国土交通省は令和8年6月29日、「防災・減災対策等強化事業推進費」の令和8年度第1回配分として、国および地方公共団体が実施する26件の公共事業に対し、国費46.47億円の予算配分を決定しました。対象は河川・道路・林野です。豪雨災害等を踏まえた再度災害防止対策や、突発的な事象への緊急的な事前防災対策に使われます。

発表日

令和8年6月29日

制度名

防災・減災対策等強化事業推進費

配分内容

令和8年度 第1回配分

対象事業

国および地方公共団体が実施する公共事業

件数

26件

配分額

46.47億円(国費)

対象分野

河川・道路・林野

主な目的

再度災害防止対策、突発的事象への緊急的な事前防災対策

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  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
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今回のポイントは「年度途中に動く防災工事」です

今回の予算は、通常の当初予算とは少し性格が違います。

「防災・減災対策等強化事業推進費」は、年度当初には想定しにくい災害や事故、突発的な事象に対して、年度途中に緊急的・機動的に配分される予算です。

つまり、地域建設会社にとっては、年度当初の発注見通しだけを見ていては拾いきれない工事が出てくる可能性があります。

今回の内訳は次のとおりです。

区分

対策内容

件数

国費配分額

災害を受けた地域の再度災害防止対策

洪水・浸水等対策(河川)

3件

3.63億円

災害を受けた地域の再度災害防止対策

崖崩れ等対策(道路)

10件

21.31億円

突発的な事象等への事前防災対策

洪水・浸水等対策(河川)

7件

12.12億円

突発的な事象等への事前防災対策

崖崩れ等対策(道路・林野)

6件

9.41億円

合計

26件

46.47億円

道路の崖崩れ等対策と、河川の洪水・浸水対策が中心です。土木、法面、舗装、河川、維持修繕、治山関連の会社は、特に見ておきたい内容です。

対象地域の会社は、発注情報を一段細かく見る局面です

別添の配分箇所一覧では、具体的な施行地が示されています。

主な対象には、岐阜県多治見市、静岡県島田市、山口県山陽小野田市、北海道せたな町、北海道置戸町、大分県佐伯市、新潟県長岡市、岐阜県高山市、石川県金沢市、岐阜県下呂市、兵庫県香美町、島根県松江市、広島県福山市、徳島県松茂町、青森県鰺ヶ沢町、茨城県ひたちなか市、福井県越前町、兵庫県尼崎市、富山県射水市、福岡県糸島市、熊本県熊本市、佐賀県唐津市、兵庫県加古川市、鹿児島県霧島市などが含まれています。

ここで大事なのは、「自社の本社所在地」だけでなく、施工可能エリア・協力会社網・重機回送距離で見ることです。

防災・減災工事は、地域の安全に直結します。加えて、施工条件が厳しい案件も少なくありません。山間部、河川沿い、交通規制を伴う道路、法面、既設構造物の近接施工。こうした現場では、地元事情を知る会社や、機動力のある専門工事会社の役割が大きくなります。

対象地域や近隣エリアの会社は、次の情報を確認しておくとよいです。

  • 国土交通省の地方整備局・事務所の発注見通し
  • 都道府県・市町村の入札公告、発注予定
  • 防災・安全交付金関連の事業情報
  • 河川維持修繕、道路維持管理、道路更新防災等対策事業の公告
  • 元請・協力会社からの見積依頼の動き

予算配分が決まった段階で、すぐに全てが工事公告になるとは限りません。ただ、発注側の準備が進む前提条件が整ったと見ることはできます。

中小建設業にとっては「災害対応力」が受注力になる流れです

今回の発表から読み取れる大きな流れは、公共工事の中で防災・減災、維持修繕、更新、防災インフラの比重が高まり続けているということです。

新設中心の時代ではなく、既存インフラを守り、災害に備え、被害を繰り返さないための工事が増えています。

これは中小建設業にとって、決して悪い流れではありません。

地域の河川を知っている。山の崩れやすい場所を知っている。冬場の道路事情を知っている。通学路や生活道路の交通量を肌感覚で分かっている。こうした知見は、図面や数量表だけでは代替しにくいものです。

一方で、求められる準備も変わります。

災害対応力は、単なる「人手」ではなく、体制として見られる時代になっています。

具体的には、次のような点です。

  • 雨天・出水期を踏まえた工程管理
  • 法面、河川、道路規制などの専門性
  • 安全書類・施工計画書の作成力
  • 緊急対応時の連絡体制
  • 協力会社との即応ネットワーク
  • 若手や新入社員を危険箇所に入れる際の教育体制
  • ICT施工や写真管理、出来形管理への対応

公共工事の防災分野では、「地域にいる会社」から「地域を守れる体制を持つ会社」へ評価軸が移っていくと考えた方がよいです。

受注を狙う会社が今確認したい3つのこと

今回のような予算配分を見たとき、中小建設企業が確認したいことは大きく3つです。

1. 自社の工種と対象事業が合うか

今回の対象は、河川維持修繕、河川改修、道路維持管理、道路更新防災等対策、国有林野内治山事業などです。

土工、舗装、法面、護岸、河道掘削、排水、交通規制、維持修繕に関わる会社は接点を持ちやすいと考えられます。

元請として入るのか、専門工事として入るのか、協力会社として関わるのか。自社の立ち位置を早めに整理しておくことが大切です。

2. 対象エリアで動ける体制があるか

防災工事は、場所の制約が強いことがあります。山間部、河川沿い、狭い道路、片側交互通行、夜間・休日対応などです。

「施工できるか」だけでなく、「安全に、近隣対応をしながら、工程を守れるか」が問われます。

重機、オペレーター、交通誘導、現場代理人、主任技術者、協力会社。夏場から台風期にかけて、複数現場が重なる会社も出てきます。無理な受注を避けるためにも、先に稼働余力を見ておきたいところです。

3. 発注情報を誰が追うか決めているか

公共工事の情報は、見ようと思えば見られます。ただし、日々の現場に追われると後回しになりがちです。

経営者、積算担当、営業担当、総務担当の誰が発注情報を見るのかを決めておくだけで、機会損失は減ります。

特に今回のような年度途中の配分は、定期的な確認が効きます。週1回でも、対象自治体と地方整備局の公告を確認する仕組みを置いておく価値があります。

今回のニュースは「防災投資が続く」という経営シグナルです

今回の46.47億円は、単発の予算配分です。ただし、背景には自然災害の激甚化・頻発化があります。

建設業界にとっては、防災・減災、維持修繕、インフラ更新は中長期の柱になるという見方を強めるニュースです。

地域建設会社にとって、これは受注機会であると同時に、地域から期待される役割が増えるということでもあります。

「災害が起きたら動く会社」から、「災害を防ぐ段階から地域に入る会社」へ。

その流れの中で、施工力、現場管理力、安全管理力、協力会社網、若手育成、デジタル管理がつながっていきます。

今回の対象地域に入っている会社はもちろん、今回対象外の地域でも、同じような防災・減災投資は今後も注視しておきたい分野です。

自社に関係する防災工事をどう整理するか

今回のような公共予算のニュースは、「うちに関係があるのか」が一番判断しにくいところです。

対象地域なのか。対象工種なのか。元請で狙うのか、協力会社として入るのか。今の人員で対応できるのか。利益が残る見積にできるのか。考えることは多くあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。防災・減災工事への向き合い方も、受注機会だけでなく、体制づくりや原価管理とセットで考えることが大切です。

「自社の場合はどの情報を追えばよいか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、考えを整理する場として使ってください。

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