国土交通省は、令和8年7月分として、リコール対象が100台未満の「少数台数リコール届出」12件を公表しました。対象台数は少ないものの、建設会社が保有・使用する可能性のある建設機械、ショベル・ローダ、フォークリフト、車両運搬車なども含まれています。
公表内容 | 少数台数のリコール届出の公表 |
対象月 | 令和8年7月分 |
公表日 | 令和8年8月20日 |
届出件数 | 12件 |
対象 | リコール対象が100台未満の届出 |
建設業が特に確認したい掲載例 | 日立建機、コマツ、極東開発工業などの建設機械・作業車両関連 |
確認方法 | 販売店、届出者、メーカー等ホームページの検索画面で確認 |
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建設会社が見落としやすいのは「少数台数」のリコールです
今回の公表は、対象が100台未満のリコールです。
大規模リコールのように、ニュースで大きく扱われるとは限りません。
しかし、現場で使う1台に当たれば話は別です。
少数台数のリコールは、「うちには関係ない」と流しやすい一方で、対象車両を保有している会社にとっては安全・法令対応に直結します。
特に中小建設業では、車両や機械の管理が次のようになりがちです。
「この機械、いつ買ったっけ」
「中古で入れたから、製作期間までは見ていない」
「リース会社に任せているはず」
「現場で普通に動いているから大丈夫だろう」
こうした感覚は、現場では自然です。
日々の段取り、工程、安全書類、職人の手配で手いっぱいです。
ただ、リコール情報だけは別です。
車名・型式・通称名・製作期間が一致するかを、車検証や機械台帳で確認するだけでも、リスクをかなり下げられます。
今回、建設業が特に確認したい対象
公表資料の中で、建設業の実務に関係しやすいものを整理します。
届出者 | 対象車両・機械 | 対象台数 | 製作期間 | 不具合の概要 |
|---|---|---|---|---|
日立建機株式会社 | 日立 ZC220P-7 | 29台 | 令和6年2月28日~令和7年1月30日 | モニタパネル内部に水が浸入し、積算走行距離計が正しく表示されないおそれ |
株式会社小松製作所 | コマツ WA320-8ほか | 13台 | 令和8年2月19日~令和8年3月12日 | ショベル・ローダの番号灯が不灯となるおそれ |
極東開発工業株式会社 | 三菱 ふそうキャンター 1台積み車両運搬車 | 47台 | 令和7年7月2日~令和8年5月14日 | 番号灯が点灯せず、保安基準に適合しない状態となるおそれ |
株式会社小松製作所 | コマツ FG35-10ほか | 6台 | 令和5年4月28日~令和7年8月20日 | LPG燃料フォークリフトで、LPGが漏れるおそれ |
ここで見たいのは、単に「メーカー名」だけではありません。
確認すべきは、車名・型式・通称名・製作期間の組み合わせです。
たとえば、同じメーカーの同じような機械でも、対象になるものとならないものがあります。
中古購入、リース、レンタル、下取り予定の機械も含めて確認したいところです。
安全管理上、特に気にしたいポイント
今回の不具合には、いくつかの種類があります。
番号灯の不灯。
積算走行距離計の表示不良。
LPG漏れのおそれ。
燃料漏れや火災のおそれが記載された車両もあります。
建設会社の目線では、特に次の2つが重要です。
1つ目は、公道を走る車両が保安基準に適合しない状態になる可能性です。
現場への移動、資材運搬、回送。
建設業の車両は、公道と現場を行き来します。
番号灯などは小さな部品に見えます。
しかし、保安基準に関わる以上、「点かないけど走れる」で済ませにくい部分です。
2つ目は、燃料系の不具合です。
今回の公表では、LPGフォークリフトのホースに亀裂が生じ、LPGが漏れるおそれがあるとされています。
資材置場、倉庫、工場、仮設ヤードでフォークリフトを使っている会社は多いはずです。
毎日使う機械ほど、異常に慣れてしまいます。
「少しガス臭い気がする」
「始業前点検では大きな異常がない」
