国土交通省は、橋梁・トンネル・道路附属物等について、2025年度までの点検や診断結果、措置状況等をまとめた「道路メンテナンス年報」を公表しました。2014年度から道路管理者に義務付けられている5年に1度の点検は、2024年度から3巡目に入っており、今回はその2年目の状況です。

公表内容

道路メンテナンス年報(3巡目2年目)

対象年度

2025年度(令和7年度)までの点検・診断・措置状況

対象施設

橋梁、トンネル、道路附属物等

3巡目2年目の点検実施状況

橋梁39%、トンネル34%、道路附属物等38%

判定区分III・IVの橋梁数

約6.9万橋(2018年度末)から約5.1万橋(2025年度末)へ減少

地方公共団体の課題

2020年度点検でIII・IVと診断された橋梁の修繕等着手率は79%

道路陥没件数(2025年度)

直轄国道101件、都道府県管理道路1,282件、市町村管理道路9,844件

今回のポイントは、単に「点検が進んでいる」という話ではありません。中小建設業にとっては、これからの公共工事が新設中心ではなく、維持修繕・予防保全・撤去や機能縮小・道路陥没対策へ、より重心を移していく流れとして読むべき内容です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
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老朽化は進むが、危険度の高い橋梁は減っている

2025年度末時点で、建設後50年以上経過した橋梁数は、2018年度末の約13万橋から約24万橋へ増えています。かなり大きな増加です。

一方で、早期または緊急に措置が必要な判定区分III・IVの橋梁数は、2018年度末の約6.9万橋から、2025年度末には約5.1万橋まで減少しています。

ここから読み取れることは明確です。道路インフラの老朽化は止まっていないが、修繕等の措置は進んでおり、国全体としては「事後対応」から「予防保全」への移行を進めているということです。

建設会社側から見ると、これは「一時的な修繕ブーム」ではありません。橋梁やトンネルは、点検、診断、補修設計、修繕、再点検という流れで、長く管理されていきます。つまり、維持修繕は継続型の市場になっていくと考えるべきです。

地方公共団体では、修繕の着手に遅れが残っている

今回の年報で、中小建設業が特に見ておきたいのは、地方公共団体の修繕等措置の着手状況です。

判定区分III・IVの橋梁は、次回点検まで、つまり5年以内に措置を講ずるべきとされています。しかし、2020年度点検でIII・IVと診断された橋梁のうち、地方公共団体の修繕等の措置着手率は79%にとどまっています。

これは裏を返せば、地域の道路管理者側に、まだ着手できていない修繕案件が残っているということです。

もちろん、すべてがすぐに工事発注されるとは限りません。予算、設計、優先順位、交通規制、地元調整など、発注までには多くの段階があります。ただ、地方公共団体に未着手案件が残っていることは、地域建設会社にとって重要な情報です。

特に、自治体工事を中心にしている会社は、次のような視点で情報を見ておく価値があります。

  • 自社の営業エリアにある自治体で、橋梁・トンネル・道路附属物の修繕発注が増えそうか
  • 小規模補修、交通規制を伴う工事、応急対応など、自社が得意な領域がどこにあるか
  • 元請として受けるのか、専門工事会社として協力会社に入るのか
  • 人員、協力会社、資機材をどの時期に確保すべきか

維持修繕の仕事は、新設工事と違って、現場条件が読みにくいこともあります。傷み方、交通量、近隣状況、既設構造物の状態によって、段取りが変わります。だからこそ、「修繕は小さい工事」と軽く見ず、利益管理と施工体制を最初から分けて考えることが大切です。

集約・撤去・機能縮小も、これからの公共工事の一部になる

今回の発表では、地方公共団体における施設の集約・撤去・機能縮小等の検討状況が、2025年度末時点で97%になったことも示されています。

また、道路メンテナンス事業補助制度では、集約・撤去等に取り組む地方公共団体を支援しており、2025年度は124団体を支援したとされています。

ここで大事なのは、すべての施設を直して使い続ける時代ではなくなっているという点です。老朽化が進み、利用状況や代替路の有無も踏まえながら、補修するもの、架け替えるもの、撤去するもの、機能を縮小するものが選別されていきます。

