国土交通省は、令和8年8月17日、建設総合統計の令和8年、2026年6月分を政府統計の総合窓口「e-Stat」に公表しました。建設総合統計は、国内の建設活動を「出来高ベース」で把握するための加工統計です。建築着工統計調査や建設工事受注動態統計調査から得られる工事費額をもとに、工事の進捗に合わせて月ごとの建設工事出来高として推計しています。

公表内容

建設総合統計 令和8年、2026年6月分

公表日

令和8年8月17日

公表主体

国土交通省 総合政策局 情報政策課 建設経済統計調査室

掲載先

政府統計の総合窓口「e-Stat」

統計の目的

国内の建設活動を出来高ベースで把握すること

基礎となる統計

建築着工統計調査、建設工事受注動態統計調査

留意点

過去3カ年分の遡及改定や、基礎統計等の品質改善に伴う改定が行われる場合があります

今回の公表そのものは、制度改正や補助金のように「明日から手続きが変わる」類のニュースではありません。ただし、建設会社の経営にとってはかなり大事です。建設総合統計は、いま市場でどの種類の工事が実際に進んでいるかを見るための、経営判断の基礎資料になるからです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード

見るべきポイントは「受注」ではなく「出来高」です

建設総合統計で押さえたいのは、これは単なる受注額ではなく、工事の進捗に応じた出来高を月次で推計している統計だという点です。

受注は、契約を取った時点の数字です。一方、出来高は、実際に工事が進み、現場で施工が積み上がっている状態に近い数字です。

中小建設業の経営では、売上・入金・人員配置・外注手配・資材発注が、すべて現場の進み具合と連動します。そのため、出来高の動きは、次のような問いを考える材料になります。

  • 自社の主力分野と市場全体の動きは合っているか
  • 民間工事と公共工事のどちらに勢いがあるのか
  • 建築、土木、居住用、非居住用のどこで工事量が動いているのか
  • 人員や協力会社をどの領域に寄せるべきか
  • 見積単価や原価管理を、今の市場感に合わせて見直す必要があるか

特に、専門工事会社の場合は「元請から声がかかる件数」だけで市場を見てしまいがちです。しかし、声がかかっている案件が本当に進むのか、どの分野の出来高が積み上がっているのかを見ておくと、営業や人員計画の精度が上がります。

中小建設業は「民間・公共」「建築・土木」の偏りを確認したい

今回の概要資料では、出来高総計のほか、民間総計、公共総計、さらに建築・土木、居住用・非居住用といった区分が示されています。

ここで大事なのは、単月の数字を見て一喜一憂することではありません。自社の売上構成と、統計上の市場構成を照らし合わせることです。

たとえば、民間建築に強い会社であれば、民間の建築、居住用、非居住用の動きを見ます。公共土木に関わる会社であれば、公共の土木出来高を見ます。設備、内装、外構、解体、電気、管、舗装などの専門工事会社も、自社がどの区分の動きに影響を受けやすいかを一度整理しておくと、数字の読み方が変わります。

現場では、よくこういう感覚があります。

「最近、見積依頼は多いけれど、なかなか決まらない」

「公共は動いている感じがするが、民間の単価が厳しい」

「住宅系は忙しいが、非住宅の大型案件は地域差が大きい」

こうした肌感覚を、統計で確認することが重要です。現場の感覚と統計の動きが一致しているなら、今の営業方針に一定の根拠が持てます。逆にズレているなら、受注先や案件種別を見直すきっかけになります。

遡及改定があるため、単月だけで判断しないことが大切です

国土交通省は、建設総合統計について、毎年6月、4月分公表時に、確定した建設投資額の実績値から算出される直近の補正率を用いて、直前の3月分から過去3カ年分を遡及改定していると説明しています。また、基礎統計等の品質改善に対応して遡及改定する場合もあります。

