国土交通省は、令和7年度住宅市場動向調査の結果を公表しました。今回の調査では、令和6年度に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯を対象に、住宅取得資金、満足していない点、リフォーム促進税制の適用状況、省エネ設備の設置状況などが整理されています。
中小建設業、とくに住宅建築・リフォーム・設備工事に関わる会社にとっては、単なる統計ではありません。お客様が何に不満を持ち、何を重視し、どの制度を使えていないのかが見える資料です。
公表内容 | 令和7年度住宅市場動向調査の結果 |
公表者 | 国土交通省 住宅局 |
調査対象 | 令和6年度(令和6年4月〜令和7年3月)に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯 |
調査区分 | 注文住宅、既存(中古)住宅、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅 |
新たな調査項目 | 「満足していないこと」「リフォーム促進税制(所得税)」 |
増設された調査項目 | 省エネ設備の設置状況 |
住宅購入資金・リフォーム資金の平均値 | 注文住宅7,646万円、分譲集合住宅6,443万円、リフォーム住宅170万円など |
リフォーム促進税制の適用割合 | 既存戸建取得後リフォーム14.7%、既存集合取得後リフォーム12.2%、リフォーム実施世帯4.3% |
省エネ設備の傾向 | 二重サッシ・複層ガラスは注文住宅(建て替え)、太陽光・蓄電池・EV充電器・高効率給湯器は注文住宅(新築)で整備率が高い |
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- 7月17日塗装工事会社栃木県
- 7月17日リフォーム会社岩手県
- 7月17日総合土木山形県
- 7月17日電気設備工事会社愛知県
- 7月16日外構工事会社東京都
- 7月16日塗装工事会社大阪府
- 7月16日内装工事会社群馬県
- 7月16日総合建築岐阜県
- 7月15日工務店東京都
- 7月15日内装工事会社神奈川県
- 7月15日塗装工事会社奈良県
- 7月15日内装工事会社鳥取県
- 7月14日配管工事会社高知県
- 7月14日配管工事会社広島県
- 7月14日防水工事会社神奈川県
- 7月12日配管工事会社京都府
- 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
- 7月12日リフォーム会社茨城県
- 7月11日総合建築福島県
- 7月11日総合土木大阪府
- 7月11日造園会社愛知県
- 7月11日外構工事会社茨城県
- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
今回の調査でまず見るべきは「価格への不満」です
今回の調査で目を引くのは、注文住宅取得世帯において、建築・購入・入居した住宅に満足していないものとして「価格(予定より高くなった)」が最も多かった点です。
住宅購入資金またはリフォーム資金の平均値を見ると、注文住宅は7,646万円、分譲集合住宅は6,443万円とされています。資材価格、人件費、土地価格、金利などの影響を受ける中で、住宅取得にかかる総額が大きくなっていることがうかがえます。
ここで中小建設業が見るべきなのは、単に「高いと言われやすい」という話ではありません。お客様は価格そのものだけでなく、“予定より高くなった”ことに不満を持ちやすいという点です。
つまり、今後の営業・設計・見積では、次のような対応がより重要になります。
- 初回見積と最終金額の差が出る要因を早めに説明する
- 仕様変更、追加工事、外構、設備グレード、諸費用を分けて見せる
- 「この金額に何が含まれ、何が含まれないか」を明確にする
- 複数案を出す場合は、金額差だけでなく暮らし方・性能差も説明する
お客様にとっては、総額が高いこと以上に、「聞いていた話と違う」「あとから増えた」という感覚が不満につながります。価格説明の透明性は、今後ますます競争力になります。
リフォーム促進税制は、まだ十分に使われていない可能性があります
今回の調査では、令和7年度調査から「リフォーム促進税制(所得税)」の適用状況が新たに調査されました。
結果として、既存(中古)住宅取得後にリフォームを行った世帯のうち、リフォーム促進税制の適用を「受けた」または「受ける予定である」と回答した割合は、既存(中古)戸建住宅取得世帯で14.7%、既存(中古)集合住宅取得世帯で12.2%でした。
一方、リフォーム実施世帯全体では、その割合は4.3%にとどまっています。
リフォーム促進税制は、報告書上では次の6種類に分類されています。
- 耐震リフォームに係る所得税の減税措置
- バリアフリーリフォームに係る所得税の減税措置
- 省エネリフォームに係る所得税の減税措置
- 同居対応リフォームに係る所得税の減税措置
- 長期優良住宅化リフォームに係る所得税の減税措置
- 子育て対応リフォームに係る所得税の減税措置
ここから読み取れることは明確です。リフォーム工事の現場では、税制を使える可能性があっても、お客様が十分に認識していないケースがあるということです。
もちろん、税制の適用可否は工事内容、住宅の条件、証明書類、申告手続きなどによって変わります。施工会社が税務判断を断定することは避けるべきです。
ただし、住宅リフォームを扱う会社として、「この工事は制度確認の対象になるかもしれません」と気づきを渡せるかどうかは、顧客満足に直結します。
実務上は、次のような仕組みが有効です。
- 耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化・子育て対応に関わる工事を分類しておく
- 見積段階で、制度確認が必要な工事項目を社内でチェックする
- お客様には「適用を保証する」のではなく「確認先・確認事項」を案内する
