国土交通省は、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進める「Project PLATEAU」について、今後の取組方針をまとめた「PLATEAUビジョン2026」を公表しました。

ポイントは、3D都市モデルを単に増やすだけではありません。まちづくり、防災、行政手続き、インフラ管理などの実務に、都市デジタルツインを組み込んでいくという方針が示されたことです。

公表内容

PLATEAUビジョン2026

公表日

令和8年7月17日

対象となる取組

3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進める「Project PLATEAU」

2025年度末時点

329都市で3D都市モデルを整備

2027年度末目標

3D都市モデル整備都市500都市

今後の重要項目

①データ整備・更新の効率化、②サービス実装の更なる推進、③国外への都市デジタルツイン展開

建設業が見るポイント

BIM/CIM、点群データ、開発許可、景観、地下埋設物を含むインフラ管理などとの接点

中小建設業にとっては、少し遠く見えるニュースかもしれません。

ただ、今回のビジョンは「都市のデータ整備」の話にとどまりません。発注者側の行政実務、協議、申請、維持管理が3Dデータを前提に変わっていく可能性を含んでいます。

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  • 7月17日塗装工事会社栃木県
  • 7月17日リフォーム会社岩手県
  • 7月17日総合土木山形県
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県
  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

3D都市モデルは「見るもの」から「使うもの」へ進んでいます

PLATEAUは、2020年度から始まった国土交通省のプロジェクトです。

これまでに、3D都市モデルは全国329都市で整備されています。活用分野は、まちづくりや防災が中心です。

今回のビジョンでは、今後の方向性として次の3つが掲げられました。

  • データ整備・更新の効率化
  • サービス実装の更なる推進
  • 国外への都市デジタルツイン展開

建設業に関係が深いのは、特に1つ目と2つ目です。

これまでは、3D都市モデルを「整備する」「実証する」段階の印象が強くありました。今後は、都市計画、まちづくり、防災、行政手続き、インフラ管理などの業務プロセスに組み込むことが目指されています。

つまり、発注者や自治体の側で、3Dデータを使った検討・協議・管理が少しずつ日常業務に入っていく流れです。

BIM/CIMや点群データも、都市デジタルツインの一部として扱われます

今回のビジョンで重要なのは、従来の「3D都市モデル」の範囲を広げる方針です。

国土交通省は、属性情報を部分的に保持するデータや、AIを用いて作成したデータも取り扱うとしています。さらに、BIM/CIMや点群データなど、CityGML形式に限らない都市・建築に関する3Dデータも都市デジタルツインとして整理する方向が示されています。

これは、中小建設業にとって大きな示唆があります。

すぐに「全社で高度なBIMを導入しなければならない」という話ではありません。

しかし、今後は次のようなデータが、より実務価値を持ちやすくなります。

  • 施工前後の点群データ
  • BIM/CIMデータ
  • 現場写真、位置情報付き画像
  • 出来形や維持管理に関するデジタル記録
  • 協議や説明に使える3D資料

これまで「社内で見るためのデータ」だったものが、将来的には発注者、自治体、設計者、維持管理者との共通言語になっていく可能性があります。

開発許可、景観、インフラ管理もデジタル化の対象です

ビジョンでは、サービス実装の具体例として、建設業に近い領域がいくつも示されています。

たとえば、開発許可では、事前相談から許可申請までをオンラインで行い、3D都市モデルを活用して計画内容を確認・審査する方向が示されています。

景観計画では、3Dで完成イメージを可視化し、審査や協議、合意形成を効率化する取組が挙げられています。

地下埋設物を含む都市インフラ管理では、BIM等の三次元データと連携した地上・地下一体モデルの活用実証が示されています。

中小建設業から見ると、ここには3つの実務影響があります。

1つ目は、行政との協議資料が変わる可能性です。平面図と書類だけでなく、3Dで説明する場面が増えるかもしれません。

2つ目は、施工計画や安全確認の説明力が問われる可能性です。地下埋設物、周辺建物、動線、仮設計画などを立体的に示せる会社は、協議が進めやすくなります。

3つ目は、維持管理まで見据えたデータ提供が求められる可能性です。竣工して終わりではなく、管理・点検に使える情報を残す考え方が強まります。

AI・衛星・スマホ画像で、3Dデータ作成のハードルを下げようとしています

別紙資料では、データ整備・更新の効率化に向けた技術開発も紹介されています。

特に目を引くのは、衛星データとAIを活用した3D都市モデルの自動作成です。

資料では、建築物LOD2・面積10㎢を前提に、従来手法では作成時間が約3〜6か月、コストが約3,000万〜4,000万円とされています。一方、新技術による手法では、作成時間が約1〜2時間、コストが約300万〜400万円と示されています。

