国土交通省は、農林水産省、環境省と連携して作成している令和8年度版「グリーンインフラ支援制度集」を公表しました。地方公共団体や民間事業者がグリーンインフラに取り組む際に活用できる制度をまとめたもので、令和8年度版では新たに4件の制度が追加され、計43件が掲載されています。

公表日

令和8年6月30日

公表資料

令和8年度版「グリーンインフラ支援制度集」

作成主体

国土交通省、農林水産省、環境省

掲載制度数

計43件

新規追加制度

4件

主な対象

グリーンインフラの活用に取り組もうとする地方公共団体、民間事業者

掲載ページ

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000020.html

今回のポイントは、単に「環境系の制度が増えた」という話ではありません。公共空間、港湾緑地、観光資源、官民連携、地域の環境整備が、今後の仕事づくりと結びつきやすくなっているという点です。

特に、造園、土木、舗装、外構、河川、港湾、維持管理、観光地周辺整備に関わる会社にとっては、自治体や元請から出てくる案件の背景を読むうえで見ておきたい資料です。

1週間で 11件ダウンロード されました

  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

今回追加された4制度は「地域の使い方」を広げる内容です

令和8年度版では、次の4件が新たに追加されました。

  • 港湾環境整備計画制度(みなと緑地PPP)【国土交通省】
  • 民間提案型官民連携モデリング事業【国土交通省】
  • 観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業【国土交通省】
  • 地域の観光資源充実のための環境整備推進事業【国土交通省】

ここから見える流れは明確です。グリーンインフラは、緑を増やすだけでなく、地域のにぎわい、防災、観光、民間活力の導入と一体で進める段階に入っています。

たとえば港湾緑地です。従来は「整備して終わり」「管理は行政」という見え方が強かった分野でも、みなと緑地PPPのように、民間の力を入れながら水際線を活かした空間づくりを進める方向が示されています。

観光資源に関する制度も同じです。地域の自然、景観、水辺、緑地、歴史的な場所を、ただ保存するだけではなく、人が訪れ、滞在し、地域にお金が落ちる空間として整える流れが強まっています。

中小建設業にとっては、これは大きな意味を持ちます。地域の小さな整備、歩道や広場、植栽、排水、休憩空間、案内設備、維持管理。こうした仕事が、単発工事ではなく、地域づくりの文脈で出てくる可能性があります。

掲載制度は43件。国交省だけでなく環境省・農水省も含まれます

今回の制度集には、各省庁や公益財団法人等の制度が掲載されています。

区分

掲載数

国土交通省

23件

環境省

7件

農林水産省

11件

公益財団法人等

4件

※各省庁が共同で実施する制度は重複してカウントされています。

建設会社から見ると、国交省の制度だけを見ればよいと思いがちです。けれど、グリーンインフラは少し違います。

農地、森林、水辺、都市公園、港湾、観光、暑熱対策、防災・減災、生物多様性が横につながる分野です。つまり、自治体の担当部署も、建設部局だけとは限りません。

「都市整備課から出る工事」だけでなく、「観光」「環境」「農政」「港湾」「防災」「まちづくり」から動く案件もあり得ます。

ここが実務上の大事なところです。

営業先も、提案先も、情報収集先も、少し広げておく必要があります。

中小建設業が見るべきポイントは「補助金名」より「自治体が何をやりたがるか」です

制度集を見るとき、つい「自社が直接使える補助金はあるか」と探したくなります。もちろん、それも大事です。

ただ、建設業の場合はもう一歩手前が重要です。

制度を使う主体が自治体であっても、その先に設計、施工、維持管理、調査、社会実験、官民連携の仕事が生まれる可能性があります。

たとえば、自治体が制度を活用して次のような事業を検討するかもしれません。

  • 公園や緑地の再整備
  • 雨水貯留浸透に関わる整備
  • 港湾緑地や水辺空間の利活用
  • 観光地周辺の環境整備
  • 歩きたくなるまちなかづくり
  • 暑熱対策としての緑陰整備
  • 民間提案を含む官民連携事業
  • 維持管理を見据えた地域空間の改善

