国土交通省は、地方公共団体等が検討しているPPP/PFI事業について、民間事業者等との「サウンディング(官民対話)」を実施すると発表しました。全国の地方公共団体から応募のあった案件のうち、25件が対象です。民間事業者等の参加申込期限は、令和8年7月17日(金)17時です。

発表内容

PPP/PFI事業に関するサウンディング参加者の募集

実施日

令和8年7月28日(火)

時間

9:45〜16:40予定

開催形式

WEB会議システム(Zoom)

対象案件数

25件

主な案件分野

都市公園、観光施設、公営住宅、道の駅、スモールコンセッション、公有財産利活用等

民間事業者等の申込期限

令和8年7月17日(金)17時

募集対象

提案・助言等を行う民間事業者等(金融機関を含む)

1週間で 11件ダウンロード されました

  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

今回のポイントは「入札前の入口」に参加できることです

今回のサウンディングは、すでに発注条件が固まった工事の入札ではありません。地方公共団体がPPP/PFI事業を検討するにあたり、民間事業者の意向、アイデア、関心、課題を把握するための官民対話です。

中小建設業にとって大事なのは、ここです。

公共工事は、仕様書が出てから動くと、どうしても「決まった条件の中で価格と体制を合わせにいく」勝負になりがちです。一方、サウンディングの段階では、自治体側もまだ事業の組み立てを検討している案件が含まれます。つまり、地域の民間企業として、施工・維持管理・運営面での現実的な課題や可能性を伝えられる余地があるということです。

もちろん、参加したから受注につながると決まっているものではありません。ただ、地域の公共施設や公有地活用がどの方向に動いているのかを早めに知ることは、今後の営業、協力会社づくり、技術者配置を考えるうえで価値があります。

建設業が見ておきたい案件分野

今回の25案件には、建設業と関わりやすいテーマが複数含まれています。たとえば、以下のような案件です。

  • 公営住宅の建替事業:愛知県名古屋市「市営住宅の建替事業」
  • 道の駅整備:静岡県静岡市「道の駅『(仮称)蒲原』整備事業」
  • 都市公園・公園整備:大阪府河内長野市、奈良県、福岡県宇美町、福岡県宗像市、島根県松江市、鹿児島県指宿市など
  • 公共施設再編・複合施設整備:滋賀県湖南市、京都府京田辺市、長崎県長崎市など
  • 旧学校・旧庁舎・遊休公的施設の利活用:埼玉県三郷市、岡山県赤磐市、熊本県阿蘇市、熊本県玉名市など
  • 公共施設への太陽光発電設備導入:広島県三原市

ここで見たいのは、単に「自社が元請で取れるか」だけではありません。建築、土木、電気、設備、外構、解体、修繕、維持管理、地元協力会社としての関与余地まで広く見ておくことが大切です。

特にPPP/PFIやコンセッション型の案件では、設計・施工だけでなく、維持管理や運営まで含めた事業設計になることがあります。地域の中小建設会社にとっては、単発工事ではなく、長く地域施設に関わる仕事の入口になる可能性があります。

参加前に確認しておきたい実務ポイント

申込にあたっては、別紙にいくつか実務上の注意点が示されています。

まず、民間事業者等は、登録画面の案内に従って参加希望案件を選ぶ形です。参加希望が集中した場合は、参加者が調整される場合があります

また、傍聴目的での参加は遠慮するよう記載されています。民間事業者として参加する場合は、「話を聞くだけ」ではなく、提案・助言・関心・課題感を伝える前提で準備したほうがよいです。

さらに、登録した所属・連絡先等の情報は、参加する案件の相談団体向けに一律共有されるとされています。これは、自治体側との今後の接点にも関わる部分です。会社として誰の名義で参加し、どの案件に関心を示すのかは、社内で確認してから申し込むのがよいでしょう。

事前質問への回答は、地方公共団体に確認後、国土交通省のHPに掲載される予定です。気になる案件がある場合は、案件詳細を確認したうえで、施工条件、維持管理範囲、地域企業の参画可能性など、自社の判断に必要な質問を整理しておくと動きやすくなります。

中小建設業は「情報収集」ではなく「市場づくり」として見る

今回のような官民対話は、受注の直前情報というより、これから地域でどのような公共投資・公共施設再編が起きるのかを読む場です。

人口減少、公共施設の老朽化、維持管理費の増加が進むなかで、自治体は従来型の「建てて終わり」ではなく、民間の知恵や資金、運営力を取り入れた事業手法を模索しています。建設会社側も、施工だけでなく、修繕計画、維持管理、地域事業者との連携、エネルギー設備、空き施設活用といった領域まで視野を広げる必要があります。

「うちはPFIをやる規模ではない」と考える会社もあるかもしれません。ですが、実際の地域プロジェクトでは、地元の施工会社、専門工事会社、設備会社、維持管理会社の力が欠かせません。大規模事業者の下請としてだけでなく、地域事情を知る会社として早い段階から存在を示すことには意味があります。

気になる案件が自社の商圏にある場合は、まず案件詳細を確認し、次の3点を整理してみてください。

  1. 自社が関われる工種・業務はどこか
  2. 施工後の維持管理や修繕で関与できる余地はあるか
  3. 地元企業として自治体に伝えられる現実的な課題や提案は何か

この3つが見えてくると、単なる参加ではなく、今後の営業戦略や協業戦略につながります。

自社に合う公共案件の関わり方を整理する

PPP/PFIや官民連携という言葉は大きく聞こえますが、中小建設業にとって大切なのは、制度そのものを難しく捉えることではなく、自社の技術・地域性・人員体制で、どの位置から関われるかを整理することです。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、建設企業の持続的成長を支援しています。今回のような公共施設再編や官民連携案件についても、「うちの場合はどの案件を見るべきか」「元請・協力会社・維持管理のどこを狙うべきか」といった段階から一緒に整理できます。

無理な営業はいたしません。まずは、ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、自社に合う関わり方を落ち着いて考える場として使っていただければと思います。

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