国土交通省は令和8年8月21日、「気候変動による水資源への影響評価ガイドライン」を作成したと公表しました。
気候変動により、無降水日数の増加、降雪・積雪量の減少、将来的な渇水の深刻化が懸念されています。今回のガイドラインは、流域ごとに水資源への影響を評価し、関係者が水管理の調整を進めるための土台になるものです。
公表日 | 令和8年8月21日 |
公表主体 | 国土交通省 水管理・国土保全局 水資源部 |
名称 | 気候変動による水資源への影響評価ガイドライン |
目的 | 気候変動による水資源への影響について、全国的な傾向と流域単位での評価手法を整理すること |
背景 | 無降水日日数の増加、降雪・積雪量の減少、令和7年度の記録的な少雨による渇水など |
主な内容 | 全国的な傾向、流域単位の影響評価手法、評価結果の活用イメージ |
建設業への見方 | 水インフラ、河川・ダム関連、現場の水利用、地域BCPに関わる可能性 |
今回の発表は、建設会社に直接新しい義務を課すものではありません。
ただし、読み飛ばすには少し惜しい内容です。「雨の降り方が変わる」「雪が減る」「渇水が長引く」ことは、地域の公共投資、現場運営、工事の段取りにじわじわ効いてくるからです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
ガイドラインの中心は「流域ごとの水資源リスクをデータで見る」こと
今回のガイドラインでは、気候変動による水資源への影響について、全国的な傾向と、流域単位での評価手法が整理されています。
国交省の資料では、たとえば次のような傾向が示されています。
- 年積算降水量の変化は小さい一方で、降水パターンの極端化が進む
- 50mm/日未満の降水量が減少し、50mm/日以上の降水量が増加する傾向がある
- 本州以南では年最深積雪深や降雪量が減少する
- 全国的に蒸発散量は増加する
- 1/10渇水流量は、109水系のうち71水系で減少、6水系で増加、32水系で変化なしとされ、平均では0.79倍になるとの予測がある
ここで大事なのは、「雨の総量」だけでは読めない時代になっていることです。
「年間ではそれなりに降っている」。 でも、必要な時期に降らない。 降る時は一気に降る。 雪として貯まらず、春先以降の水源として効きにくくなる。
こうした変化が、渇水や水利用の調整につながります。
建設会社から見ると、これは遠い環境問題ではありません。水を使う現場、河川・ダム・上下水道に関わる工事、地域インフラの維持管理に関わる会社ほど、経営上の前提として見ておきたい話です。
中小建設業がまず見るべきは「義務かどうか」ではなく「地域の前提が変わるか」
今回のガイドラインは、建設会社に対する規制や補助金の案内ではありません。
ですので、「すぐに何か申請する」「明日から様式を変える」という話ではありません。
ただ、経営者としては次の問いを持っておく価値があります。
自社の施工エリアでは、今後、水不足や取水制限が現場運営に影響しないか。
たとえば、現場では散水、洗浄、コンクリート関連作業、粉じん対策、熱中症対策など、水に支えられている作業があります。水の確保が難しくなれば、段取りや原価に影響します。
もう一つは、公共工事の見方です。
渇水リスクが高まる地域では、ダム運用、河川管理、水利用調整、老朽化した水インフラの更新などが、今後の議論のテーマになりやすくなります。
もちろん、今回の発表だけで個別工事の増減を断定することはできません。
それでも、国が「流域総合水管理」を重視し、データに基づいて関係者間で議論する方向を示していることは、地域建設業にとって見ておくべき流れです。
「渇水」は災害対応と同じく、BCPの一部として考える
建設業のBCPというと、地震、豪雨、台風、土砂災害を思い浮かべる会社が多いと思います。
そこに、これからは渇水や水利用制限も、地域によってはBCPの確認項目に入ってくるかもしれません。
特に見ておきたいのは、次の点です。
- 現場で使う水をどこから確保しているか
- 取水制限が出た場合、止まりやすい作業は何か
- 工程への影響を発注者や元請とどう共有するか
- 夏場の熱中症対策と水確保をセットで考えているか
- 協力会社も含めて、渇水時の対応ルールがあるか
大げさな計画を作る必要はありません。
まずは、総務や工務の担当者が「うちの現場で水が止まったら何が困るか」を書き出すだけでも十分です。
現場の所長からは、こんな声が出るかもしれません。
「散水車の手配はどうするのか」 「粉じん対策は代替できるのか」 「暑い時期に水が使いにくいと、安全管理にも響く」
こういう小さな困りごとを、平時に拾っておくことが大切です。渇水対応は、環境部門だけの話ではなく、工程・安全・原価の話でもあります。
水インフラ関連の会社は、発注者側の議論にもアンテナを立てたい
今回のガイドラインでは、流域の関係者が評価結果を共有し、必要に応じて課題や適応策を議論することが想定されています。
資料では、現行の取水制限ルールを維持した場合の将来の取水制限日数やダム枯渇期間などを把握し、取水制限の開始タイミング、基準、取水制限率の見直しを議論するイメージも示されています。
これは、地域の水管理がよりデータ重視になっていく流れです。
水道、下水道、河川、ダム、農業用水、工業用水に関わる工事を手がける会社にとっては、発注者が何を課題として見始めているかを知る材料になります。
「今年の工事」だけではなく、3年後、5年後にどんな維持管理や更新、運用見直しが必要になりそうか。
地域の協議会や自治体の計画、河川・水資源関連の資料に目を通しておくと、営業や技術提案の質が変わります。
特に中小建設業は、地域の地形、川の癖、過去の渇水、現場での実感を持っています。
その実感は、データと組み合わせることで強みになります。「地域を知っている会社」が、水管理の時代にはより重要になります。
まず社内で確認したい3つのこと
今回のニュースを受けて、すぐに大きな投資をする必要はありません。
ただ、次の3点は一度確認しておくとよいです。
1つ目は、自社の施工エリアがどの水系に属しているかです。
水資源の議論は、行政区域だけではなく流域単位で進みます。市町村名だけでなく、どの川の流域で仕事をしているかを見ておくと、情報の読み方が変わります。
2つ目は、水を多く使う工種や現場作業を洗い出すことです。
水が不足した場合に、工程、品質、安全、近隣対応のどこに影響するか。現場ごとに違います。
3つ目は、公共工事の発注方針や地域計画の変化を見ることです。
国交省のガイドラインそのものに加えて、今後、自治体や流域関係者の議論にどう反映されるかがポイントになります。
このニュースは、今日の受注を直接変えるものではありません。けれど、地域建設業がこれから向き合う「水の前提」を変えていく可能性があります。
自社への影響を落ち着いて整理するために
気候変動や水資源の話は、どうしても大きなテーマに見えます。
「うちの規模で何を考えればいいのか」 「現場管理の話なのか、営業の話なのか、BCPの話なのか」
そう感じる会社も多いと思います。
まずは、自社の施工エリア、主な工種、水を使う作業、公共工事との関わりを並べてみるだけでも十分です。そこから、現場運営、原価管理、安全管理、将来の受注機会を一つずつ見ていくと、無理なく整理できます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような制度・ガイドラインを「自社の場合はどう見るか」という段階から、一緒に整理できます。
無理な営業はいたしません。まだ考えがまとまっていない段階でも大丈夫です。必要であれば、次の整理先としてご活用ください。

































