国土交通省は、内閣府、警察庁、消防庁、気象庁とともに、「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」と「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」に関するチラシを公表しました。令和8年8月千葉豪雨を踏まえたもので、大雨による被害軽減に向けて広く周知する目的です。

公表日

令和8年8月26日

発表機関

内閣府(防災担当)、警察庁、消防庁、国土交通省、気象庁

背景

令和8年8月千葉豪雨

公表資料

「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」チラシ、「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」チラシ

主な注意点

レベル5ではむやみに移動しないこと、浸水時の車移動を控えること、冠水道路に進入しないこと

建設会社への示唆

現場作業・移動・社用車運転の判断基準を、平時に社内で共有しておく必要があります

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
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レベル5は「避難を始めるタイミング」ではありません

今回のチラシで最も大事なのは、レベル5大雨特別警報は、すでに安全な避難ができず、命が危険な状況であると明示されている点です。

建設会社の現場では、天候が悪化しても「あと少しで区切りがつく」「材料だけ片付けたい」「車で帰れるうちに戻りたい」と考えがちです。現場責任者も、職人さんも、管理部門も、悪気があって判断を遅らせるわけではありません。目の前の工程、元請との約束、近隣対応、資材の養生など、考えることが多いからです。

ただし、今回の周知内容ははっきりしています。レベル5が出てから避難方法を考えるのでは遅いということです。

チラシでは、市町村が発令する警戒レベル4避難指示までに必ず避難することが呼びかけられています。中小建設業としては、この考え方を現場ルールに落とし込むことが大切です。

たとえば、次のような確認が必要です。

  • 現場を止める判断を誰がするのか
  • 職人さんを帰す判断をどの情報で行うのか
  • 資材・重機の養生より、人の退避を優先する基準を共有できているか
  • 協力会社にも同じ判断基準を伝えているか

災害対応は、当日の気合いで乗り切るものではありません。平時に決めておいた会社ほど、悪天候時に迷いが少なくなります。

建設業が特に見落としやすいのは「車移動」の危険です

今回、車運転の注意点が別チラシとして公表されていることは、建設業にとって重要です。建設業は、現場への移動、資材運搬、社用車、軽トラック、ダンプ、営業車、通勤車両など、日常的に車に依存しています。

チラシでは、浸水が懸念されるときは車での移動を控えること冠水した道路への進入は命に関わる危険があることが示されています。

特に押さえておきたいのは、車はわずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合があるという点です。

「このくらいなら行けるだろう」 「前の車が通ったから大丈夫だろう」 「現場まで近いから一気に抜けよう」

こうした判断が、冠水時には危険に変わります。チラシでは、水深が床面を超えると電気装置が損傷し、自動スライドドアやパワーウインドウが動作しなくなるおそれがあること、ドアの下端に水がかかると水圧で内側からドアを開けにくくなることも示されています。

つまり、車は避難手段であると同時に、浸水時には閉じ込められる空間にもなり得るということです。

社用車を使う会社では、次のような社内確認が現実的です。

  • 大雨時に車移動を中止する基準を決める
  • 冠水した道路、アンダーパス、低地を通らないルートを確認する
  • 現場から会社へ戻ることを優先しすぎない
  • 状況が落ち着くまで安全な場所で待機する判断を認める
  • 脱出用ハンマーを備える場合は、すぐ使える位置に置く

チラシでは、脱出用ハンマーについても触れられています。ただし、合わせガラスは割れないとされています。備品を置くだけで安心するのではなく、車で動かない判断を先に置くことが重要です。

ハザードマップ確認は「総務の仕事」ではなく「現場運営の前提」です

今回のチラシでは、自治体が公表しているハザードマップや防災情報を確認し、自分のいる場所に河川の氾濫や内水氾濫による浸水リスクがないか確認することも呼びかけられています。