従来手法

新技術による手法

データ取得

航空写真

衛星データも活用

作成手法

専門事業者による手作業

AIによる自動生成

作成時間の例

約3〜6か月

約1〜2時間

コストの例

約3,000万〜4,000万円

約300万〜400万円

前提条件

建築物LOD2・面積10㎢

建築物LOD2・面積10㎢

もちろん、これは技術開発資料上の比較であり、すべての現場や自治体業務にそのまま当てはまるとは限りません。

ただし方向性は明確です。

3Dデータは、特別な大規模プロジェクトだけのものではなく、更新しながら日常的に使うものへ近づいています。

また、スマートフォンで撮影した位置情報付き画像とAIを活用し、3D都市モデルにテクスチャを自動付与する技術も紹介されています。令和8年度にはモデル都市で住民参加型のテクスチャ付与を実施し、令和9年度には全国的な普及促進を図るとされています。

この流れは、現場写真や位置情報付き記録の価値を高めます。

写真は、単なる証跡ではなく、都市データを更新する材料になっていくかもしれません。

中小建設業が今から見ておきたい3つのこと

今回のニュースを受けて、すぐに大きな投資判断をする必要はありません。

むしろ大切なのは、自社の業務のどこに3Dデータ化の入口があるかを見つけることです。

1. いま持っているデータを棚卸しする

まずは、自社にどのようなデータがあるかを見ておきたいところです。

  • CAD図面
  • 写真台帳
  • 施工前後の写真
  • ドローン撮影データ
  • 点群データ
  • 出来形管理データ
  • BIM/CIMデータ
  • 維持管理に使える位置情報

大切なのは、高度なシステムの導入よりも先に、データが散らばっていないか、後から探せる状態か、現場名・日付・位置と結びついているかです。

ここが整っている会社は、将来のDX対応が楽になります。

2. 地元自治体のPLATEAU整備状況を見る

PLATEAUは、2027年度末までに3D都市モデル整備都市500都市を目指すとされています。

自社の営業エリアや主要発注者の自治体が、すでにPLATEAUを整備しているか。今後整備されそうか。

これは確認しておく価値があります。

特に、都市計画、再開発、防災、道路、河川、公共施設、インフラ維持管理に関わる会社は、自治体側のデータ活用方針が将来の提案内容や協議資料に影響する可能性があります。

3. 若手や事務方も含めて、デジタル資料を扱える体制をつくる

3Dデータや点群、BIM/CIMは、技術者だけの話に見えます。

しかし実務では、見積、協議資料、写真整理、出来形書類、発注者説明、安全書類など、多くの部署に関係します。

中小建設業では、専任のDX担当を置くのが難しい会社も多いはずです。

だからこそ、最初は小さくて十分です。

  • 現場写真の保存ルールを統一する
  • 図面や写真のファイル名を標準化する
  • 点群や3Dビューアを一度触ってみる
  • 発注者説明に3D資料を一部使ってみる
  • 若手にデジタル資料作成を任せる場面をつくる

このくらいの変化でも、数年後には大きな差になります。

これは「大企業だけのDX」ではありません

PLATEAUビジョン2026は、都市政策の大きな方針です。

そのため、今日明日で中小建設業の受注条件が一変するものではありません。

ただし、行政が都市を3Dで把握し、計画し、説明し、管理する流れは進んでいます。そこにBIM/CIMや点群データも接続されていきます。

この変化の本質は、派手な技術ではありません。

「現場で起きたことを、後から使えるデータとして残す会社」が強くなるということです。

図面、写真、位置情報、出来形、点検記録。

これらをきちんと扱える会社は、発注者との協議でも、若手育成でも、維持管理分野への展開でも有利になります。

中小建設業にとっての第一歩は、巨大なシステム投資ではありません。

自社の現場情報を、未来の仕事に使える形で残すことです。

自社に関係する「3D化の入口」を整理しておく

今回のPLATEAUビジョンは、都市デジタルツインという大きな話です。ただ、中小建設業の実務に落とすと、入口はとても具体的です。

写真の残し方。図面の管理。点群の使い方。発注者説明。開発許可や景観協議。維持管理に渡せる情報づくり。

「うちの場合、何から整えればよいか」「BIM/CIMや点群にどこまで対応すべきか」「現場に負担を増やさずデータを残すにはどうするか」という段階で、一度整理しておくと動きやすくなります。

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