建設会社にとっては、補修工事だけでなく、撤去、迂回路整備、安全対策、隣接橋梁の補修や架替など、周辺工事も含めて見る必要があります。

地域のインフラ再編は、単なる縮小ではなく、地域に必要な道路機能をどう残すかという仕事です。中小建設業が地域事情をよく知っていることは、大きな強みになります。

道路陥没対策は、排水施設・占用物件との関係が重要になる

2025年度に発生した道路陥没件数は、直轄国道で101件、都道府県管理道路で1,282件、市町村管理道路で9,844件と公表されました。

国土交通省は、陥没の要因はさまざまだとしたうえで、水が流れる施設、つまり道路排水施設、下水道、水道の件数が多く、その中でも道路排水施設の割合が高いとしています。

また、都市部では、全道路と比較して占用物件に起因する陥没の割合が高く、特に下水道が多いとされています。

この情報は、道路工事会社、舗装会社、土木会社、管工事会社、維持管理業務に関わる会社にとって重要です。道路陥没対策は、舗装だけで完結する話ではなく、排水、下水道、水道、占用物件、路面下空洞調査とつながる複合的な仕事になっていきます。

国土交通省が2025年度に実施した直轄国道の路面下空洞調査では、調査延長2,788kmに対し、路面下空洞が8,419箇所確認されました。そのうち、路面陥没の可能性が高い区分Aは194箇所で、すべての箇所で修繕等に着手済みとされています。

今後、道路管理者側は、陥没リスクの把握と早期対応をより重視していくはずです。中小建設業としては、緊急対応力、夜間・交通規制を伴う施工、排水施設まわりの補修、舗装復旧、関係事業者との連携が、地域で選ばれる力になっていきます。

中小建設業は「維持修繕を受ける体制」を先に整えたい

今回の年報は、公共工事の方向性を読むうえで非常に実務的です。

中小建設業が考えるべきことは、単に「修繕工事が増えそうだ」という期待ではありません。維持修繕を安定して受け、きちんと利益を残し、事故なく完了できる体制をつくることです。

具体的には、次のような整理が必要になります。

  • 自社が得意な維持修繕領域を明確にする

橋梁補修、舗装、排水施設、法面、附属物、交通規制、応急対応など、どこで勝つのかを決める。

  • 自治体ごとの発注傾向を見る

自社エリアの市町村、都道府県、国の出先機関で、どの種類の維持修繕が出ているかを継続的に確認する。

  • 協力会社ネットワークを見直す

修繕工事は単独で完結しないことが多いため、舗装、土工、交通誘導、管路、調査、材料手配などの連携が重要になる。

  • 小規模工事の原価管理を細かくする

修繕は金額が小さくても、手間、移動、規制、待機、追加対応で利益が削られやすい。見積段階から実行予算を丁寧に見る。

  • 若手に維持修繕の経験を積ませる

新設工事とは違う判断力が必要になるため、現場の観察、既設構造物の扱い、安全管理を早めに学ばせる。

特に地方の中小建設業にとって、維持修繕は地域に残る仕事です。人口が減っても、道路、橋、トンネル、排水施設の管理はなくなりません。むしろ、地域インフラを守る会社としての存在感は、これからさらに重くなると見ておくべきです。

まずは自社エリアのメンテナンス需要を整理する

今回の道路メンテナンス年報は、全国の大きな数字を示したものです。ただ、経営判断に落とし込むには、最後は「自社の営業エリアではどうか」に分解する必要があります。

たとえば、橋梁補修に入るのか、舗装・排水施設まわりを強化するのか、自治体工事の元請を狙うのか、専門工事会社として協力体制を広げるのか。会社ごとに答えは違います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような公共工事や維持修繕の流れを受けて、「うちの場合はどこを見ればよいか」「発注情報や原価管理をどう整理すべきか」という段階でも大丈夫です。

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