つまり、今回公表された値は、今後変わり得る数字です。

これは、経営判断に使えないという意味ではありません。むしろ逆です。使い方に注意が必要だということです。

中小建設業が見るときは、次のように扱うのが現実的です。

  • 単月の増減だけで判断しない
  • 3カ月、半年、年度単位の流れで見る
  • 自社の受注残、売上、粗利、稼働率と並べて見る
  • 最新版が出たら、必要に応じて見直す

特に、資材価格、人件費、外注費が上がりやすい局面では、「市場が増えているから安心」とは言い切れません。出来高が増えていても、利益が残るとは限らないからです。市場の量を見るだけでなく、自社の利益率と資金繰りにどう反映されているかまで確認することが大事です。

経営者が社内で確認したい3つのこと

今回のような統計公表を見たとき、中小建設業の経営者が社内で確認したいのは、細かな統計分析そのものではありません。実務に落とすなら、次の3つです。

1. 自社の受注残は、市場の動きと合っているか

まず見るべきは、受注残です。今後3カ月から6カ月の工事量が、自社の人員・協力会社体制に対して過不足ないかを確認します。

市場全体の出来高が動いていても、自社の受注残が薄い場合は、営業先や案件種別が市場とズレている可能性があります。逆に受注残が厚すぎる場合は、無理な受注で現場品質、安全、粗利を落とさないように注意が必要です。

2. 見積単価は、今の原価に合っているか

出来高が増える局面では、人手や協力会社の確保が難しくなりやすくなります。外注費や労務費が上がると、過去の単価感で見積を出している会社ほど、受注後に利益が削られます。

ここで確認したいのは、見積時点の原価前提が、実際の施工時点の原価に追いついているかです。

「去年と同じ単価で出している」

「協力会社からの見積が上がっているのに、施主や元請への見積に反映できていない」

こうした状態があるなら、統計の増減以上に、自社の利益管理を優先して見直す必要があります。

3. 民間・公共の依存度を見直す余地はあるか

民間工事と公共工事では、営業方法、入札・契約、資金回収、必要書類、繁忙期が異なります。どちらが良い悪いではありません。大事なのは、自社の体力に合った受注ポートフォリオになっているかです。

公共工事に強い会社でも、年度末偏重が強ければ人員負荷が高まります。民間工事に強い会社でも、特定の元請や施主に依存しすぎると、案件の波を受けやすくなります。

建設総合統計は、そうした偏りを考えるときの外部環境データとして使えます。

統計は「答え」ではなく、経営会議の材料にする

建設総合統計を見たからといって、すぐに受注方針を変える必要はありません。ただ、月次の出来高統計を経営会議の材料にする会社は、市場の変化に早く気づけます

おすすめは、難しい分析をすることではなく、毎月の会議で次のように一枚にまとめることです。

  • 建設総合統計の全体感
  • 自社が関係する分野の動き
  • 自社の受注残
  • 自社の粗利率
  • 協力会社の確保状況
  • 今後3カ月の山場

これだけでも、会議の質は変わります。

「忙しいのに儲からない」

「売上はあるのに資金繰りが重い」

「人は足りないが、どの案件を優先すべきか決めきれない」

こうした悩みは、現場の努力だけでは解決しにくいものです。市場データ、自社の数字、現場の負荷を並べて見ることで、初めて打ち手が見えてきます

自社の数字と市場データを並べて考えるために

今回の建設総合統計は、直接的な制度対応を求めるニュースではありません。しかし、受注、人員、外注、見積、利益管理を考えるうえで、静かに効いてくる情報です。

「うちの場合は、どの区分を見ればよいのか」

「受注はあるのに利益が残らない理由を整理したい」

「公共と民間のバランスを見直したい」

そうした段階であれば、まずは自社の受注残、粗利、稼働率、協力会社体制を並べて整理するところから始めるのがよいです。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、販路拡大、資金調達、人材確保、組織活性化、原価管理、デジタル活用まで、現場と経営をまたいだ課題整理を行っています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要なときに壁打ち先として使ってください。

お問い合わせはこちら