国土交通省は、街路樹点検の効率化・高度化に向けて、新技術を活用した実証提案の募集を始めました。東京国道事務所管内の道路空間を実証フィールドとして提供し、画像・映像、AI、点群、計測機器、衛星・航空データ、GIS、電子台帳化などを活用して、街路樹の状態把握や異状候補の抽出を行う技術を募集するものです。

募集内容

街路樹点検技術の有効性等の検証に向けた提案募集

応募対象

民間企業、大学、研究機関等(共同提案可)

応募期間

令和8年9月8日(火)~令和8年9月29日(火)

実証フィールド

東京国道事務所管内の道路空間

提供されるもの

道路空間、東京国道事務所が保有する街路樹台帳データ

想定される実証期間

令和8年10月~11月

最終結果報告

令和9年2月中旬まで(厳守)

背景には、令和8年3月に策定された「街路樹点検の実施促進のためのガイドライン」があります。街路樹は景観、緑陰、防災などの役割を持つ一方で、老木化や風水害の激甚化により、倒木・落枝等の事故が課題になっています。国土交通省の調査では、年間平均約5,200本の倒木が発生し、令和3年4月から令和6年11月までに801件の事故、そのうち人身事故33件が確認されています。

今回の募集は、単なる研究募集ではありません。道路維持管理の現場で「人が見て回る点検」から「データで優先順位を付ける点検」へ移っていく流れを示しています。

1週間で 22件の相談 がありました

  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
  • 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
  • 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
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中小建設業に関係するポイント

今回の対象は、民間企業、大学、研究機関等です。共同提案も可能です。

応募を求める技術は、次のように幅広く設定されています。

  • 画像・映像等による街路樹の状態把握、異状候補の抽出
  • AI等による異状候補、詳細点検候補の抽出、点検優先度の把握
  • 点群、計測機器等による樹木の形状、傾斜等の把握
  • 衛星・航空データ等による広域的な状態把握
  • 樹種判定、位置情報取得、電子台帳化、GIS化、点検記録の自動作成・更新

ここで注目したいのは、対象が「AI企業だけ」ではないことです。

造園、道路維持、測量、点検、交通規制、台帳整備、GIS、ドローン・画像取得など、複数の実務が組み合わさる領域です。中小建設企業単独では難しくても、地域の測量会社、システム会社、大学、研究機関などと組めば、提案の形を作れる可能性があります。

特に、普段から街路樹管理、道路維持、舗装・附属物点検、道路巡回に関わっている会社にとっては、現場を知っていること自体が強みになります。技術そのものだけでなく、「どのデータを取れば、管理者が次の判断をしやすいか」を理解している会社は、実証設計で価値を出しやすいはずです。

今回の実証で見られる評価軸

募集要領では、選定にあたって次の観点を総合的に評価するとされています。

  • 異状が疑われる樹木、または詳細点検を優先すべき樹木を抽出する可能性
  • 従来の巡回・点検を補助し、省力化・効率化に寄与する可能性
  • 既存の点検結果等と比較し、技術の精度、特性、限界を検証できること
  • 実道路空間における実施可能性、安全性
  • 道路管理者における導入可能性、汎用性、展開性

つまり、単に「高度な技術です」と言うだけでは弱いということです。

重要なのは、現場で使えるか、道路管理者が判断しやすくなるか、従来点検の負担をどれだけ減らせるかです。

中小企業が提案を考えるなら、背伸びした最先端技術の説明よりも、次のような整理が効きます。

  • 既存の巡回や点検と、どう役割分担するか
  • 危険木候補をどの精度・条件で抽出できるか
  • 台帳や点検カルテの更新作業をどこまで減らせるか
  • 現地作業時に歩行者、自転車、自動車の通行へどう配慮するか
  • 導入後、道路管理者がどの業務で使えるか

技術のすごさより、維持管理業務の流れに入る設計力が問われる募集だと見てよいです。

応募する場合に押さえるべき実務条件

応募書類は、応募申請書、技術実証実施計画書、補足資料・新技術の概要の3種類です。様式3は、新技術の諸元・仕様等が分かるカタログ等で代用できるとされています。

スケジュールはかなり具体的です。

時期

内容

令和8年9月8日

応募要領の公表

令和8年9月29日まで

応募書類の提出受付

令和8年10月上旬

選定結果の通知

令和8年10月中

関係機関との調整

令和8年10月~11月

技術実証、データ取得

令和8年11月~12月

データとりまとめ

令和8年12月下旬

中間とりまとめ

令和9年2月中旬

結果報告書の提出(厳守)

