国土交通省港湾局は、令和8年6月30日、「みなとSDGsパートナー登録制度」第17回登録事業者の募集開始を発表しました。対象には、港湾運送事業者だけでなく、港湾建設業者をはじめとする港湾関係企業等も含まれます。

制度名

みなとSDGsパートナー登録制度

今回の募集

第17回登録事業者募集

申請対象者

港湾の整備、利用、保全、管理、運営に関する事業活動を行う企業、法人、団体、個人事業主

申請要件

SDGsの達成に向けた取組を実施している、又は取り組む意欲がある者

申請期間

令和8年7月1日(水)~令和8年8月28日(金)23:59到着分まで

申請方法

必要書類を作成し、電子メールで申請

申請先メール

hqt-gikikasdgs@gxb.mlit.go.jp

登録の有効期間

登録から3年間

登録事業者数

現在357者

新規登録事業者の決定・公表

令和8年9月下旬予定

この制度は、港湾をフィールドに事業を行う企業等が、SDGsに関する取組を「見える化」するための登録制度です。登録を受けると、登録証の交付、ロゴマークの使用許可、国土交通省港湾局ホームページでの取組紹介などが受けられます。

中小建設業にとって大事なのは、これを「SDGsの飾り」だけで見るのではなく、人材確保、働き方改革、省エネ、生産性向上、安定雇用などを社外に説明できる形に整える機会として見ることです。

1週間で 11件ダウンロード されました

  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード

港湾建設業者は対象に含まれます

今回の募集対象は、港湾の整備、利用、保全、管理、運営に関する事業活動を行う企業、法人、団体、個人事業主です。報道発表本文でも、港湾運送事業者や港湾建設業者をはじめとする港湾関係企業等が想定されています。

つまり、港湾工事、港湾施設の保全、港湾エリアでの施工・維持管理などに関わる会社にとっては、自社が制度対象に入る可能性があります。

一方で、制度名に「みなと」とある通り、すべての建設会社が対象になるわけではありません。まず確認すべきは、自社の事業が「港湾の整備、利用、保全、管理、運営」に関する活動といえるかです。

「うちは港の仕事も一部あるが、主力ではない」という会社もあると思います。その場合でも、対象となるかどうかは、募集要領やQ&A、記載例を確認しながら整理する価値があります。

申請で問われるのは、立派なスローガンよりも具体的な取組です

申請に必要な書類は、次の3点です。

  • (様式第1号)みなとSDGsパートナー登録申請書
  • (様式第2号)SDGs達成に向けた具体的な取組
  • (様式第3号)誓約書

特に重要なのは、「SDGs達成に向けた具体的な取組」をどう書くかです。

別紙では、港湾の持続可能な発展に資する観点から、経済、環境、社会の3つの分野で自己の取組を評価し、各分野において1つ以上の取組があることが要件とされています。

例として示されている内容は、次のようなものです。

分野

取組例

経済

生産性向上、安定的な雇用 等

環境

省エネ、再エネ、低炭素、3R 等

社会

人材育成、働き方改革 等

ここで大切なのは、「うちはSDGsらしいことをしていない」と決めつけないことです。

たとえば、現場での省エネ、廃材削減、長く働ける職場づくり、資格取得支援、安全教育、生産性向上のための業務改善などは、すでに多くの中小建設会社が日々取り組んでいるテーマです。

それを制度の言葉に合わせて整理すると、普段の経営努力が、採用・取引・地域への説明材料に変わることがあります。

年1回の報告があるため「言いっぱなし」にはできません

この制度では、透明性と説明責任を果たすため、達成状況について定期的な年1回の報告及び公表が求められます。資料では、これによりSDGsウォッシュ、つまり見せかけの取組を回避する考え方が示されています。

ここは中小企業にとって、少し注意が必要です。

登録できること自体は前向きな話ですが、登録後に毎年の報告がある以上、最初の申請段階で無理に大きなことを書きすぎると、後で運用が苦しくなります。

おすすめは、今すでに実施している取組と、これから着実に進められる取組を分けて整理することです。

たとえば、次のように考えると現実的です。

  • すでに実施していること:安全教育、資格取得支援、廃棄物削減、燃料使用量の把握など
  • これから強化すること:省エネ設備の検討、若手教育の仕組み化、業務のデジタル化など
  • 数字で追えること:研修回数、資格取得者数、残業時間、廃棄物量、燃料使用量など

登録制度は、立派な言葉を並べる場ではなく、経営の実態を見える化する場として使う方が、長く続きます。

採用と定着にも効いてくる可能性があります

国土交通省の資料では、登録による主なメリットとして、登録証の交付、シンボルマークの使用許可、港湾局ホームページでの取組紹介のほか、次のような効果が挙げられています。

  • 事業者のブランディング・イメージ向上
  • 人材確保・育成、従業員のモチベーションアップ
  • 経営リスク管理
  • 新たな事業機会の創出
  • ステークホルダーとの連携

中小建設業の経営では、「仕事はあるが人が足りない」「若手に会社の将来性をどう伝えるか」という悩みが続いています。

その意味で、SDGs対応は採用広報のためだけの言葉ではなく、会社が何を大事にしているかを言語化する作業でもあります。

「うちは港湾の仕事を通じて地域インフラを支えている」 「安全教育と人材育成を継続している」 「省エネや廃棄物削減にも取り組んでいる」

こうしたことは、現場の人にとっては当たり前すぎて、外に出ていないことが多いものです。しかし、求職者、協力会社、発注者、地域に向けて伝えるときには、会社の信頼をつくる重要な材料になります。

申請期限は8月28日、まずは取組の棚卸しから

今回の申請期間は、令和8年7月1日(水)から令和8年8月28日(金)23:59到着分までです。新規登録事業者の決定・公表、登録証の交付は令和8年9月下旬予定とされています。

申請は電子メールで行います。メールの件名は「みなとSDGsパートナー登録制度申請」とするよう案内されています。

実務上は、いきなり申請書を書くよりも、先に社内で次のような棚卸しをした方がスムーズです。

  1. 港湾に関する自社事業を整理する
  2. 経済・環境・社会の3分野で、既存の取組を書き出す
  3. 取組が継続的に説明できるものか確認する
  4. 年1回の報告で追える項目を考える
  5. 様式、記載例、Q&A、登録事業者の取組事例を確認する

特に中小企業では、「やっていない」のではなく「書ける形に整理されていない」ケースが多いです。安全大会、現場改善、資格取得支援、働き方の見直し、省エネ、3Rなど、すでにある取組を丁寧に拾い上げることが第一歩になります。

自社にとっての意味を整理するところから始めたい

今回の制度は、補助金や入札制度のように、すぐに売上へ直結する話ではないかもしれません。それでも、港湾関係の中小建設会社にとっては、自社の持続的な成長を外部に説明するためのひとつの器になります。

これからの建設業では、技術力や施工実績に加えて、働く人をどう育てているか、環境負荷をどう下げているか、地域や取引先にどう向き合っているかが、少しずつ会社選びの判断材料になっていきます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような制度についても、「うちの場合は対象になりそうか」「何を取組として書けるのか」「採用や組織づくりとどうつなげるか」といった段階から一緒に整理できます。

ものづくりに集中できる建設業界へ。制度対応を単なる書類作成で終わらせず、会社の未来を言葉にする機会として使いたい方は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の壁打ちとしてお話しいただければと思います。