国土交通省は、令和8年5月分の「少数台数のリコール届出」を公表しました。対象が100台未満のリコール届出は10件です。今回の公表には、建設業の現場で使われる可能性があるショベル・ローダ、クレーン用台車、トラック架装車両、除雪車なども含まれています。
公表内容 | 少数台数のリコール届出(令和8年5月分) |
公表日 | 令和8年6月18日 |
対象 | リコール対象が100台未満の届出 |
令和8年5月の届出件数 | 10件 |
建設業で確認したい主な対象 | ショベル・ローダ、クレーン用台車、トラック、除雪車など |
確認方法 | 販売店または届出者への問い合わせ、メーカー等ホームページでの確認 |
1週間で 12件ダウンロード されました
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
少数台数リコールは、見落としやすいところが怖いです
今回の発表は、大規模なリコールではありません。
対象台数はそれぞれ100台未満です。だからこそ、現場では見落とされやすくなります。
「うちは大丈夫だろう」 「該当する台数が少ないなら関係ないだろう」
そう思いやすいです。
ただ、建設業の場合は少し事情が違います。1台の建機や車両が止まるだけで、工程、安全、代替手配に影響が出ることがあります。
特に、現場で毎日動くショベル・ローダやクレーン用台車、資材運搬に使うトラックは、会社の生産力そのものです。
少数台数リコールは、ニュースとしては小さく見えます。けれど、該当車両を持っている会社にとっては、かなり実務的な情報です。
建設業で特に確認したい対象車両
今回の公表の中で、中小建設業が確認しておきたいものは次の通りです。
届出者 | 主な車名・通称名 | 対象台数 | 不具合の概要 |
|---|---|---|---|
新潟トランシス株式会社 | ニイガタNR304ロータリ除雪車 | 1台 | 燃料プレフィルターが干渉し、損傷・燃料漏れのおそれ |
株式会社パブコ | いすゞ フォワード | 20台 | サイドガードの取付位置が保安基準に適合しない |
株式会社小松製作所 | WA100-8 他 | 80台 | 後処理装置の定置手動再生が実行できない |
株式会社小松製作所 | WA150-8 他 | 87台 | 駐車ブレーキシリンダーから油漏れ、警告灯点灯のおそれ |
株式会社タダノ | AC 5.220-1 他 | 3台 | 側方衝突警報装置が正常に作動せず、保安基準に適合しない |
どれも対象台数は多くありません。
しかし、内容を見ると軽く扱えないものがあります。
燃料漏れ、駐車ブレーキ、側方衝突警報装置、排出ガス後処理装置、サイドガード。いずれも安全・法令・稼働に関わる部分です。
「動いているから問題ない」とは限りません。
保安基準への適合が論点になっているものもあります。現場の安全だけでなく、車両管理の責任にもつながります。
自社で見るべきポイントは「車名」だけではありません
確認するときに、車名だけを見ると見落とすことがあります。
今回の資料でも、車名、型式、通称名、製作期間または輸入期間が示されています。
自社で確認したいのは、次の4点です。
- 車名
- 型式
- 通称名
- 製作期間・輸入期間
たとえば、同じ「コマツのローダ」でも、すべてが対象とは限りません。
逆に、通称名だけで判断して「違うだろう」と思っても、型式や製作期間が合っている可能性もあります。
ここは、感覚で見ない方がよいところです。
車検証、建機台帳、リース契約書、購入時の書類を見ながら、型式と期間で照合することが大切です。
リース車両・中古購入車両ほど、確認の抜けが起きやすいです
中小建設業では、建機や車両をすべて新車で自社購入しているとは限りません。
リースもあります。中古購入もあります。グループ会社や協力会社から借りることもあります。
この場合、リコール情報の伝達が少し複雑になります。
「販売店から連絡が来るはず」 「リース会社が見てくれているはず」 「前の所有者のところに通知が行っているかもしれない」
こうした“はず”が重なると、現場では確認が止まります。
保有車両だけでなく、リース車両、長期レンタル車両、常用している借用車両も一度確認対象に入れるのが安全です。
特に、現場で毎日使う機械は「止めにくい」です。
だからこそ、先に確認しておく価値があります。急に止まるより、予定を組んで対応した方が、現場への負担は小さくできます。
今回のニュースから見える経営上の示唆
今回の公表は、単なるリコール情報です。
ただ、中小建設業の経営として見ると、もう少し広い意味があります。
それは、車両・建機の管理が、安全管理であり、原価管理であり、工程管理でもあるということです。
建機が止まれば、現場が止まります。
代替機を手配すれば、追加費用が出ます。
作業を組み替えれば、職長や現場代理人の負担が増えます。
もし安全装置やブレーキ、燃料系統に関わる不具合なら、事故リスクにも関係します。
車両台帳は、ただの備品リストではありません。
「どの現場で、どの機械が、どの状態で動いているか」を把握する経営資料です。
今回のような少数台数リコールをきっかけに、台帳の精度を見直すのは良いタイミングです。
まずはこの順番で確認したいです
大きな仕組みを作る前に、まずは手元で確認できることがあります。
- 自社の車両・建機台帳を開く
- 今回公表された車名・型式・通称名と照合する
- 製作期間・輸入期間に入っていないか確認する
- リース・レンタル・中古購入車両も確認する
- 該当の可能性があれば、販売店または届出者に問い合わせる
- 確認結果を台帳に記録する
ここまでできれば、かなり整理されます。
大切なのは、確認した事実を残すことです。
「誰かが見たと思う」ではなく、確認日、確認者、問い合わせ先、結果を残しておく。
これだけで、次に同じような情報が出たときの対応が早くなります。
車両・建機管理を、現場任せにしすぎないために
リコール対応は、現場だけの仕事ではありません。
もちろん、実際に機械を見ているのは現場です。
しかし、型式、製作期間、購入先、リース先、修理履歴まで含めて見ると、管理部門や経営側の関与が必要になります。
「現場は忙しい」 「事務所も人が足りない」 「台帳はあるけれど、最新かどうか不安」
そういう会社も多いと思います。
その場合は、まず完璧を目指さなくてよいです。
よく使う車両・止まると困る建機から順番に、台帳と実物を合わせる。
それだけでも前に進みます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両・建機管理も、突き詰めると安全、原価、工程、組織運営につながるテーマです。
「うちの場合、どこまで台帳を整えればいいのか」「リース車両も含めた管理方法を見直したい」「安全管理と原価管理を一緒に整理したい」。そうした段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の相手として使ってください。


































