国土交通省は、令和8年度「海洋ドローンの利活用に関する地域モデル創出のための実証事業」の公募を開始しました。ASV、小型無人ボート、AUV、自律型無人潜水機、ROV、遠隔操作型無人潜水機などを活用し、地域で海洋ドローンの社会実装を進めるための実証実験を募集するものです。

公募事業

令和8年度 海洋ドローンの利活用に関する地域モデル創出のための実証事業

公募開始

令和8年7月10日(金)

応募書類提出期限

令和8年9月4日(金)13:00

選定結果の公表・通知

令和8年9月下旬~10月上旬予定

公募要領説明会

令和8年7月17日(金)16:00~、Web会議で実施

対象技術の例

ASV、AUV、ROVなどの海洋ドローン

国交省が示す活用分野

港湾施設点検、上水道施設点検、ダム・管路点検、洋上風力発電施設の維持管理、海底地形・水質調査など

今回の公募は、建設業全体に一律で関係する話ではありません。ただし、港湾、河川、ダム、上下水道、沿岸部、洋上風力、測量、インフラ点検に関わる会社にとっては、今後の仕事の形を読むうえで重要な動きです。

1週間で 12件ダウンロード されました

  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

海洋ドローンは「水中・水上の点検DX」として見ておきたい

国土交通省は、海洋ドローンを「海の見える化」と「海中作業の自動化」を実現する基盤技術として位置づけています。背景には、人口減少による担い手不足、インフラ老朽化、海洋環境の変化があります。

建設業の目線で見ると、これは単なる新技術紹介ではありません。人が入りにくい場所、危険が伴う場所、確認に時間がかかる場所を、データで把握する流れが強まっているということです。

PDF資料では、海洋ドローンの活用例として、次のような分野が挙げられています。

  • 港湾施設点検
  • 上水道施設点検
  • ダムや管路、港湾施設等の点検
  • 洋上風力発電施設の維持管理
  • 海底地形・水質調査
  • 船底付着物の点検・除去
  • 災害時の状況確認や初期対応

中小建設業にとって重要なのは、これらが将来的に「特別な実証」から「通常業務の選択肢」へ移っていく可能性です。すぐに全社が機体を買う話ではありません。むしろ、点検・調査・維持管理の業務で、どの工程がデータ化され、どの工程に人の判断が残るのかを見極めることが大切になります。

中小建設業が見るべきポイントは「機体」よりも「連携枠組み」

今回の実証事業では、国交省が「地域において海洋ドローン利活用を進める連携枠組みの構築」を支援するとしています。

ここは非常に重要です。海洋ドローンは、建設会社が単独で完結させるには範囲が広い技術です。機体、操作、通信、測量、解析、点検基準、安全管理、発注者との成果物のすり合わせなど、複数の機能が必要になります。

そのため中小建設業は、自社で海洋ドローンを保有するかどうかよりも、誰と組めば水域インフラの点検・調査業務を高度化できるかを考えるべきです。

たとえば、次のような組み合わせが考えられます。

  • 地元の土木・港湾工事会社と、ドローン事業者
  • 維持管理業務を担う建設会社と、測量・解析会社
  • 漁港・港湾・河川・ダムに関わる地域企業と、自治体・研究機関
  • 洋上風力やブルーカーボン関連の事業者と、施工・保守会社

国交省が「地域モデル創出」と表現している点からも、一社の技術導入ではなく、地域の現場課題を起点にした事業化の道筋を探る公募と見るのが自然です。

公共工事・維持管理業務では、成果物が「写真」から「データ」へ寄っていく

海洋ドローンの価値は、単に水中を撮影できることではありません。国交省は、海洋データの収集・分析による海の「見える化」を重視しています。

これは、建設業の実務に置き換えると、点検結果を画像や動画で残すだけでなく、位置情報、劣化状況、変化の履歴、環境データなどを蓄積していく方向です。

今後、港湾施設や水中構造物の維持管理では、次のような力が評価されやすくなる可能性があります。

  • 調査データを整理し、発注者に説明できる力
  • 過去データと比較して、変化を読み取る力
  • 危険作業を減らしながら、必要な品質を確保する力
  • 専門会社と連携し、現場条件に合った点検方法を組み立てる力
  • デジタル成果物を社内で管理し、次回工事や見積に活かす力

これからの維持管理は、施工力だけでなく、データを扱う現場力が問われる領域に広がっていきます。

特に中小企業の場合、最初から高度な解析体制を内製化する必要はありません。まずは、自社が関わる水域インフラ業務で「どんな情報が取れれば安全性・品質・利益管理に効くのか」を整理することが現実的です。

応募を検討する会社は、期限と説明会を早めに確認したい

今回の公募では、応募書類の提出期限が令和8年9月4日(金)13:00とされています。また、公募要領説明会は令和8年7月17日(金)16:00からWeb会議で実施される予定です。

公募要領の詳細や説明会の参加申込みは、国交省が案内しているページで確認する必要があります。

この種の実証事業は、単に「面白そうな技術を試す」だけでは通りにくいと考えられます。少なくとも、次の整理は必要になります。

  • どの地域課題を解く実証なのか
  • どの水域・施設・業務で試すのか
  • 誰が機体運用、現場管理、データ整理、効果検証を担うのか
  • 実証後に継続利用できる見込みがあるのか
  • 安全面・関係者調整をどう進めるのか

中小建設業が応募を考える場合は、単独で抱え込まず、地域の発注者、協力会社、技術会社、測量会社などとの役割分担を早めに確認することが重要です。

今回の公募を、自社の未来業務の棚卸しに使う

仮に今回応募しない場合でも、この発表には読む価値があります。国交省が示している用途を見ると、水域インフラの点検・維持管理・測量は、省人化とデータ化が進む重点領域であることが分かるからです。

中小建設業としては、次の問いを社内で持っておくとよいです。

  • 自社の仕事の中に、港湾・河川・ダム・水路・管路・沿岸部に関わる業務はあるか
  • 潜水士や熟練者に依存している確認作業はあるか
  • 危険作業、手戻り、再調査が発生しやすい工程はどこか
  • 写真・動画・測量データを、次回工事や見積に活かせているか
  • ドローン会社や測量会社と組めば、提案力が上がる業務はあるか

技術導入の目的は、機械を増やすことではなく、現場の安全性・生産性・提案力を高めることです。

海洋ドローンはまだ発展途上の領域です。だからこそ、今の段階では「買うか買わないか」よりも、将来の発注仕様や地域ニーズがどう変わるかを読み、自社の立ち位置を決めていくことが重要になります。

自社の水域業務にどう関係するかを整理する

今回の公募は、港湾・水中・沿岸・ダム・管路などに関わる会社にとって、今後の維持管理業務を考えるきっかけになります。一方で、「自社に関係があるのか」「応募までは考えないが、技術連携は検討すべきか」「どの業務からデジタル化すべきか」は、会社ごとに異なります。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して、経営課題の整理と実行を支援しています。今回のような技術・制度の動きを、自社の業務や地域での立ち位置にどう結びつけるかを一緒に整理することも可能です。

「うちの場合は関係があるのか」「何から確認すべきか分からない」という段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、必要な整理先としてご活用ください。

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