建設会社に置き換えると、確認すべき場所は本社だけではありません。

  • 施工中の現場
  • 資材置場
  • 車両置場
  • 寮や宿舎
  • 従業員の通勤経路
  • 協力会社がよく出入りする集合場所

特に、地下施設、アンダーパス、低地は短時間で浸水する危険があるとされています。建設業の場合、現場周辺に土地勘がないまま作業に入ることも珍しくありません。元請から渡される安全書類や現場案内だけでは、大雨時の退避判断まで十分に共有されないこともあります。

だからこそ、現場ごとに「水が出たら危ない場所」を最初に確認することが大切です。

これは大げさな防災計画ではなく、朝礼やKY活動に組み込める内容です。

「この現場の近くにアンダーパスはあるか」 「大雨のとき、どちらの方向へ逃げると危ないか」 「車を置いたまま退避するなら、どこに向かうか」

こうした会話を、晴れている日に済ませておく。災害時の安全管理は、天気が悪くなってからではなく、天気が良い日にどれだけ準備していたかで差が出ます。

中小建設業が今回見直したい3つの社内ルール

今回の公表資料は、企業向けの新制度や義務化の発表ではありません。ただし、建設業の実務にはかなり直結します。

中小建設業がまず見直したいのは、次の3つです。

1. 作業中止・退避の判断基準

「誰が、どの情報を見て、いつ止めるか」を決めておくことです。

テレビ、ラジオ、インターネット、SNS、防災行政無線等で最新情報を確認するよう呼びかけられていますが、会社としては情報源が多いほど判断がばらつくこともあります。

現場責任者任せにしすぎると、責任感の強い人ほど無理をします。会社として、退避を選んだ現場責任者を守るルールが必要です。

2. 車移動を止める基準

大雨時の車移動は、通常時の移動とは別物として扱う必要があります。

現場から会社に戻る。資材を取りに行く。職人さんを送る。営業車で客先へ向かう。どれも普段は当たり前の行動ですが、浸水が懸念される局面では危険になります。

「行けるかどうか」ではなく、行かなくてよい状態を先につくることが大切です。

3. 協力会社・一人親方への周知

中小建設業では、自社社員だけで現場が動いているわけではありません。協力会社、一人親方、応援の職人さんが入る現場も多いはずです。

そのため、災害時の判断基準は、自社の中だけで完結させないことが重要です。

チラシは周知資料として活用できます。難しい文書を一から作るより、今回のような公的資料を安全会議や朝礼で共有する方が、現場にも伝わりやすいでしょう。

「止める判断」を会社の文化にしていく

建設業では、工程を守る力、約束を守る力、現場を納める力が会社の信用につながります。その価値は変わりません。

ただし、豪雨や浸水の場面では、信用を守るためにも人命を最優先にする必要があります。危険な状況で現場を続けない会社、無理に車を出させない会社であることは、これからの建設会社の信頼そのものです。

今回のチラシは、単なる一般向けの防災広報として読むだけではもったいない内容です。

中小建設業にとっては、次の問いを社内で確認するきっかけになります。

  • レベル5が出る前に、現場を止められるか
  • 警戒レベル4避難指示までに、退避を完了できる運用になっているか
  • 冠水道路に入らないことを、社員と協力会社に徹底できているか
  • 現場ごとの浸水リスクを、着工前や朝礼で確認できているか

大雨対応は、特別な会社だけの課題ではありません。現場を持ち、車を使い、人を預かる建設会社すべてに関わるテーマです。

自社の現場ルールに落とし込むために

今回のような防災情報は、読んで終わりにすると現場ではなかなか使われません。大切なのは、自社の現場数、車両台数、協力会社との関係、通勤経路に合わせて、判断基準を具体化することです。

「うちの場合、誰が止める判断をするのか」 「社用車や現場車両のルールをどう書けばよいのか」 「安全書類や朝礼で、どこまで共有すればよいのか」

こうした整理は、会社ごとに事情が違います。ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して、中小建設業の経営課題を一緒に整理しています。安全管理や災害時の社内ルールづくりも、現場運営や組織づくりと切り離せないテーマです。

「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは自社の場合の考え方を整理する場としてご活用ください。

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