国土交通省は令和8年8月7日、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」の提言を公表しました。

今回のポイントは、土地取引や土地利用に対する行政の情報把握を強め、いわゆる「法規制の隙間」で周辺に悪影響を及ぼす土地利用にも対応できるよう、国土利用計画法を中心に制度を見直すべきだ、という内容です。

まだ法律改正そのものではありません。 ただし、今後の制度設計の出発点になる可能性があります。 資材置場、倉庫、駐車場、開発予定地などを取得・利用する建設会社にとっては、早めに見ておきたい動きです。

公表日

令和8年8月7日

公表主体

国土交通省 不動産・建設経済局 土地政策課

対象

土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議の提言

主な対象制度

国土利用計画法を中心とする土地取引・土地利用の制度

現行の届出対象面積

市街化区域2,000㎡、市街化区域以外の都市計画区域5,000㎡、都市計画区域外1ha以上

主な提言

届出対象面積の引下げ、利用目的変更時の再届出、土地利用の継続的モニタリング、不適切な土地利用への指導監督強化など

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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今回の提言は「土地を買う会社」だけの話ではありません

今回の提言では、土地利用の問題として、住宅地に近接する土地での廃棄物や土砂の積み上げ、スクラップヤードの建設、大型車両の駐車場利用、法令手続を経ない大規模な森林伐採や開発などが挙げられています。

建設業の現場感覚で見ると、かなり身近です。

たとえば、次のような場面です。

  • 資材置場を新しく確保する
  • 残土や土砂を一時的に置く土地を使う
  • 重機や大型車両の駐車場を借りる
  • 倉庫や加工場を建てるために土地を取得する
  • 事業拡大に備えて郊外の土地を保有する
  • 開発工事に関係する土地を取得・利用する

もちろん、これらが直ちに問題になるという話ではありません。 ただ、提言の方向性としては、土地を取得した時点だけでなく、その後にどう使うかまで行政が継続的に把握する方向が示されています。

ここが大きな変化です。

これまで「土地は買った。あとは自社の判断で使う」という感覚で進めてきた会社ほど、今後は取得目的、利用目的、変更履歴、許認可、周辺環境への影響を説明できる状態が求められやすくなります。

届出対象面積の引下げが検討されています

現行の国土利用計画法では、大規模土地取引について届出制度があります。 提言では、この届出対象となる面積要件について、可能な範囲で引き下げる方向で見直すべきとされています。

現在の基準は、提言概要で次のように示されています。

区域

現行の届出対象面積

市街化区域

2,000㎡以上

市街化区域以外の都市計画区域

5,000㎡以上

都市計画区域外

1ha以上

さらに、全国一律の引下げに加えて、地方公共団体の判断でさらに基準を引き下げられる仕組みも検討すべきとされています。

中小建設業にとって重要なのは、ここです。

大手デベロッパーの大規模開発だけではありません。 地方では、建設会社が自社用の置場や倉庫用地を取得することがあります。 専門工事会社でも、事業拡大に伴って資材置場や車両置場を確保することがあります。

今後、面積要件が引き下げられると、これまで届出の対象外だった規模の土地取引も、手続の対象に入る可能性があります。

まだ具体的な新基準は示されていません。 ただし、「うちは大規模開発をしていないから関係ない」とは言い切れない流れです。

利用目的を変えたときの再届出も検討対象です

もう一つ大事なのが、利用目的の変更です。

現行制度では、取引時点で届け出た後に利用目的が変わっても、変更届を提出する必要はないとされています。 そのため、届出時に「未定」とした場合や、取得後に実際の使い方が変わった場合、行政が実態を把握しにくいという課題がありました。

提言では、これを見直し、利用目的を変更した場合に再度の届出を求めるべきとされています。

建設会社の実務では、土地の使い方が変わることは珍しくありません。

「最初は資材置場のつもりだったけれど、車両置場も兼ねるようになった」

「倉庫予定だったが、しばらく仮置場として使っている」

「将来の事業用地として取得したが、当面は別用途で貸している」

こうした変更が、今後の制度次第では届出や確認の対象になる可能性があります。

ポイントは、土地取得時の目的だけでなく、取得後の運用まで記録しておくことです。

社長の頭の中では分かっている。 古参社員も分かっている。 でも、書類としては残っていない。

中小企業ではよくあります。 ただ、制度がモニタリング型に寄っていくなら、ここは少しずつ整えておきたいところです。

「不適切な土地利用」への指導監督が強まる方向です

今回の提言では、「不適切な土地利用」という考え方が示されています。

提言上は、土地利用関連法では必ずしも禁止されていないものの、法規制の隙間に存在し、周辺地域に悪影響を生じさせるような土地利用とされています。

つまり、個別法で明確に違反とは言い切れない場合でも、周辺地域に大きな悪影響がある場合には、国土利用計画法の枠組みで指導監督できるようにする方向です。

具体的には、土地利用基本計画に「どの区域で、どのような行為が不適切な土地利用に該当するのか」を明示し、それを根拠に取引段階だけでなく利用段階でも指導監督できるようにすることが提案されています。

