国土交通省と気象庁は、令和8年8月27日16時時点で、石川県羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、富山県氷見市について、レベル5大雨特別警報がまもなくレベル3大雨警報へ切り替わる見込みだと発表しました。
ただし、これまでの大雨で地盤が緩んでいる場所があります。発表では、引き続き土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。
発表日時 | 令和8年8月27日16時00分 |
発表機関 | 国土交通省 水管理・国土保全局、気象庁 大気海洋部 |
主な対象地域 | 石川県羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、富山県氷見市 |
警報の見込み | レベル5大雨特別警報からレベル3大雨警報へ切替見込み |
継続する警戒事項 | 土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水・氾濫 |
今後の注意点 | 28日朝にかけて、雨が小康状態の地域でも再び警報級の大雨となるおそれ |
交通への影響 | 鉄道・航空の乱れ、道路の通行止め、アンダーパス等の冠水のおそれ |
建設会社にとって大事なのは、ここからです。
「特別警報が警報に切り替わる」ことと、「現場が安全になった」ことは同じではありません。
むしろ、雨が弱まった後に危険が残る場面があります。法面、掘削箇所、仮設通路、資材置場、現場近くの用水路。普段なら何でもない場所が、急に危ない場所に変わります。
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警報が下がっても、現場再開の判断は急がない
今回の発表で特に見ておきたいのは、次の点です。
現在雨が小康状態となっている地域でも、28日朝にかけて再び警報級の大雨となるおそれがあるとされています。
現場では、こういう会話が出やすくなります。
「雨、少し弱くなったな」
「明日の朝、行けるんじゃないか」
「工程が詰まっているから、できるところだけでも見に行こう」
その気持ちはよく分かります。工程もあります。元請や発注者との調整もあります。職人さんの段取りもあります。
ただ、今回のように総雨量が大きいときは、雨が弱まった直後ほど、地盤・水位・道路状況を確認してから動く必要があります。
PDF資料では、8月27日14時30分までの24時間降水量として、富山県氷見市で358.0ミリ、石川県羽咋市で340.5ミリ、石川県宝達志水町で261.0ミリが示されています。氷見と羽咋、宝達志水では観測史上1位の値を更新しています。
この数字は、現場目線ではかなり重いです。
土は水を含んでいます。法面は崩れやすくなります。仮置きした資材の足元も緩みます。基礎・掘削・外構・造成・道路関連の現場では、「昨日までの現場」と「大雨後の現場」は別物として見るくらいでちょうどよいです。
中小建設会社がまず確認したい4つの場所
今回の発表を受けて、 affected地域や周辺で現場を持つ会社は、まず次の4点を確認したいところです。
1つ目は、従業員と協力会社の安全です。
出勤できるか。帰宅できるか。自宅周辺が浸水していないか。避難情報が出ていないか。
現場より先に、人です。
2つ目は、施工中現場の周辺リスクです。
土砂災害警戒区域、浸水想定区域、河川や用水路の近く、低い土地、アンダーパス付近。ハザードマップで確認しておきたい場所です。
特に、山際、沢筋、擁壁まわり、法面下、仮設道路、掘削箇所は慎重に見たいです。
3つ目は、車両移動の可否です。
発表では、道路は通行止めを行う可能性があり、アンダーパス部等の道路では冠水するおそれがあるとされています。
浸水した場所での車移動は危険です。現場確認のための軽トラ、資材搬入のトラック、重機回送。どれも、無理に動かす判断は避けたいです。
4つ目は、資材置場・機材置場です。
低い土地にある置場は、浸水後に見た目以上の影響が残ることがあります。電動工具、発電機、仮設材、木材、袋物資材、書類。水に弱いものから確認が必要です。
河川・用水路・アンダーパスには近づかない判断を共有する
資料では、浸水を確認した河川として、富山県氷見市の阿尾川、宇波川、上庄川、石川県羽咋市の飯山川、宝達志水町の樋の川、中能登町の久江川、志賀町の菱根川、金沢市の大徳川、七尾市の鷹合川などが挙げられています。
また、浸水の危険度が高まっている地域では、河川、用水路、低い土地、地下施設、アンダーパスなどから離れるよう呼びかけています。
建設業の現場では、どうしても「ちょっと見てくる」が起きます。
「水位だけ確認してくる」
「仮設が流されていないか見てくる」
「ポンプだけ確認したい」
この一言が、危ない場面につながります。
河川・用水路・冠水箇所・アンダーパスには近づかない。
これは、現場代理人だけでなく、職長、職人、事務所、配車担当まで共有しておきたいルールです。
情報確認は「気象」「河川」「道路」を分けて見る
今回の資料では、複数の情報源が示されています。
気象の危険度は、気象庁の「キキクル」で確認できます。
土砂災害、浸水害、洪水災害の危険度を地図で確認できます。警戒レベル5相当の「災害切迫」、警戒レベル4相当の「危険」といった表示は、現場に向かうかどうかの判断材料になります。
河川の状況は、国土交通省の「川の防災情報」で確認できます。
雨がやんだ後でも、大河川では上流の雨により下流で遅れて増水することがあります。資料でも、大雨特別警報解除後に氾濫発生情報が出た過去事例に触れています。
道路の状況は、道路情報提供システムや各道路会社、地方整備局などの情報確認が必要です。
特に、事前通行規制区間、アンダーパス、低い土地の道路は注意が必要です。
建設会社としては、社内でこう分けておくと動きやすくなります。
- 現場責任者:現場と周辺ハザードの確認
- 配車・総務:道路、通行止め、出退勤経路の確認
- 経営者・管理者:稼働可否、休工、顧客・元請への連絡判断
災害時は、情報を見る人を決めておくだけで判断が速くなります。
明日の朝に向けて、会社として決めておきたいこと
今回の発表では、北陸地方を中心に、28日朝にかけて再び警報級の大雨となるおそれが示されています。
そのため、今日のうちに決めておきたいことがあります。
まず、明日の朝の出勤判断の時刻です。
朝になってから全員がバラバラに判断すると、現場も事務所も混乱します。「何時の情報で判断するか」「誰が最終判断するか」を決めておきたいです。
次に、現場確認に行く条件です。
避難情報が出ている地域、冠水が確認されている道路、土砂災害の危険度が高い地域には入らない。こうした線引きが必要です。
最後に、元請・発注者・施主への連絡方針です。
休工や遅延は言い出しにくいものです。ただ、今回のような大雨では、安全確認を優先する理由が明確です。
「警報切替後も地盤の緩み、浸水、河川増水の警戒が続いているため、現場確認後に再開可否を判断します」
このように、事実に基づいて伝えることが大切です。
災害対応を「その場対応」で終わらせないために
大雨のたびに、現場は判断を迫られます。
出すか、止めるか。行くか、戻すか。守るか、進めるか。
どれも簡単ではありません。
ただ、こうしたニュースをきっかけに、自社のルールを少しずつ整えることはできます。
ハザードマップの確認、現場別の避難・休工判断、協力会社への連絡網、車両移動の基準、資材置場の浸水対策。
一度に完璧にしなくても大丈夫です。まずは「うちの現場で、同じ雨が降ったら何が起きるか」を話すだけでも、次の判断は変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、安全、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。災害時の現場判断や社内ルールづくりも、会社の持続的成長を支える大事な土台です。
「うちの場合はどこから整理すべきか」「現場ごとの休工判断をどう決めればよいか」という段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、状況整理の壁打ち先としてご活用ください。


























