国土交通省は、令和8年3月分の「既存住宅販売量指数」を公表しました。登記データをもとに、個人が購入した既存住宅の移転登記量を加工・指数化したものです。全国の戸建住宅・マンション合計の季節調整値は128.1で、前月比2.2%の減少となりました。

公表内容

既存住宅販売量指数 令和8年3月分(試験運用)

公表者

国土交通省

全国合計指数

128.1

前月比

2.2%減

戸建住宅

125.6(前月比0.7%減)

マンション

131.0(前月比3.0%減)

30㎡未満除くマンション

106.6(前月比3.0%減)

基準

2010年平均=100

数値区分

季節調整値・確報値

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  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

今回の数字は「住宅まわりの温度感」を見る材料です

今回の発表は、建設会社に直接の義務や手続きが発生するものではありません。

ただし、住宅改修、リフォーム、外装、設備、解体、内装、電気、給排水など、既存住宅の売買後に発生しやすい工事に関わる会社にとっては、市場の温度感を読む材料になります。

既存住宅が動くと、その前後で工事が発生しやすくなります。

たとえば、購入前の点検。 購入後の内装工事。 水回りの入れ替え。 外壁や屋根の補修。 賃貸化や投資用物件に向けた小規模改修。

もちろん、指数が下がったからといって、すぐに工事需要が落ちるとは限りません。地域差もあります。物件種別の違いもあります。

それでも、「住宅がどれだけ売買されているか」は、数カ月先の小口工事・改修工事の動きを考えるうえで見ておきたい指標です。

全国では減少。ただし戸建とマンションで動きに差があります

令和8年3月分の全国合計は、季節調整値で128.1。前月比2.2%減でした。

内訳を見ると、戸建住宅は125.6で前月比0.7%減。マンションは131.0で前月比3.0%減です。

ここで見ておきたいのは、戸建よりもマンションの減少幅が大きいという点です。

区分

指数

前月比

合計(戸建住宅・マンション)

128.1

2.2%減

合計(戸建住宅・30㎡未満除くマンション)

117.0

2.0%減

戸建住宅

125.6

0.7%減

マンション

131.0

3.0%減

マンション(30㎡未満除く)

106.6

3.0%減

戸建中心の地域工務店と、マンション改修に強い専門工事会社では、同じ「既存住宅市場」でも受け止め方が変わります。

戸建の動きは比較的小幅な減少です。一方で、マンションは前月比3.0%減です。

自社の受注が戸建寄りなのか、マンション寄りなのか。ここを分けて見ることが大切です。

地域別では、下がっている地域と伸びている地域が分かれています

全国合計では前月比2.2%減ですが、地域別に見ると一様ではありません。

ブロック別では、たとえば北陸地方は合計で105.2、前月比18.6%減です。関東地方は128.2、前月比3.8%減です。

一方で、北海道地方は116.3、前月比2.9%増。東北地方は127.5、前月比2.3%増。九州・沖縄地方も125.3、前月比0.9%増です。

地域

合計指数

前月比

北海道地方

116.3

2.9%増

東北地方

127.5

2.3%増

関東地方

128.2

3.8%減

北陸地方

105.2

18.6%減

中部地方

138.1

1.7%減

近畿地方

130.1

0.5%減

中国地方

123.9

0.4%増

四国地方

126.0

1.5%減

九州・沖縄地方

125.3

0.9%増

中小建設業にとっては、全国平均よりも、自社の営業エリアに近い地域の数字を見ることのほうが実務的です。

「全国では下がっている」と聞くと、少し身構えます。

でも、自社の地域では増えているかもしれません。逆に、全国では小幅な減少でも、自社エリアでは大きく下がっている可能性もあります。

営業会議で見るなら、全国合計だけでなく、ブロック別・都市圏別の表まで見るのがよさそうです。

小規模リフォーム会社は「売買後の工事」を取りに行けるかを確認したいです

既存住宅の売買は、工事会社にとって「新築ではない住宅需要」の入口です。

ここで大切なのは、単に市場が増えた、減ったを見ることではありません。

売買が発生した後に、自社がどの工事で関われるのかを整理することです。

たとえば、次のような確認です。

  • 中古戸建購入者向けの外壁・屋根・水回り提案ができているか
  • マンション購入者向けの内装・設備更新の導線があるか
  • 不動産会社や管理会社との接点があるか
  • 小規模工事を利益が出る形で受けられる原価管理になっているか
  • 短納期・部分改修に対応できる職人手配になっているか

既存住宅の売買が動いていても、待っているだけでは工事につながりません。

お客様は、物件購入のタイミングで忙しくなります。資金計画、引っ越し、ローン、登記、家具、生活準備。そこに工事の検討が重なります。

そのときに、「買った後に何を直せばよいか」を分かりやすく示せる会社は選ばれやすいです。

大げさな営業ではなく、点検、優先順位、概算、工期の見通し。

このあたりを整えておくだけでも、住宅改修の受注機会は変わります。

30㎡未満マンションを除いた数字も見ておきたいです

今回の指数では、マンションについて「30㎡未満を含むもの」と「30㎡未満を除くもの」が併用して公表されています。

国土交通省は、個人による床面積30㎡未満のワンルームマンション取得が増大している現状に鑑み、この形で公表すると説明しています。

ここは実務上も大事です。

30㎡未満のワンルームマンションと、ファミリー向けの中古マンションでは、発生する工事の中身が違いやすいからです。

ワンルームなら、原状回復、設備交換、賃貸向け内装などが中心になりやすいです。

一方で、30㎡以上のマンションでは、住み替えに伴う内装、キッチン、浴室、間取り変更など、別の工事需要が出てくる可能性があります。

今回、30㎡未満を除くマンションの指数は106.6で、前月比3.0%減でした。

マンション改修を扱う会社は、「マンション全体」だけでなく、「30㎡未満除くマンション」の動きも合わせて見ると、自社の顧客層に近い需要を読みやすくなります。

経営者が次に見るべきこと

今回の発表から、すぐに設備投資を変える必要がある、という話ではありません。

ただ、住宅関連の会社であれば、次の3点は見ておきたいです。

1つ目は、自社エリアの既存住宅販売量指数がどう動いているかです。

2つ目は、自社の売上が戸建系か、マンション系か、どちらに寄っているかです。

3つ目は、不動産売買の後に発生する工事を、どのルートで受ける設計になっているかです。

市場全体の数字は、あくまで入口です。

本当に大事なのは、そこから自社の営業、見積、職人手配、粗利管理に落とし込むことです。

「最近、問い合わせの質が少し変わった」

「中古住宅を買ったお客様からの相談が増えている」

「不動産会社からの紹介はあるが、利益が残りにくい」

こうした現場の感覚と、今回のような公的データを重ねると、次の打ち手が見えやすくなります。

数字を見る目的は、景気を当てることではありません。自社の受注の入口を少し早く整えることです。

自社の住宅関連需要を整理するきっかけに

既存住宅市場の数字は、住宅改修・リフォーム・専門工事会社にとって、営業や体制づくりを見直すよい材料になります。

とはいえ、実際には「うちは戸建が多いのか、マンションが多いのか」「不動産会社との連携を強めるべきか」「小口工事を増やして利益が残るのか」など、会社ごとに論点は違います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、建設企業の持続的成長を支援しています。

「今回の数字を、自社の場合はどう見ればよいか」「住宅改修の営業導線をどう整えるべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な整理先として使ってください。

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