国土交通省は、「不動産情報ライブラリ」で公開している都市計画情報と指定緊急避難場所データを、2026年6月24日に更新すると発表しました。あわせて、今年度は雨水出水、いわゆる内水による浸水想定区域データを地図・APIで新規追加する予定です。

対象サービス

不動産情報ライブラリ

更新日

2026年6月24日

更新される主な情報

都市計画情報、指定緊急避難場所

都市計画情報の更新内容

令和6年度整備データから令和7年度整備データへ更新

指定緊急避難場所の更新内容

令和8年4月10日時点から令和8年6月12日時点へ更新

今年度の新規追加予定

雨水出水(内水)浸水想定区域データ(地図・API)

サービスの特徴

不動産関連オープンデータを地図上で重ね合わせ表示、API連携も可能

1週間で 9件ダウンロード されました

  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

建設会社にとっては「見積前の地図確認」が一段やりやすくなります

今回の更新は、不動産業界向けだけの話ではありません。

建設会社にとっても、現場住所を起点に、用途地域、防火・準防火地域、地区計画、都市計画道路、防災情報を早い段階で確認しやすくなるという意味があります。

更新対象となる都市計画情報には、次のようなものが含まれます。

  • 都市計画区域
  • 区域区分
  • 用途地域
  • 高度利用地区
  • 防火・準防火地域
  • 都市計画道路
  • 地区計画
  • 立地適正化計画

たとえば、営業担当が現地調査前に住所を確認する場面。設計や積算に渡す前の初期確認。元請・施主から相談を受けたときの一次回答。

こうした場面で、「まず地図で重ねて見る」ことができるデータが更新されるのは、地味ですが実務上かなり使いやすい変化です。

もちろん、最終判断は自治体や関係機関への確認が必要です。ただし、初動の精度は上がります。

特に見ておきたいのは、防火・準防火地域、地区計画、都市計画道路です

中小建設業の実務で影響が出やすいのは、まず防火・準防火地域です。

防火・準防火地域は、建物仕様、材料、開口部、コスト、工程に関わりやすい情報です。後から判明すると、見積の組み替えや説明の手戻りにつながります。

地区計画も同じです。

外壁後退、建物用途、形態、敷地利用など、地域ごとのルールが関係する場合があります。入力情報だけで全てが判断できるわけではありませんが、「この場所は通常より確認が必要そうだ」と早めに気づけること自体が価値です。

都市計画道路も見落としたくない情報です。

土地や建物の将来利用、配置、外構、施主への説明に関わる可能性があります。小規模な案件でも、計画地の周辺に都市計画道路があるかどうかは、初期段階で確認しておきたい項目です。

内水浸水想定区域の追加は、現場リスクと提案品質に関わります

今回の発表では、今年度の新規追加コンテンツとして、雨水出水(内水)浸水想定区域データが地図・APIで追加予定とされています。別紙では、2026年冬の追加予定として示されています。

内水とは、河川の氾濫だけでなく、雨水排水が追いつかないことで市街地側に水がたまるような浸水です。

建設会社の目線では、次の確認につながります。

  • 仮設計画や資材置場の考え方
  • 排水計画や外構提案の初期確認
  • 地下・半地下・ピットまわりのリスク確認
  • 施主への説明材料
  • 災害時の現場対応や避難場所の確認

これからは「ハザード情報を見たうえで提案しているか」が、会社の信頼感にも関わりやすくなります。

大きなシステムを作らなくても構いません。まずは営業・工務・安全担当が同じ地図を見て、同じ前提を持つことが大切です。

API提供は、社内DXの入口にもなります

不動産情報ライブラリは、地図表示だけでなくAPI配信にも対応しています。今回の別紙では、地図掲載情報が38コンテンツ、API提供情報が37コンテンツとされています。

すぐに自社システム連携まで行う会社は多くないかもしれません。

それでも、方向性は明確です。国のオープンデータを、建設会社の営業・積算・安全・原価管理の前段に組み込める時代になってきています。

たとえば、今後の社内運用としては次のような形が考えられます。

  1. 案件受付時に住所を確認する
  2. 不動産情報ライブラリで都市計画・防災情報を見る
  3. 用途地域、防火・準防火地域、地区計画、浸水想定、避難場所をチェックする
  4. 気になる項目を営業・設計・工務で共有する
  5. 必要に応じて自治体や関係機関へ確認する

ここまでを標準化するだけでも、属人化はかなり減ります。

ポイントは、担当者の経験だけに頼らず、住所から確認する項目を会社の型にすることです。

中小建設業が今回の更新でやっておきたいこと

今回の発表を受けて、まずやることは大きくありません。

ただ、次の3つは確認しておく価値があります。

  • 見積前チェックリストに、都市計画情報と防災情報の確認欄を入れる
  • 防火・準防火地域、地区計画、都市計画道路、浸水想定を重点項目にする
  • 確認結果を営業・設計・工務・安全で共有する流れを決める

特に、住宅、店舗、倉庫、工場、外構、造成、改修など、土地条件の影響を受けやすい工事では有効です。

「役所に確認する前の仮確認」として使う。これが現実的です。

不動産情報ライブラリは、最終判断の代わりではなく、手戻りを減らすための初期スクリーニングとして使うのがよいと考えます。

自社の見積・現調フローにどう組み込むかを整理する

こうしたオープンデータは、知っているだけでは効果が出にくいものです。大事なのは、自社の案件受付、現地調査、見積、施工計画のどこに組み込むかです。

「うちの場合、どの項目まで見ればよいのか」「営業と工務の間でどう共有すればよいのか」「Excelや既存の管理表にどう入れればよいのか」。このあたりは、会社ごとに答えが変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のようなデータ活用も、ものづくりに集中できる建設業界へ近づくための小さな一歩です。

自社への影響や、見積・現調フローへの組み込み方を一度整理したい場合は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしませんので、「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。