和8年9月末が予定されています。
募集内容 | 「上下水道DX技術カタログ」に掲載する技術情報の追加募集 |
対象となる技術 | 上下水道施設のメンテナンスの高度化・効率化に資するデジタル技術 |
募集期間 | 令和8年6月15日(月)~令和8年7月24日(金)17時まで |
カタログ改訂版の公開予定 | 令和8年9月末 |
既掲載技術の扱い | 既に掲載されている技術は、保有法人・企業へ個別に改訂作業を依頼。再応募は不要 |
募集詳細 | 国土交通省ウェブサイトで案内 |
1週間で 19件ダウンロード されました
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
- 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
- 6月5日内装工事会社長崎県
- 6月4日防水工事会社東京都
- 6月4日内装工事会社東京都
- 6月3日総合建築埼玉県
- 6月3日空調設備工事会社香川県
これは「補助金」ではなく、技術の見える化です
今回の発表は、補助金や発注案件の公募ではありません。国土交通省が、上下水道施設の維持管理に役立つデジタル技術を集め、「上下水道DX技術カタログ」を充実させるための技術情報募集です。
背景にあるのは、上下水道施設の老朽化です。加えて、管理に精通した熟練職員の減少も進んでいます。国土交通省は、将来にわたって上下水道サービスを提供し続けるために、デジタル技術を活用したメンテナンスの高度化・効率化が重要だとしています。
中小建設企業にとって大事なのは、ここです。
国が「上下水道の維持管理は、人手と経験だけに頼る形から、デジタル技術を組み合わせる形へ進める」と明確に示しているということです。
上下水道メンテナンスに関わる会社は、自社技術の棚卸しをしたい
今回の募集対象は、上下水道施設のメンテナンスに関するDX技術です。具体的な応募条件や提出資料は、国土交通省の募集詳細ページを確認する必要があります。
ただ、経営判断としては、まず自社の技術や取り組みを次のように棚卸ししておく価値があります。
- 点検・調査・診断に関わるデジタル技術があるか
- 維持管理業務の省力化・効率化につながる仕組みがあるか
- 現場データの取得、記録、共有、分析に関わる取り組みがあるか
- 自社単独ではなく、メーカー・IT企業・測量会社などと組んだ技術があるか
中小企業の場合、「うちはDX技術を持っている会社ではない」と考えがちです。
しかし、現場ではすでに、紙の点検記録をデジタル化していたり、写真管理や位置情報、センサー、クラウド、遠隔確認などを組み合わせていたりするケースがあります。応募対象になるかは詳細確認が必要ですが、現場で当たり前にやっている工夫が、外から見ると維持管理DXの一部である可能性があります。
カタログ掲載は、公共分野での「説明しやすさ」につながる可能性があります
カタログに掲載されること自体が、受注や採用を保証するものではありません。ここは冷静に見たいところです。
一方で、国土交通省が公開するカタログに技術情報が整理される意味は小さくありません。上下水道を管理する自治体や関係者が、デジタル技術の導入を検討する際に、どのような技術があるのかを把握する入口になり得ます。
中小建設企業にとっては、営業資料を一から説明する前に、技術の概要や用途を共有しやすくなる可能性があります。
特に、上下水道の維持管理は、老朽化と人手不足が同時に進む分野です。今後は、単に「施工できます」「点検できます」だけでなく、限られた人員で、どのように安全性・品質・記録性を高めるかが問われやすくなります。
この流れは、元請・下請の立場を問わず影響します。
応募しない会社も、カタログの中身は見ておきたい
今回、応募する技術がない会社でも、改訂版カタログの公開予定である令和8年9月末以降には、中身を確認しておきたいところです。
理由はシンプルです。国が上下水道DXとして、どのような技術領域を重視しているかが見えるからです。
それは、自社の次の投資判断にも関係します。
- 維持管理分野でどのようなデジタル技術が増えているのか
- 自社の点検・調査・補修業務と相性のよい技術はあるか
- 協業できそうな企業や技術はあるか
- 今後、発注者から求められる説明や記録の水準が変わりそうか
建設業のDXは、派手なシステム導入だけではありません。現場の記録が早くなる。報告が正確になる。熟練者の判断を若手に引き継ぎやすくなる。移動や確認の手間が減る。こうした積み重ねもDXです。
上下水道分野では、その積み重ねがインフラの持続性に直結します。
中小建設企業が今見るべき3つのポイント
今回の発表を受けて、まず確認したいのは次の3点です。
1つ目は、自社や協力会社に、応募可能性のある技術・サービスがないかです。上下水道の維持管理に関わる会社であれば、現場で使っている仕組みを一度整理してみる価値があります。
2つ目は、応募期限が令和8年7月24日17時までであることです。技術資料の整理には時間がかかります。応募を検討するなら、詳細ページを早めに確認したいところです。
3つ目は、令和8年9月末に予定されている改訂版カタログの公開です。応募しない会社にとっても、今後の維持管理DXの方向性を読む資料になります。
上下水道は、地域の暮らしと産業を支えるインフラです。その維持管理を担う建設会社にとって、今回の募集は単なるカタログ更新ではありません。老朽化、人手不足、技術継承という課題に対して、建設会社がどのように価値を出していくかを考えるきっかけになります。
自社の技術や現場業務をどう整理するか
今回のようなDX技術カタログの募集は、「応募する・しない」だけで終わらせるには少し惜しいテーマです。自社の点検、調査、補修、記録、報告、協力会社との連携を見直すと、すでに強みになっている部分や、少し整えれば発注者に伝わりやすくなる部分が見えてくることがあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のようなDXや維持管理分野の動きを受けて、「うちの場合は何から整理すべきか」「技術や現場ノウハウをどう見せればよいか」を考えたい段階でも大丈夫です。
無理な営業はいたしません。建設業界の経営者の懐刀として、ものづくりに集中できる建設業界へ向けた整理の壁打ちからご一緒できます。






























