国土交通省は令和8年7月17日、株式会社アイチコーポレーションから高所作業車に関するリコールの届出があったと発表しました。対象は、日野「日野デュトロ」およびいすゞ「エルフ」の一部車両、計198台です。セーフティコーンを格納する可倒式トレーのロック機構が走行振動で破損し、走行中にセーフティコーンが落下して他の交通を妨げるおそれがある、という内容です。

届出者

株式会社アイチコーポレーション

リコール届出番号

5829

リコール届出日

令和8年7月17日

リコール開始日

令和8年7月20日

対象車種

日野「日野デュトロ」、いすゞ「エルフ」

対象台数

計198台

対象製作期間

令和2年1月23日~令和8年1月30日

不具合部位

可倒式セーフティコーン格納部

改善措置

全車両、ロック機構を対策品に交換

事故の有無

0件

不具合件数

2件

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建設業にとっては「車両リコール」ではなく安全管理の話です

今回の対象は、高所作業車のセーフティコーン格納部です。建設会社、電気工事会社、通信工事会社、設備工事会社、看板工事会社、維持修繕工事を行う会社などでは、日常的に関係する可能性があります。

不具合の内容は、走行振動によりロック機構が破損し、走行中にトレーが傾いてセーフティコーンが落下するおそれがあるというものです。

事故は報告されていませんが、走行中の落下物は自社だけでなく、第三者や一般交通に影響します。建設業の安全管理は、現場内だけで完結しません。現場へ向かう車両、現場から戻る車両、積載物や付属装備の管理まで含めて安全管理の範囲と考える必要があります。

まず確認すべきは「自社保有車」と「協力会社が使う車両」です

今回のリコールでは、対象車両の車台番号の範囲が公表されています。ただし、国土交通省の資料にもある通り、リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります

そのため、実務上は次の順番で確認するのが安全です。

  1. 自社で保有・リースしている高所作業車の車種と車台番号を確認する
  2. 対象車種に日野デュトロ、いすゞエルフが含まれるか確認する
  3. 販売店または届出者に対象該当性を確認する
  4. 対象の場合は、ロック機構の対策品交換の予定を管理する
  5. 協力会社が現場で使う高所作業車についても、必要に応じて確認を促す

特に中小建設業では、車両台帳が「車検」「保険」「リース契約」の管理に寄りがちです。しかし、今回のようなリコール対応では、車両台帳に車台番号、架装メーカー、点検・リコール対応状況までひも付けておくことが重要になります。

対象車両の概要

公表資料では、対象は計9型式、2車種、計198台とされています。対象となる通称名は、日野「日野デュトロ」と、いすゞ「エルフ」です。

主な対象範囲は以下の通りです。

車名

通称名

対象台数

日野

日野デュトロ

166台

いすゞ

エルフ

32台

合計

198台

公表されている製作期間の全体範囲は、令和2年1月23日から令和8年1月30日までです。

ただし、対象かどうかは車種名だけでは判断できません。実際には車台番号、架装内容、製作時期を確認する必要があります。国土交通省の発表でも、販売店または届出者への問い合わせ、メーカー等ホームページでの確認が案内されています。

今回の改善措置は「ロック機構の交換」です

改善措置は、全車両についてロック機構を対策品に交換するというものです。

改善箇所説明図では、改善後の構造として、ゴム足ブラケットの強化、スナッチロック式への変更、解除状態の表示などが示されています。現場側で応急的に使い方を変えるというより、対象車両であれば正規の改善措置を受けることが基本です。

また、改善実施済みの車両には、運転席側ドア開口部のドアストライカ付近に、リコール届出番号「5829」のステッカーを貼付するとされています。

自社内で管理する場合は、「対象確認済み」「改善措置予約済み」「改善措置完了済み」まで分けて記録すると、後から状況を追いやすくなります。

経営側が見ておきたい実務ポイント

今回のリコールから、中小建設業が見ておきたいポイントは3つあります。

1つ目は、特殊車両・架装車両の管理は、ベース車両だけでなく架装メーカーまで見る必要があるという点です。日野デュトロ、いすゞエルフという車名だけを見ると一般的なトラックに見えますが、今回は高所作業車の架装部分に関するリコールです。

2つ目は、リコール情報を誰が拾うのかを社内で決めておくことです。安全担当、総務、車両管理担当、現場責任者の間で役割が曖昧だと、通知が届いても対応が遅れます。

3つ目は、協力会社の車両も現場リスクの一部として考えることです。自社保有車だけでなく、現場に入る高所作業車が対象に該当する場合、現場全体の安全・交通リスクに関わります。元請・協力会社の立場を問わず、必要な確認をしやすい関係づくりが大切です。

今回の件は、対象台数が198台と大規模とはいえないかもしれません。それでも、落下物による交通妨害のおそれがある以上、該当可能性のある会社は早めに確認しておく価値があります

車両・安全管理を一度整理するきっかけに

リコール対応は、単発の事務処理に見えます。しかし実際には、車両台帳、安全書類、協力会社管理、現場入場時の確認、点検記録がつながっているかを見直す良い機会でもあります。

「うちの車両管理はどこまで整っていればよいのか」「協力会社の車両確認まで、どの程度仕組みにすべきか」と感じる場合は、まず現状を棚卸しするだけでも十分です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両管理や安全管理を、現場任せにせず会社の仕組みとして整えたい場合は、次の整理先として活用してください。無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」という段階でも大丈夫です。

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