国土交通省は、令和7年度末時点の長期優良住宅の認定状況を公表しました。新築一戸建て住宅では、令和7年度の認定実績が155,838戸となり、新設住宅着工戸数に対する割合は49.8%まで上がりました。つまり、新築戸建てではおおむね2戸に1戸が長期優良住宅の認定を取得している水準です。

発表内容

長期優良住宅の認定状況 令和7年度末時点

発表主体

国土交通省 住宅局住宅生産課

対象制度

長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定制度

令和7年度 新築一戸建て認定実績

155,838戸

新設住宅着工戸数に対する割合

49.8%

令和7年度 新築共同住宅等認定実績

9,433戸、割合2.4%

令和7年度 新築総戸数認定実績

165,271戸、割合23.2%

新築の累計認定実績

1,901,046戸、平成21年6月〜令和8年3月

増築・改築の令和7年度認定実績

67戸

既存住宅の令和7年度認定実績

127戸

1週間で 22件ダウンロード されました

  • 7月17日塗装工事会社栃木県
  • 7月17日リフォーム会社岩手県
  • 7月17日総合土木山形県
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県
  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

戸建て住宅では「長期優良住宅が特別」ではなくなりつつあります

今回の数字で最も大きいのは、やはり新築一戸建ての認定取得割合です。

新築一戸建ての認定実績は、令和5年度が111,341戸、31.3%、令和6年度が136,809戸、39.3%、令和7年度が155,838戸、49.8%です。3年間で、割合が大きく伸びています。

これは住宅会社・工務店にとって、かなり大きな市場シグナルです。

これまでは「長期優良住宅も対応できます」という言い方で十分だった会社もあると思います。しかし、認定取得割合が約5割まで来ると、顧客側から見た比較の仕方が変わります。“対応できるか”ではなく、“標準的に提案できるか”が問われやすくなるということです。

長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅です。認定を受けるには、長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請する必要があります。

つまり、現場だけで完結する話ではありません。設計、仕様、申請、維持保全計画、営業説明がつながっていないと、会社として安定運用しにくい制度です。

中小住宅会社が見るべきポイントは「認定件数」よりも「社内標準」です

今回の発表は、補助金の募集開始や法改正のように、すぐに期限対応が必要なニュースではありません。けれども、経営上の意味は小さくありません。

見るべきポイントは、認定件数そのものよりも、長期優良住宅を自社の業務フローに組み込めているかです。

たとえば、次のような確認です。

  • 標準仕様で長期優良住宅の認定を前提にできる商品があるか
  • 営業担当が、制度の概要を顧客に説明できる状態になっているか
  • 設計・申請の担当者に業務が偏りすぎていないか
  • 維持保全計画の説明や引き渡し後の情報管理が属人的になっていないか
  • 認定を取得する場合と取得しない場合の違いを、社内で同じ言葉で説明できるか

中小企業では、制度対応が「詳しい人」に寄りがちです。社長、設計担当、ベテラン社員の誰かが分かっているから何とか回っている、という状態も少なくありません。

ただ、認定取得が約5割という水準になると、案件ごとの個別対応では負荷が大きくなります。これからは、長期優良住宅対応を“例外処理”ではなく“標準業務”として整えることが、住宅会社の生産性にも関わってきます。

共同住宅等はまだ低いものの、伸び方は見ておきたいところです

新築共同住宅等の認定実績は、令和7年度で9,433戸、新設住宅着工戸数に対する割合は2.4%です。一戸建てと比べると、まだ大きな割合ではありません。

ただし、こちらも令和5年度は4,821戸、1.1%、令和6年度は8,231戸、1.8%、令和7年度は9,433戸、2.4%と増えています。

共同住宅等を手がける会社にとっては、まだ市場全体の標準とまでは言えないかもしれません。それでも、一部の発注者や施主が、建物の長期利用や維持保全をより意識し始めている可能性はあります。