- 必要書類や証明書類の有無を、工事後ではなく工事前に確認する
税制は、営業トークの材料というより、お客様の判断を助ける実務情報です。ここを丁寧に扱える会社は、価格競争だけではない信頼を得やすくなります。
省エネ設備は「新築だけの話」ではなくなっています
省エネ設備の設置状況も、今回の調査で重要なポイントです。
調査では、「二重サッシ又は複層ガラスの窓」は注文住宅(建て替え)で整備率が高く、「太陽光発電装置」「蓄電池」「EV充電器」「高効率給湯器」は注文住宅(新築)で整備率が高いとされています。
具体的には、住み替え・建て替え・リフォーム後の設置率として、注文住宅(新築)では太陽光発電装置62.5%、蓄電池31.7%、EV充電器33.9%、高効率給湯器71.5%という数値が示されています。また、二重サッシ又は複層ガラスの窓は注文住宅(建て替え)で88.5%と高い設置率になっています。
一方で、既存(中古)住宅やリフォーム住宅では、これらの設備の設置率は新築・建て替えに比べて低い項目が多く見られます。
これは、中小建設業にとって大きな示唆があります。省エネ設備は新築時に選ばれるだけでなく、既存住宅・リフォーム市場での提案余地が残っているということです。
特にリフォーム会社・設備会社・サッシ会社・電気工事会社にとっては、次のような提案が考えられます。
- 窓改修、断熱改修、高効率給湯器をセットで考える
- 高齢者対応リフォームと断熱・浴室暖房を一体で提案する
- EV充電器や蓄電池を、将来の暮らし方の選択肢として説明する
- 省エネ性能を「光熱費」だけでなく「快適性」「健康」「災害時の備え」と結びつけて伝える
ここで大切なのは、設備単体を売ることではありません。お客様の生活課題から逆算して、必要な性能を整理することです。
「寒い浴室をどうにかしたい」「光熱費が気になる」「親が高齢になってきた」「中古住宅を買ったが断熱が不安」。こうした相談の先に、省エネ設備や税制確認が自然につながります。
施工者選びでは、インターネットと既存の信頼関係が分かれています
施工者・物件を探した方法も、経営上見逃せません。
注文住宅取得世帯では、「インターネット」と「住宅展示場」が同率で最も多い結果でした。分譲住宅、既存住宅、民間賃貸住宅では「インターネット」が最も多くなっています。
一方、リフォーム実施世帯では、施工者を探した方法として「以前からつきあいのあった業者」が最も多いとされています。
この違いは非常に実務的です。
新築や購入検討では、最初の情報収集はネットに寄っています。ところがリフォームでは、過去の工事、近所での評判、以前からの付き合いが強く残っています。
つまり、住宅系の中小建設業にとっては、新規顧客にはネット上で見つけられる状態をつくり、既存顧客には長く思い出してもらえる関係をつくることが重要です。
具体的には、次の2つを分けて考える必要があります。
新規顧客向け
- 施工事例を見やすく掲載する
- 対応できる工事範囲を明確にする
- 概算費用の考え方を説明する
- 補助金・税制・省エネ設備について、断定せず確認ポイントを示す
既存顧客向け
- 引き渡し後、定期的に点検や季節の案内を行う
- 小工事や修繕の相談窓口を明確にする
- OB顧客に対して、省エネ・バリアフリー・水回り更新のタイミングを伝える
- 過去工事の履歴を社内で管理し、次の提案につなげる
住宅会社・工務店・リフォーム会社の強さは、広告費だけでは決まりません。一度出会ったお客様と、次の相談まで関係を切らさない仕組みが大きな差になります。
中小建設業が今すぐ確認したい3つのこと
今回の調査は、制度改正のように「何月何日までに対応しなければならない」という種類のニュースではありません。
しかし、経営には効きます。なぜなら、顧客の不満、制度利用の少なさ、省エネ設備の普及状況、施工者選びの行動変化が同時に見えているからです。
中小建設業としては、まず次の3点を確認したいところです。
1つ目は、見積・追加変更・仕様決定の説明が、価格不満を減らす形になっているかです。予定より高くなったと感じさせないためには、金額だけでなく、変動要因の説明が必要です。
2つ目は、リフォーム促進税制や省エネ関連の確認フローが社内にあるかです。営業担当ごとの知識に任せると、案内漏れが起きやすくなります。チェックリスト化するだけでも、現場の対応力は上がります。
3つ目は、ネット集客とOB顧客対応を別々に設計できているかです。新築・購入検討ではネット、リフォームでは既存の関係性が効きます。どちらか一方ではなく、両方を整えることが大切です。
今回の調査を一言でまとめるなら、住宅市場では「性能」「価格納得」「制度活用」「信頼関係」が同時に問われる時代になっているということです。
大手のような大量広告や展示場展開が難しくても、中小建設業には、お客様の生活に近い距離で、具体的な悩みを拾える強みがあります。その強みを、見積、提案、施工後フォロー、情報発信に落とし込める会社が、これからも選ばれていきます。
自社の提案・見積・顧客対応を一度整理してみる
今回の住宅市場動向調査は、住宅会社やリフォーム会社にとって、自社の営業や提案を見直す良い材料になります。
「うちは価格説明が属人的になっていないか」「省エネや税制の話をどのタイミングで出すべきか」「OB顧客へのフォローをどう仕組みにするか」。こうした論点は、日々の業務の中では後回しになりがちですが、整理すると受注率や顧客満足に効いてきます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。住宅・リフォーム領域でも、販路拡大、原価管理、顧客対応、デジタル活用を含めて、会社ごとの状況に合わせて一緒に考えることができます。
「うちの場合は何から見直すべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、考えを整理する相手が必要なときは、お問い合わせはこちらからご相談ください。
































