令和8年版「土地白書」が、令和8年7月10日に閣議決定されました。今回の白書では、令和7年度の地価や土地取引、不動産市場の動向に加え、増加する低未利用土地・不動産の利活用がテーマとして取り上げられています。中小建設業にとっては、住宅・店舗・工場・倉庫・宿泊施設・空き家改修など、地域の受注環境を読むうえで重要な材料になります。
公表資料 | 令和8年版「土地白書」 |
閣議決定日 | 令和8年7月10日 |
根拠法 | 土地基本法第11条 |
主な内容 | 土地に関する動向、令和7年度に講じた施策、令和8年度に講じようとする施策 |
令和8年版のテーマ | 増加する低未利用土地・不動産の利活用 |
建設業が見るべき点 | 地価上昇、住宅着工減、工場・倉庫・宿泊施設の動向、空き家・空き店舗等の再生需要 |
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- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
地価は上昇基調、ただし「何でも建つ」市場ではありません
白書によると、令和8年1月1日時点の地価公示では、全国の全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。三大都市圏だけでなく、地方圏でも上昇が継続しています。
一方で、土地取引件数はここ10年ほどほぼ横ばいで、令和7年の土地売買による所有権移転登記件数は全国で約130万件です。また、令和8年度の企業の土地投資額計画は、全産業で4兆2,879億円、前年度比14.7%減とされています。
ここから読めるのは、土地価格は上がっているが、土地投資や取引が全面的に熱を帯びているわけではないということです。中小建設業としては、単純に「地価上昇=新築需要増」と見るよりも、地域ごと・用途ごとの濃淡を見る必要があります。
特に、地価上昇が続く地域では、施主側の土地取得コストが上がります。その分、建築費への目線は厳しくなりやすいです。見積時には、建物単体の価格だけでなく、土地・改修・運営まで含めた事業全体の採算感を意識することが重要になります。
住宅は減少、工場・倉庫・宿泊施設には動きがあります
令和7年の新設住宅着工戸数は、全国で約74.1万戸となり、前年から6.5%減少しました。すべての圏域で減少しています。
一方で、別の用途では動きがあります。令和6年の工場立地件数は854件、立地面積は19,822千㎡で、いずれも前年より増加しました。令和7年の倉庫着工面積も約9,757千㎡で、前年より増加しています。旅館・ホテル営業の施設数・客室数も令和6年度に増加しています。
つまり、住宅一本足の会社ほど、市場の変化を受けやすくなっていると考えられます。もちろん地域差はありますが、工場、倉庫、宿泊施設、店舗、既存建物の改修など、周辺領域をどこまで取り込めるかが、今後の安定性に関わってきます。
中小建設業にとっては、大型案件を直接受けることだけが選択肢ではありません。設備更新、内装改修、用途変更、小規模な外構、倉庫・工場まわりの修繕、宿泊施設化に伴う改修など、実際の受注機会は細かいところに生まれます。
今回の白書の本丸は「低未利用土地・不動産」です
今回の白書で大きく取り上げられたのが、低未利用土地・不動産の利活用です。人口減少や少子高齢化、産業構造の変化により、全国で空き地、空き家、空き店舗、使われなくなった施設が増えています。
白書では、日常的に利用されていない土地について、「管理が行き届いていない」との回答が41.8%とされています。「管理は行き届いている」の41.5%をわずかに上回っており、今後、管理不全の土地が増える懸念が示されています。
ここで重要なのは、低未利用不動産が「地域の困りごと」であると同時に、建設業にとっては改修・解体・再生・用途転換の入口になるという点です。
白書では、空き家を滞在施設に改修した事例、元百貨店を段階的に再生した事例、商店街の空き店舗を活用した事例、団地内の空き店舗や空き住戸をコミュニティ拠点やアトリエとして活用した事例などが紹介されています。
これらに共通しているのは、最初から大規模再開発を目指していないことです。小さく直し、使いながら価値を確かめ、段階的に広げるという進め方が多く見られます。これは、中小建設業が関わりやすい領域です。
「新築を待つ」より「地域の使われていない資産を見る」時代へ
これからの地域建設市場では、空き家、空き店舗、旧公共施設、団地内施設、遊休地などをどう使い直すかが大きなテーマになります。
中小建設業が見るべきなのは、単に「工事が出るかどうか」だけではありません。誰が困っているか、誰が使いたがっているか、どの建物なら小さく直せば使えるかです。
例えば、次のような視点が実務上の入口になります。
- 地元自治体が低未利用不動産や空き家対策を重点化しているか
- 商店街、観光地、団地、駅前で空き店舗・空き施設が増えていないか
- 宿泊、飲食、福祉、子育て、コワーキングなど新しい用途の相談が出ていないか
- 改修費を抑え、段階的に使い始める設計・施工提案ができるか
- 解体だけでなく、残す・直す・使い替える提案ができるか
特に地方では、施主が明確に「建てたい」と言ってから動くのでは遅い場面もあります。不動産所有者、自治体、商工会、地域金融機関、設計者、運営事業者との接点を持つ会社ほど、再生型の案件に入りやすくなります。
中小建設業が今から整理したいこと
今回の土地白書は、建設業に対して直接の義務を課す制度改正ではありません。しかし、経営判断の材料としては非常に重要です。
特に整理したいのは、次の3点です。
1つ目は、自社の受注領域が住宅新築に偏りすぎていないかです。住宅着工が減る局面では、改修、非住宅、小規模用途変更、メンテナンスの比率をどう高めるかが課題になります。
2つ目は、地域の低未利用不動産を商機として見られているかです。空き家や空き店舗は、所有者にとっては悩みですが、使い方が見えれば工事需要に変わります。
3つ目は、小さく始める提案力を持てているかです。白書の事例でも、全面建替えではなく、1階部分だけの改修、空き家のリノベーション、広場や農園としての暫定利用など、段階的な活用が多く見られます。
これからは、「建てる会社」だけでなく、「地域の資産を使える状態に戻す会社」への期待が高まると考えられます。
自社の地域でどこに可能性があるかを整理する
土地白書の内容は全国の動向ですが、実際の経営では「自社の営業エリアで何が起きているか」に落とし込むことが大切です。住宅、工場、倉庫、店舗、宿泊施設、空き家、公共施設跡地など、どの領域に次の需要がありそうかを一度棚卸ししてみる価値があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような市場動向を踏まえて、「自社はどの領域を伸ばすべきか」「低未利用不動産や改修需要にどう関わるべきか」「見積・利益管理をどう見直すべきか」といった壁打ちも可能です。
まだ方向性が固まっていない段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、まずは自社の場合の考え方を整理する場としてご活用ください。お問い合わせはこちら





























