国土交通省は、令和8年9月4日に「第14回航空インフラ国際展開協議会総会」を開催し、航空インフラの海外展開に向けた取組状況や「空港技術の海外展開方針(案)」などを報告しました。総会では、モンゴル国チンギス・ハーン国際空港運営事業に関する講演も行われています。
発表日 | 令和8年9月11日 |
開催日 | 令和8年9月4日 |
会議名 | 第14回 航空インフラ国際展開協議会総会 |
主な議題 | 航空インフラ海外展開に向けた取組報告・意見交換、空港技術の海外展開方針(案)など |
出席 | 民間企業50社、関係機関6機関 |
今後の取組例 | 海外空港情報の月1回共有、航空技術セミナー、技術パンフレット更新、マッチング・データベース構築など |
今回の発表は、一見すると「協議会の開催結果」です。ただ、添付資料まで読むと、建設会社・専門工事会社・設備会社・空港関連技術を持つ企業にとって、今後の販路や事業領域を考える材料が多く含まれています。特に、国内市場の縮小が意識される中で、海外インフラ需要をどう取り込むかという大きな流れは、中小建設業にとっても無関係ではありません。
1週間で 21件の相談 がありました
- 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
- 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
- 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
- 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
- 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
- 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
- 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
- 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
- 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
- 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
- 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
- 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
- 9月4日塗装工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月4日電気設備工事会社山梨県原価管理の相談
- 9月4日設備保全会社栃木県利益率向上の相談
- 9月4日電気設備工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
- 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
- 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
- 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
- 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
単なる海外ニュースではなく「建設業の次の市場」の話です
国土交通省の資料では、世界の航空需要は今後も増加が見込まれ、特にアジア太平洋地域では今後30年で2倍以上に増加するとの予測が示されています。航空需要が増えれば、空港の新設・拡張だけでなく、滑走路、ターミナル、給油施設、管制塔、空港設備、保守運営、デジタル化、省人化など、周辺の仕事も広がります。
また、政府全体では「インフラシステム海外展開戦略2030」において、2030年に45兆円の受注目標を掲げています。国交省資料でも、海外インフラ需要の取り込みは、人口減少・少子高齢化が進む日本企業の成長機会として位置づけられています。
中小建設企業にとって重要なのは、いきなり単独で海外空港工事を取りに行くことではありません。むしろ、大手ゼネコン、商社、空港運営会社、設備メーカー、コンサル会社などの動きの中に、自社の技術や施工力が入り込める余地があるかを見ておくことです。
国交省が示した支援の方向性は「情報・マッチング・信用づくり」です
今回の資料では、空港技術の海外展開に向けて、今後検討する施策として次のような方向性が示されています。
確認しておきたい支援の柱は、情報提供、マッチング、日本政府との連携明示、資金・融資支援、標準化・認証取得支援です。
具体的には、JICA等と連携した海外空港情報の整理・体系化、相手国ニーズと日本企業の空港技術をつなぐデータベース構築、現地セミナーや本邦技術紹介の機会創出、ジャパンパビリオンとしての展示会出展、ODAの活用促進や上流段階からの案件参画に関する検討などが挙げられています。
中小企業にとって、海外展開の壁は「施工力がないこと」ではなく、むしろ情報が取れない、相手国の商習慣が分からない、信用をどう作るか分からない、回収リスクを読みにくいという部分にあります。今回の方針案は、その壁を官民連携で下げようとしている内容と読めます。
空港関連技術を持つ会社は、技術パンフレットとセミナー情報を見ておきたいところです
資料では、国交省航空局が「本邦空港技術パンフレット」を作成しており、空港関連技術の追加・更新があれば航空局まで連絡するよう案内されています。パンフレットは、JICA研修や航空技術セミナーなどで海外関係者に紹介される想定です。
また、令和8年度の航空技術セミナーは、ウズベキスタン、カザフスタン、ケニアを対象に、令和8年12月から令和9年1月頃の開催が想定されています。今後参加者募集が行われる予定とされています。
ここでいう「空港技術」は、必ずしも巨大な航空管制システムだけではありません。資料では、AI、ロボティクス、IoT・ICT、低炭素化、資源循環、省人化、業務効率化なども海外展開で優位性が期待される分野として触れられています。
そのため、舗装、設備、電気、通信、環境、保守、省人化、点検、施設管理などで空港・交通インフラに転用できる技術を持つ会社は、自社技術を「海外の空港課題にどう役立つか」という言葉で整理しておく価値があります。
ただし、海外案件は「良い技術」だけでは勝てません
資料では、本邦企業の課題として、価格、実績、知名度、海外案件を推進できる人材不足、現地の技術関連規制・税関連規制・商習慣への対応、政情不安、支払い遅延、債権回収リスクなどが挙げられています。
これは中小建設業にとって非常に大事なポイントです。海外案件では、技術力や品質だけでなく、契約、資金回収、現地パートナー、言語、規格、保険、税務、工程管理まで含めて事業を見なければなりません。
ですから、海外展開を考える場合も、最初から大きく張るのではなく、国内大手・商社・メーカー・コンサルとの協業、展示会やセミナーを通じた情報収集、技術紹介資料の整備、小さな実証や部材供給からの参画といった段階的な進め方が現実的です。
中小建設企業が今やるなら「海外に売れる形」への棚卸しです
今回の発表から読み取れる実務上の一手は、海外進出の決断ではなく、まず自社の棚卸しです。
たとえば、次のような問いを社内で確認しておくと、今後の情報収集の精度が上がります。
- 自社の工法・設備・管理ノウハウは、空港・交通インフラ・大型施設に転用できるか
- 省人化、環境対応、安全性、ライフサイクルコスト低減のどれを強みとして説明できるか
- 海外企業や大手企業に伝わる実績資料、写真、数値、英語資料を用意できるか
- 単独受注ではなく、どの企業の補完役として入れるか
- 支払い遅延や契約リスクを負わない参画形態は何か
国内工事だけを見ていると、技術は「いつもの仕事」の中に埋もれがちです。しかし海外展開の文脈では、当たり前にやっている品質管理、安全管理、工程調整、保守対応が価値として見直されることがあります。大切なのは、自社の強みを相手国の課題に合わせて翻訳することです。
自社への関係を整理したいときは
今回のような海外インフラの話は、「うちには関係ない」と見送ることもできます。一方で、空港、道路、港湾、都市開発、設備、環境、デジタル活用の境目は少しずつ重なってきています。すぐに海外へ出るかどうかではなく、自社の技術や施工力が、将来どの市場で評価されるのかを整理しておくことが大切です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用、販路拡大まで横断して整理し、実行まで支援しています。海外展開そのものに限らず、「自社の強みをどう言語化するか」「どの市場を見に行くべきか」「今の体制でどこまで挑戦できるか」といった段階から一緒に考えることができます。
無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも、必要に応じてお声がけください。



























