国土交通省は令和8年7月16日、ダイハツ工業株式会社から「ハイゼット トラック」などについてリコールの届出があったと発表しました。対象は、ダイハツ「ハイゼット トラック」、トヨタ「ピクシス トラック」、スバル「サンバー トラック」の計298,748台です。
今回の不具合は、バッテリのマイナス端子の締結ボルトに関するものです。走行時に巻き上げられた水分などが滞留し、締結ボルトが早期に腐食することがあります。そのまま使い続けると、締結ボルトが折損し、スタータが起動せず、エンジンが始動できなくなるおそれがあります。
発表日 | 令和8年7月16日 |
届出者 | ダイハツ工業株式会社 |
リコール届出番号 | 5849 |
リコール開始日 | 令和8年7月17日 |
対象車種 | ダイハツ「ハイゼット トラック」、トヨタ「ピクシス トラック」、スバル「サンバー トラック」 |
対象台数 | 計298,748台 |
不具合部位 | 電気装置(バッテリ端子締結ボルト) |
不具合の内容 | 締結ボルトが腐食・折損し、エンジンが始動できなくなるおそれ |
改善措置 | バッテリのマイナス端子に防水カバーを追加し、締結ボルトを新品に交換 |
事故の有無 | なし |
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建設会社にとっては「よくある社用車」のリコールです
今回の対象車種は、建設業の現場でよく使われる軽トラックです。
資材運搬。道具の積み込み。近距離の移動。応援現場への移動。朝、職人さんが倉庫前でエンジンをかけ、道具を積んで現場へ向かう。そうした日常の中にある車両です。
そのため、今回のリコールは単なる自動車ニュースではありません。現場の段取りと稼働に関わる車両管理の話として見ておきたい内容です。
不具合の性質も重要です。走行中の事故ではなく、発表資料上は事故の有無は「なし」とされています。一方で、エンジンが始動できなくなるおそれがあります。
現場目線で見ると、これはかなり実務的です。
朝一番に車が動かない。材料を取りに行けない。人はいるのに道具が届かない。小さな車両トラブルでも、その日の工程に影響します。軽トラック1台の停止が、現場全体の段取りを崩すことがあります。
まず確認したい車種と対象期間
発表資料では、対象となる車種として次の3車種が記載されています。
- ダイハツ「ハイゼット トラック」
- トヨタ「ピクシス トラック」
- スバル「サンバー トラック」
対象車両の製作期間の全体範囲は、令和3年12月3日から令和7年7月4日までとされています。
ただし、国土交通省の資料にも注意書きがあります。リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります。
つまり、年式や車種名だけで「対象だ」「対象ではない」と決め切るのは避けたいところです。会社で保有している車両について、車検証などで車台番号を確認し、販売店、届出者、またはメーカー等のホームページのリコール等情報対象車両検索で確認するのが確実です。
改善措置は「防水カバー追加」と「締結ボルト交換」
今回の改善措置は、全車両について次の内容です。
- バッテリのマイナス端子に防水カバーを追加
- 締結ボルトを新品に交換
不具合の原因は、バッテリのマイナス端子の締結構造に関する設計検討が不十分だったため、走行時に巻き上げられた水分などが滞留し、締結ボルトが早期に腐食することがある、というものです。
建設業の車両は、一般的な街乗りよりも使用環境が厳しくなりがちです。雨の日の現場。泥のある敷地。砂利道。資材置き場。洗車の頻度も会社によって差があります。
発表資料は建設業向けに書かれたものではありませんが、読み替えるなら、水分や汚れの影響を受けやすい使い方をしている車両ほど、早めに確認しておきたいリコールです。
社内での確認は「車両台帳」から始めるのが早いです
今回のようなリコール対応では、社長や総務担当者が1台ずつ記憶で確認しようとすると漏れが出ます。
おすすめは、車両台帳で一気に確認することです。最低限、次の情報があると対応が早くなります。
- 車種名
- 登録番号
- 車台番号
- 使用部署、使用者
- 主な保管場所
- 点検・車検を依頼している販売店や整備工場
特に複数拠点がある会社、職長ごとに車両を預けている会社、親族名義やリース車両が混在している会社では、「誰がどの車を使っているか」まで合わせて確認することが大切です。
リコール開始日は令和8年7月17日です。対象であれば、販売店などと日程を調整して改善措置を受ける流れになります。
今回のニュースから見える経営上のポイント
今回の件で見ておきたいのは、リコールそのものだけではありません。
中小建設業では、車両、道具、スマートフォン、測量機器、電動工具など、現場を支える小さな設備が増えています。どれも単体では高額な大型機械ではないかもしれません。けれど、止まると現場が止まります。
だからこそ、これからの現場運営では、車両管理も安全管理・工程管理の一部として扱うことが重要になります。
たとえば、次のような運用です。
- リコール情報を見たら、総務または車両管理担当が保有車両を確認する
- 対象車両があれば、使用者に共有し、整備日程を決める
- 現場に影響が出ないよう、代替車両や日程を調整する
- 対応済みかどうかを車両台帳に残す
難しい仕組みでなくて構いません。Excelでも、スプレッドシートでも、紙の一覧でもよいです。大事なのは、「気づいた人任せ」にしないことです。
軽トラックは小さな設備ではなく、現場を動かすインフラです
軽トラックは、建設会社にとって身近すぎる存在です。身近すぎるから、管理が後回しになりやすい。
しかし実際には、現場の朝は車両から始まります。人が乗る。道具を積む。材料を運ぶ。現場間を移動する。軽トラックが止まると、その日の仕事の流れが変わります。
今回のリコールは、保有車両を見直す良いきっかけになります。
対象車両の有無を確認する。対応予定を決める。車両台帳を更新する。ついでに車検、任意保険、点検時期も見直す。
こうした小さな整備が、結果として現場の安定につながります。
車両管理を現場運営の仕組みにしていくために
リコール対応は一度きりの作業に見えます。ただ、会社としてはその先にある「車両・道具・人・現場をどう管理するか」まで整理できると、日々のムダや急なトラブルを減らしやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両台帳や点検管理のような身近なテーマも、現場運営を安定させる大事な入口です。
「うちの場合、どこまで管理すればよいのか」「Excelで十分なのか、仕組みを変えるべきか」といった段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の相手としてご相談ください。