そんな小さな違和感を見逃さないためにも、リコール対象の確認は大切です。
実務では、車両台帳とリース・レンタルの確認をセットで進めたい
今回のような情報を見たとき、まずやることはシンプルです。
自社の車両・機械台帳と照合することです。
確認したい項目は次の通りです。
- メーカー名
- 車名
- 型式
- 通称名
- 製作年月または登録年月
- 購入先、販売店、リース会社
- 使用している現場・置場
- 点検担当者
紙の台帳でも構いません。
Excelでも構いません。
大事なのは、誰かの記憶だけに頼らないことです。
「社長がだいたい覚えている」「整備担当が知っている」状態から、台帳で確認できる状態に近づけることが、リコール対応の第一歩です。
また、リース車両やレンタル機械も忘れやすいところです。
所有者が自社でなくても、現場で使っているのは自社の社員や協力会社です。
リース会社、レンタル会社、販売店に確認するだけでも、かなり安心できます。
協力会社の車両も、現場全体の安全として見る
元請・下請を問わず、建設現場では多くの会社の車両が出入りします。
自社の機械だけが安全でも、現場全体のリスクはなくなりません。
だからといって、協力会社の全車両を細かく管理するのは現実的ではありません。
できる範囲で十分です。
たとえば、朝礼や安全協議会で次のように共有するだけでも意味があります。
「国交省から少数台数のリコールが出ています」
「建機やフォークリフトも含まれています」
「該当しそうな車両があれば、販売店かメーカーに確認してください」
この一言で、誰かが気づくことがあります。
リコール情報は、事故が起きてから探すものではなく、現場の安全会話に混ぜておくものです。
重く構えすぎる必要はありません。
ただ、流しすぎない。
そのくらいの距離感がちょうどよいと思います。
会社としては「確認した記録」を残しておきたい
リコール対応で大切なのは、対象かどうかの確認だけではありません。
確認した事実を残すことも重要です。
たとえば、次のような簡単な記録です。
- 確認日
- 確認した車両・機械
- 型式
- 製作期間
- 確認先
- 対象/対象外
- 対象だった場合の対応状況
大げさな書式は不要です。
Excelの1行でも構いません。
整備ファイルにメモを挟むだけでも、何もないよりずっとよいです。
「見た」「聞いた」「大丈夫だと思う」ではなく、「確認した」と言える状態をつくる。
これは、これからの安全管理でますます大切になります。
まずは保有車両を一度棚卸しする機会に
今回の発表は、対象台数が100台未満のリコール情報です。
ただ、中小建設業にとっては、車両管理を見直すよいきっかけになります。
特に、建設機械、フォークリフト、運搬車、営業車、社用車が増えてきた会社ほど、どこかで台帳が追いつかなくなります。
「買ったときは覚えていた」
「現場が増えて、置き場が分かれた」
「リースと自社所有が混ざってきた」
こうなると、リコール情報が来ても、照合に時間がかかります。
車両台帳を整えることは、単なる事務作業ではなく、安全・法令対応・原価管理を支える土台です。
修理費、燃料費、稼働率、買い替え時期。
ここまで見えるようになると、経営判断にも使えます。
リコール対応をきっかけに、まずは「いま何台あり、どこで使っているか」を確認するだけでも十分です。
自社の車両管理を整理するきっかけに
リコール情報を見ても、「うちの場合、どこまで確認すればよいのか」「台帳が古くて、まず何から直せばよいのか」と迷う会社は少なくありません。
その段階でも大丈夫です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
車両台帳、点検記録、リース管理、Excel管理の見直しなども、建設企業の持続的成長を支える大切なテーマです。
「ものづくりに集中できる建設業界へ」という考え方のもと、現場に無理のない形で整理することを大切にしています。
無理な営業はいたしません。
「まず何を確認すればよいか」を一緒に整理する場として、必要であればご活用ください。

