令和9年3月以降予定

実証結果のとりまとめ・公表

注意したい点もあります。

募集要領では、技術実証に要する費用は原則として応募者負担とされています。実証に必要な機器、システム、人員、データ取得作業、安全管理、第三者対応、成果整理なども、原則として応募者が自らの責任で実施します。

また、現地作業を伴う場合は、安全管理計画、道路使用許可、交通管理者との協議、道路占用その他関係機関との調整が必要になる場合があります。第三者への損害に備えた賠償責任保険等への加入状況または加入予定も、実施計画書に記載することとされています。

応募するなら、技術資料だけでなく、現場実施計画・安全管理・成果提出までを一体で組む必要があります。

これは「街路樹だけ」の話ではありません

今回のテーマは街路樹です。

しかし、中小建設業が見るべき本質は、もっと広いところにあります。

道路管理者は、限られた人員と予算の中で、膨大な管理対象を見なければなりません。舗装、橋梁、道路附属物、照明、標識、法面、植樹帯。現場は増え、人は減り、説明責任は重くなっています。

その中で、維持管理は少しずつ変わっています。

全部を同じ密度で点検するのではなく、データでリスクを絞り込み、優先順位を付ける方向です。

この流れは、街路樹に限らず、今後の公共維持管理全般に広がる可能性があります。中小建設企業にとっては、単に「新技術を買うかどうか」ではありません。

自社の現場経験を、データ化、台帳化、判定支援、報告書作成、発注者への説明にどうつなげるか。そこが競争力になります。

たとえば、道路維持の現場で日々見ている変状。植栽管理で蓄積している樹木の知見。測量や写真管理で扱っている位置情報。これらは、ばらばらのままだと属人的な経験です。けれど、整理すれば技術提案の材料になります。

現場を知る会社ほど、DXの入口は近くにあります。

今回すぐ応募しない会社も、確認しておきたいこと

今回の募集に応募しない会社でも、見ておきたい点があります。

まず、自社の業務の中に、点検・巡回・写真記録・台帳更新・報告書作成がどれだけあるかです。これらは、今後DX化の対象になりやすい業務です。

次に、発注者に提出している成果物が、将来的にデータとして再利用できる形になっているかです。写真、位置情報、判定結果、処置履歴、点検日、担当者、樹種や構造物情報。こうした情報が整理されていれば、次の提案につながります。

そして、協業先です。AI、GIS、点群、画像解析、ドローン、システム開発をすべて自社で持つ必要はありません。むしろ、中小建設企業は「現場を安全に動かす力」と「発注者業務を理解する力」を軸に、外部技術と組む発想が現実的です。

今回の実証は、国土交通省が応募技術の性能、品質、有効性等を認証・保証・推奨するものではないと明記されています。それでも、道路管理者が新技術導入を考えるための基礎的知見として整理される予定です。

つまり、今後の維持管理発注で、どのような技術や成果物が求められていくかを読む材料になります。

自社の維持管理DXをどう整理するか

街路樹点検の実証募集は、限られた人員で安全を守るために、維持管理をデータで支える方向へ進んでいることを示しています。

「うちはAI企業ではないから関係ない」と切り離すのは、少しもったいないです。道路維持、造園、測量、点検、写真管理、報告書作成。中小建設企業が日々担っている業務の中に、次の技術提案の種があります。

一方で、何から整理すればよいかは会社ごとに違います。自社の現場経験をどうデータ化するか。どの業務を電子化すれば利益や人手不足対策につながるか。協業先と組むなら、どこを自社の強みにするか。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、販路拡大、人材確保、組織活性化、原価管理、デジタル活用まで横断して、経営課題の整理と実行を支援しています。今回のような維持管理DXについても、「うちの場合はどう考えるべきか」「応募まではしないが、将来に向けて何を準備すべきか」という段階から一緒に整理できます。

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