特に、土地活用、賃貸住宅、地域の資産形成に関わる工事を扱う会社では、今後の提案資料や営業説明の中で、長期的な使われ方・管理の考え方をどう示すかが差になります。

増築・改築、既存住宅の認定はまだ小さい。しかし将来の入口です

令和7年度の増築・改築における認定実績は、総戸数で67戸です。既存住宅の認定実績は、総戸数で127戸です。

新築に比べると、まだかなり小さい数字です。

ただし、制度としては、平成28年4月1日に既存住宅の増築・改築を対象とした認定が始まり、令和4年10月1日には、既存住宅について建築行為を伴わない認定も開始されています。

この動きは、リフォーム会社、改修工事を扱う会社、地域の住宅ストックに関わる会社にとって見逃せません。現時点で大きな市場になっているとまでは言えませんが、新築中心の制度対応から、既存住宅の維持・活用へと対象が広がっていることは押さえておきたいところです。

地域の住宅市場では、今後も新築だけでなく、既存住宅をどう長く使うかという話が増えていきます。すぐに売上につながるかどうかだけでなく、自社が“建てた後”や“直した後”まで説明できる会社になれるかが、信頼の差になっていきます。

経営者が今確認したい3つのこと

今回の発表を受けて、中小住宅会社・工務店がまず確認したいのは、次の3点です。

1. 長期優良住宅を「営業商品」として説明できているか

制度対応は、設計や申請の話に見えます。しかし、顧客との最初の接点は営業です。

お客様から「長期優良住宅にできますか」と聞かれたときに、担当者によって回答がぶれると、会社全体の信頼感に影響します。

最低限、制度の概要、自社の対応可否、認定取得までの流れを、営業担当が同じ言葉で説明できる状態にしておくことが重要です。

2. 申請対応が属人化していないか

認定を受けるには、建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請します。

この実務が一人の担当者に集中していると、案件が増えたときにボトルネックになります。特に小規模な会社では、「あの人がいないと進まない」という状態になりやすいところです。

申請に必要な資料、確認項目、社内チェックの流れを見える化しておくことが、今後の受注余力を守ることにつながります。

3. 維持保全計画を引き渡し後の関係づくりに活かせているか

長期優良住宅は、建てて終わりではなく、維持保全の計画が関わります。

ここは、地域工務店にとって強みにしやすい部分です。大きな会社のような大量供給ではなく、地域で顔が見える関係を続けていく会社ほど、引き渡し後の点検、相談、修繕、改修の接点を丁寧につくれます。

維持保全を“書類対応”で終わらせず、“長く付き合うための設計”として捉えることが、地域工務店の経営には合っています。

これからは「良い家を建てる」だけでなく「説明できる会社」が選ばれます

住宅会社・工務店の本質は、もちろん良い家をつくることです。現場の品質、職人の腕、納まりへのこだわり、地域の気候を知っていること。そこは変わりません。

ただし、制度や認定が広がるほど、お客様は「良い家かどうか」を書類や説明でも確認しようとします。

ここで大切なのは、制度に振り回されることではありません。自社がもともと大事にしてきた家づくりを、制度の言葉でも説明できるようにすることです。

長期優良住宅の認定取得割合が約5割になったという事実は、住宅市場の会話が変わってきていることを示しています。

「うちは昔から丈夫な家を建てている」だけでは、伝わりきらない場面が増えます。そこに、認定制度、維持保全計画、標準仕様、申請体制といった言葉を重ねていくことで、会社の価値はより伝わりやすくなります。

自社ではどう標準化するかを整理する機会に

今回のニュースは、すぐに何かを申請しなければならないという話ではありません。けれども、新築戸建ての約5割が長期優良住宅の認定を取得しているという数字は、住宅会社・工務店にとって無視しにくい水準です。

「自社ではどこまで標準対応にするのか」「営業説明をどうそろえるのか」「申請や維持保全計画の実務を誰が担うのか」。このあたりを一度整理しておくと、今後の受注や社内負荷の見通しが立てやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社、地域建設会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。長期優良住宅への対応も、単なる制度確認ではなく、営業、設計、申請、引き渡し後の関係づくりまで含めて考えることが大切です。

「うちの場合はどう考えるべきか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な論点を一緒に整理する場としてご活用ください。

お問い合わせはこちら