国土交通省は、令和8年8月24日、「砂防関係事業における遠隔・自動施工の推進検討委員会」の中間とりまとめを公表しました。

今回のポイントは、災害時だけでなく、平時の砂防工事から遠隔・自動施工を使っていくという方向性です。直轄砂防事業で先行的に実施し、その成果を地方公共団体や地域の建設会社へ展開していく方針が示されました。

公表内容

砂防関係事業における遠隔・自動施工の推進に関する中間とりまとめ

公表日

令和8年8月24日

対象分野

砂防関係事業

基本的な考え方

遠隔・自動施工の裾野拡大。地域の建設会社の日常的な施工手段として定着させる

先行実施

直轄砂防事業で平時から先行的に実施

当面の重点工種

掘削・運搬、砂防堰堤の床掘・除石、斜面対策など

背景

中山間地域の担い手不足、土砂災害の多発化・激甚化、厳しい施工環境、通信不感地帯、初期導入費用など

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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これは「一部の大手だけの技術」ではなくなりつつあります

今回の中間とりまとめで重要なのは、遠隔・自動施工を地域の建設会社の日常的な施工手段として定着させると明記している点です。

これまで遠隔施工は、立入困難な災害現場で安全を確保するための技術、という見られ方が強くありました。雲仙・普賢岳、有珠山、三宅島、熊本地震、能登半島地震などでも活用されてきました。

しかし、今回の方向性は少し違います。

「危険だから使う」だけでなく、「人が足りない時代でも施工体制を維持するために使う」技術へ位置づけが広がっています。

中山間地域の砂防工事では、移動時間、狭い施工スペース、通信環境、急峻な地形、猛暑・寒冷、野生生物への対応など、現場条件がもともと厳しいです。そこに担い手不足が重なります。

つまり、遠隔・自動施工は単なる新技術ではなく、地域建設会社が将来も工事を担い続けるための経営テーマになってきています。

当面の焦点は「掘削・運搬」です

中間とりまとめでは、円滑な普及を図るため、実装段階に近く、通常工事と災害対応で共通する工種を推進するとしています。

特に示されたのが、次の工事内容です。

  • 砂防堰堤の床掘(掘削)、運搬
  • 砂防堰堤の除石(掘削)、運搬
  • 斜面対策(急斜面等)

なかでも掘削・運搬は、多くの工事に共通する基本工種です。令和7年度に遠隔・自動施工を実施した直轄砂防工事では、遠隔による掘削工事が実施されていたことも示されています。

中小建設企業にとっては、ここが入口になりそうです。

いきなり全工程を自動化する話ではありません。中間とりまとめでも、「有人施工が可能な中での部分的な遠隔・自動施工」に取り組む必要があるとしています。

現実的には、まずは掘削・運搬の一部で試す。操作室からの施工を経験する。通信環境やカメラ配置、施工計画、安全管理の勘所をつかむ。そうした段階的な導入が見えてきます。

経営者が見るべきポイントは3つです

今回の話は、技術担当者だけに任せるには少し大きいテーマです。経営として見るべき点があります。

1つ目は、受注機会や発注方式への影響です。

国土交通省は、直轄砂防事業で平時から遠隔・自動施工を先行的に実施し、その成果を地方公共団体や地域建設会社へ展開するとしています。また、モデル工事の実施、工事成績評定時の適切な加点評価の重要性にも触れています。

すぐに全工事で必須になるという話ではありません。ただし、直轄工事を起点に、仕様書、積算、施工計画、設計変更協議、評価の考え方が少しずつ整っていく可能性があります。

2つ目は、人材確保と職場環境への影響です。

委員会は、遠隔・自動施工について、安全確保だけでなく、人材確保や企業の魅力向上にもつながるとしています。操作室から施工できれば、暑さ、寒さ、騒音、振動などの身体的負担を下げられる可能性があります。

若手にとっても、建設業の見え方が変わります。ベテランの経験を操作室で若手に伝える、新しい技術継承の形も期待されています。

3つ目は、投資と原価管理です。

遠隔・自動施工には、建設機械、通信設備、操作環境、カメラ、センサー、人材育成などが関わります。中間とりまとめでも、初期導入費用や通信環境が課題として挙げられています。

一方で、建機メーカーやレンタル・リース事業者による遠隔施工対応機械の提供が進み、地域の中小建設企業でも利用しやすい環境が整いつつあるとも整理されています。

「買うか、借りるか、組むか」まで含めて、投資判断する時代に入っています。

まず準備したいこと

現時点で、すべての中小建設企業がすぐ設備投資する必要はありません。むしろ、最初にやるべきことは情報整理です。

具体的には、次のような準備が現実的です。

  • 自社が関わる砂防・法面・土工系工事で、掘削・運搬の比率を確認する
  • 遠隔施工に向いていそうな現場条件と、向かなさそうな現場条件を分ける
  • ICT施工、マシンガイダンス、マシンコントロールの経験者を社内で把握する
  • レンタル会社、建機メーカー、通信事業者と情報交換を始める
  • 国土交通省の技術事務所等が行うICT研修や、訓練支援策の情報を確認する
  • 受注者提案で実施する場合の設計変更協議や費用計上の考え方を整理する

また、中間とりまとめでは、中小企業庁の「中小企業省力化投資補助金」に関する記載もあります。具体的な対象や要件は別途確認が必要ですが、遠隔・自動施工を単独の技術導入ではなく、省人化投資の一部として見る視点は大切です。

中小建設業にとっての本質は「人を減らす技術」ではありません

遠隔・自動施工という言葉だけを見ると、「人が不要になるのでは」と感じる方もいるかもしれません。

ただ、今回の中間とりまとめでは、作業員向けのメッセージとして、遠隔・自動施工は人の仕事を奪う技術ではなく、安全を確保し、人がより健康的に働くための技術だと整理されています。

ここはとても大事です。

建設業は、結局のところ現場を知る人の判断で成り立っています。地山の変化、機械の違和感、周辺環境、住民対応、事故時の判断。こうした仕事は、簡単には置き換わりません。

だからこそ、遠隔・自動施工は、人の経験を機械で置き換える話ではなく、人がより長く、より安全に、より高い価値を出すための道具として捉えるのがよさそうです。

砂防工事を担う地域企業にとって、この流れは避けるものではなく、少しずつ自社の武器にしていくものです。

自社にとっての導入余地を整理するには

今回の中間とりまとめは、すぐに全社一律で対応を迫るものではありません。一方で、直轄砂防事業から実績が積み上がれば、地方公共団体の工事や地域の施工体制にも徐々に影響していく可能性があります。

まずは、自社の工種、保有機械、協力会社、オペレーターの年齢構成、ICT施工の経験、今後取りたい工事を並べて、「うちならどこから試せるか」を考えることが第一歩です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。遠隔・自動施工やICT活用についても、単なる機械導入ではなく、受注戦略、人材育成、投資回収、現場運用まで一緒に整理することが大切です。

「うちの場合はどう考えるべきか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、次の一手を整理する場としてご活用ください。

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