このとき、地域の建設会社が「言われたものを施工する会社」にとどまるのか。あるいは、地域の地形、排水、動線、維持管理、人手不足まで分かっている会社として提案できるのか

ここで差が出ます。

「グリーンインフラ」は現場感のある会社ほど相性がよい分野です

グリーンインフラという言葉は、少し大きく聞こえます。環境、ネイチャーポジティブ、ウェルビーイング。横文字も多いです。

でも、現場に落とすとかなり身近です。

「この場所は雨が溜まりやすい」

「夏場、この歩道は暑すぎて人が歩かない」

「この公園はつくった後の草刈りが大変」

「観光客は来るが、休める場所がない」

「水辺はいい場所なのに、近づきにくい」

こうした感覚を持っているのは、地域の現場を見続けている会社です。

グリーンインフラは、図面上のきれいな計画だけでは続きません。施工性、維持管理、地域の使われ方まで見ないと機能しません。

だからこそ、中小建設業には出番があります。

特に、除草、剪定、舗装、排水、法面、外構、園路、照明、ベンチ、転落防止、バリアフリーなど、日々の細かな仕事を担っている会社ほど、実装段階で必要とされます。

経営者としては、3つの確認をしておきたいところです

今回の制度集をきっかけに、経営者として確認したいことは3つです。

1つ目は、自社の地域で、自治体がグリーンインフラに関する計画や事業を持っているかです。

緑の基本計画、都市公園、かわまちづくり、港湾緑地、観光整備、防災・減災、暑熱対策。名称は自治体ごとに違います。まずは地元自治体の計画や予算資料を見ておきたいところです。

2つ目は、自社の工種がどの分野に接続できるかです。

土木会社なら雨水貯留浸透、河川、水辺、防災。造園会社なら緑地、公園、街路樹、維持管理。舗装会社なら歩行空間、暑熱対策、透水性舗装まわり。港湾や海岸に強い会社なら、みなと緑地や水際空間。観光地の近くなら、地域資源の環境整備も見えてきます。

3つ目は、自治体や元請に対して、制度を前提にした会話ができるかです。

「こういう制度が出ていますね」

「この場所なら、維持管理まで考えるとこうした方がよさそうです」

「地域の使われ方を考えると、小さく試してから広げる方法もあります」

このような会話ができる会社は、単なる施工先ではなく、地域の実装パートナーとして見られやすくなります。

すぐに大きな投資をする話ではありません。まずは情報の棚卸しです

今回の制度集は、すべての中小建設会社がすぐに申請するものではありません。制度ごとに対象者、要件、手続き、募集時期、問い合わせ先が異なります。詳細は制度集の各制度を確認する必要があります。

それでも、見る価値はあります。

なぜなら、国がどの方向に予算と制度を用意しているかが分かるからです。

地域の公共工事は、ある日突然生まれるわけではありません。国の方針があり、制度があり、自治体の計画があり、予算化され、発注につながります。

その上流を少し早めに見る。これだけでも、営業や採用、技術者育成の考え方が変わります。

「うちはグリーンインフラなんて関係ない」と切り離すより、自社の今の仕事が、どの制度や地域課題とつながるかを一度見てみる。そのくらいの温度感で十分です。

自社に関係する制度や地域案件を整理したいときは

グリーンインフラは、環境の話でありながら、実際には公共工事、維持管理、観光、防災、人手不足、原価管理、官民連携までつながるテーマです。

「制度集を見ても、自社に関係があるのか分からない」

「地元自治体の計画と、どこを結びつければよいか整理したい」

「提案営業や新しい工種展開のきっかけにできるか壁打ちしたい」

そう感じたら、一度立ち止まって整理するだけでも価値があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ。制度や市場の変化を、自社の持続的成長につなげるための整理役として活用いただけます。

無理に何かを進める必要はありません。「うちの場合はどう考えるべきか」「何から見ればよいか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要なときにご相談ください。

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