ここで中小建設業が見ておきたいのは、地域ごとのルールがより具体化される可能性です。

同じ資材置場でも、工業系のエリアと住宅地近接エリアでは、求められる配慮が変わります。 同じ駐車場でも、大型車両の出入り、騒音、粉じん、道路幅、近隣住民の生活環境によって、見られ方が変わります。

今後、都道府県や市町村の土地利用基本計画、条例、指導要綱などが、より実務に影響してくる可能性があります。

土地を使う前に、用途地域や個別許認可だけでなく、地域の土地利用ルール全体を見る姿勢が大切になります。

無届事案への対応、罰則強化も検討されています

提言では、届出対象面積以上の土地取引であるにもかかわらず届出を行わない事案について、登記情報などと照合して把握し、報告徴収や現地調査により利用目的を確認するなど、対応を強化すべきとされています。

あわせて、違反行為に対する抑止力を高める観点から、罰則の強化も検討すべきとされています。

これは、悪質な事業者への対応を念頭に置いた内容です。 一方で、まじめに事業をしている会社でも、手続を知らなかった、社内で引き継がれていなかった、ということは起こり得ます。

特に土地関係の手続は、建設業許可や安全書類のように日常的に確認するものではない会社も多いです。

だからこそ、今のうちに、自社が保有・賃借・利用している土地の一覧を作ることが現実的な第一歩になります。

一覧にしておきたい項目は、たとえば次のようなものです。

確認項目

見ておきたい内容

所在地

どの自治体・区域にあるか

面積

現行基準や今後の見直し対象になり得る規模か

権利関係

所有、賃借、無償使用など

取得・利用開始時期

いつから使っているか

利用目的

資材置場、倉庫、車両置場、仮置場など

用途変更の履歴

当初目的から変わっていないか

関連許認可・届出

都市計画、農地、森林、盛土、条例等との関係

近隣環境

住宅地、学校、河川、森林などとの位置関係

難しい台帳でなくて構いません。 まずはExcelでも十分です。 「どの土地を、何の根拠で、どう使っているか」を社内で説明できる状態が大事です。

今すぐ慌てる話ではなく、土地管理を経営管理に入れる話です

今回の提言は、制度改正の最終決定ではありません。 具体的な法改正、施行時期、新しい届出基準などは、今後の検討を待つ必要があります。

ただ、方向性はかなりはっきりしています。

土地政策は、地価や投機対策だけでなく、人口減少時代の土地の適正な利用・管理へ重心が移っているということです。

建設会社にとって、土地は現場を支える重要な経営資源です。 資材を置く。 車両を止める。 重機を保管する。 加工する。 将来の仕事に備える。

どれも、ものづくりを続けるために欠かせません。

だからこそ、これからは「土地を持っている」「借りている」だけではなく、地域に説明できる使い方になっているか、行政手続に抜けがないか、用途変更を記録できているかが、経営管理の一部になっていきます。

これは守りだけの話ではありません。 きちんと整理できている会社は、用地取得や事業拡大の判断も早くなります。 金融機関や行政との会話もしやすくなります。 現場任せだった土地管理を、会社の資産管理・リスク管理に引き上げる機会でもあります。

自社の土地利用を一度整理してみる

今回のような制度見直しの動きは、「うちの場合は関係あるのか」が一番わかりにくいところです。 資材置場、車両置場、倉庫、仮置場、将来用地など、会社ごとに事情が違うからです。

まずは、自社が使っている土地を洗い出す。 次に、面積、用途、区域、許認可、近隣環境を確認する。 そのうえで、今後の制度変更で影響が出そうな土地を見ていく。

この順番で十分です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。土地利用や事業用資産の管理も、経営の土台づくりの一部です。

「うちの場合は何から見ればいいか」「土地や置場の管理をExcelで整理したい」「今後の制度変更に備えて社内の管理方法を考えたい」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは考えを整理する相手としてご相談ください。

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