国土交通省は令和8年6月18日、消費者庁、消防庁、経済産業省、環境省と連携し、「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」を公開したと発表しました。リチウムイオン電池の誤った使用や不適切な廃棄等による発火・発煙事故の増加を踏まえ、事故防止や適切な廃棄方法に関する情報を一元的に発信するものです。
発表日 | 令和8年6月18日 |
発表機関 | 国土交通省 |
同時発表 | 消費者庁、消防庁、経済産業省、環境省 |
公開されたもの | リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト |
背景 | 誤った使用や不適切な廃棄等による発火・発煙事故の増加 |
主な掲載内容 | 火災の現状、事故防止の「3つのC」、関係省庁の広報用資料 |
ポータルサイトURL | https://www.fdma.go.jp/relocation/lithium-ion/ |
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中小建設業が見るべきポイント
今回の発表は、新しい許認可や補助金の案内ではありません。
ただし、建設会社にとっては見過ごしにくい内容です。現場、倉庫、事務所では、リチウムイオン電池を使う機器が増えています。小さな電池でも、扱いを誤れば発火・発煙につながる可能性があります。
国が示しているポイントは、事故を防ぐための「リチウムイオン電池の3つのC」です。
- 買うとき:製品情報、マーク表示、リコール情報を確認し、安全基準を満たした製品を選ぶ
- 使うとき:正しい使い方を意識し、衝撃・高温を避け、異常を感じたら直ちに使用を中止する
- 捨てるとき:リチウムイオン電池使用の有無を確認し、正しい廃棄方法を確認してから捨てる
建設業の実務に置き換えると、これは単なる注意喚起ではなく、「購入ルール」「使用ルール」「廃棄ルール」を社内でそろえる話です。
「現場任せ」にしないことが大事です
リチウムイオン電池の管理は、現場の一人ひとりの注意に頼りがちです。
もちろん、使う人の意識は大切です。ですが、会社として見ると、もう一段上の整理が必要です。
たとえば、次のような確認です。
- 誰が購入しているのか
- どのような基準で製品を選んでいるのか
- 異常を感じたとき、誰に報告するのか
- 使わなくなった電池搭載機器を、どの手順で廃棄するのか
- 現場、倉庫、事務所でルールに差が出ていないか
今回のポータルサイトには、関係省庁が作成した広報用資料も掲載されています。安全教育や朝礼、社内掲示に使いやすい情報源として活用できる点は、中小建設業にとって実務的です。
まず社内で決めたい4つのこと
今回のニュースを受けて、すぐに大きな仕組みを作る必要はありません。
まずは、会社の中で次の4点を確認するだけでも十分に意味があります。
1. リチウムイオン電池を使う機器を把握する
最初にやるべきことは、対象の見える化です。
どの部署、どの現場、どの倉庫に、リチウムイオン電池を使う機器があるのかを確認します。管理台帳まで作るかどうかは会社規模によりますが、少なくとも「どこに何があるか」が分からない状態は避けたいところです。
2. 購入時の確認項目をそろえる
ポータルサイトでは、購入前に製品情報、マーク表示、リコール情報を確認することが示されています。
会社としては、安さだけで選ばない購入ルールを持つことが大切です。現場ごと、担当者ごとに判断がばらつくと、管理が難しくなります。
3. 使用中の異常時ルールを決める
使用時は、正しい使い方を意識し、衝撃・高温を避けることが示されています。また、異常を感じたら直ちに使用中止とされています。
ここで重要なのは、「異常を感じたら止めてよい」と会社として明確にすることです。
現場では、工程や作業の流れを止めにくい空気が生まれることがあります。だからこそ、発火・発煙につながり得るものについては、使用中止と報告のルールを先に決めておく必要があります。
4. 廃棄方法を確認してから捨てる
廃棄については、リチウムイオン電池使用の有無を確認し、正しい廃棄方法を確認してから捨てることが示されています。
中小建設業では、不要品の処分が「まとめて片付ける」動きになりやすい場面もあります。だからこそ、電池搭載機器を廃棄する前に、電池の有無と廃棄方法を確認する流れを入れておきたいところです。
今回の発表は「小さな安全管理」の積み上げです
リチウムイオン電池は、特別な場所だけで使われるものではありません。日常業務の中に自然に入り込んでいます。
だからこそ、事故防止は難しくもあり、同時に取り組みやすくもあります。
大切なのは、難しい仕組みを最初から作ることではありません。
買うときに確認する。使うときに無理をしない。捨てるときに確認する。
この3つを、現場の感覚に任せきりにせず、会社のルールとして少しずつ整えることです。
今回公開されたポータルサイトは、そのための共通教材として使えます。安全担当者だけでなく、総務、購買、現場責任者も一度見ておくと、社内で会話がしやすくなります。
自社の電池管理を、現場ルールに落とし込むために
リチウムイオン電池の事故対策は、単独の安全テーマに見えて、実際には購買、現場管理、廃棄、教育、情報共有がつながる話です。
「うちの場合、どこまで決めればよいのか」「安全教育にどう入れればよいのか」「現場に負担をかけずにルール化したい」と感じる会社もあると思います。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、こうした日々の管理体制づくりも一緒に考えています。
まだ整理前の段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは「自社では何から確認すべきか」の壁打ち先としてご活用ください。


































