国土交通省は、独立行政法人自動車事故対策機構、いわゆるナスバによる自動車事故被害者等の相談支援業務について、新たに1団体を追加選定したと発表しました。今回追加されたのは、遺族およびその家族からの相談先となる「関西学院大学 悲嘆と死別の研究センター」です。これにより、相談支援業務の実施団体は全国で16団体となりました。
発表日 | 令和8年8月7日 |
発表内容 | ナスバによる相談支援業務の実施団体を1団体追加選定 |
新たに選定された団体 | 関西学院大学 悲嘆と死別の研究センター |
所在地 | 大阪府大阪市北区芝田 |
相談対象 | 自動車事故の遺族およびその家族 |
電話番号 | 050-3150-5309 |
窓口開設時間 | 火~金 9:00~17:00、18:00~21:00 |
実施団体数 | 16団体 |
関連する公募 | 令和8年度の実施団体公募を令和9年2月26日(金)まで実施 |
1週間で 15件の相談 がありました
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- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
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- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
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- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
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- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
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- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
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- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
建設業に直接の制度改正ではないが、社用車リスクとは近い話です
今回の発表は、建設業向けの法改正や補助金ではありません。
ただし、中小建設業にとっては無関係とも言い切れません。現場への移動、資材の運搬、職長や営業担当の車移動、早朝・夕方の移動。建設会社の日常には、車両が深く入り込んでいます。
そのため、交通事故が起きた後に、従業員や家族へどの相談先を案内できるかは、安全管理・労務管理の一部として見ておきたいテーマです。
ナスバの相談支援業務は、自動車事故被害者やその家族、遺族の精神的負担を軽減するため、相談先の確保・充実を目的に実施されています。身体的な被害だけでなく、精神的な痛みや、事故後の受け止め方に関する相談先を広げる取り組みです。
経営者が見るべきポイントは「事故を起こさない」だけではありません
建設会社の安全管理では、どうしても「事故を防ぐ」ことに意識が向きます。
もちろん、それが最優先です。KY活動、運転前点検、アルコールチェック、長時間労働の抑制、現場間移動の無理な工程管理。やるべきことは多くあります。
一方で、現実の経営では、万一事故が起きた後に会社としてどう動くかも問われます。
特に社用車や業務中の移動が関係する事故では、会社は次のような対応を迫られます。
- 本人や家族への初期連絡
- 保険会社・警察・元請・発注者との連絡
- 労災や就業上の扱いの確認
- 現場の人員再配置
- 他の従業員への説明
- 再発防止策の整理
- 心理的なケアや相談先の案内
この中で見落とされやすいのが、最後の心理的なケアや相談先の案内です。
会社が医療や心理支援そのものを担う必要はありません。むしろ、専門的な相談先へつなぐことが大切です。今回の発表は、その選択肢が広がったという見方ができます。
総務・安全担当は「外部相談先リスト」に入れておくとよいです
今回追加された関西学院大学 悲嘆と死別の研究センターは、遺族およびその家族からの相談先として選定されています。
また、PDFの別紙では、相談支援実施団体として、高次脳機能障害、脊髄損傷、遷延性意識障害、遺族などに関する団体が掲載されています。
建設会社としては、全団体の詳細を覚える必要はありません。
ただ、事故対応マニュアルや緊急連絡フローの中に「ナスバの自動車事故被害者等相談支援」という項目を入れておくだけでも、いざという時の初動が変わります。
たとえば、総務・安全担当者向けには、次のように整理しておくと実務で使いやすくなります。
- 自動車事故被害者等の相談支援先としてナスバ関連の窓口がある
- 相談内容に応じて、遺族、高次脳機能障害、脊髄損傷などの実施団体がある
- 国土交通省の発表資料に、団体名・電話番号・開設時間が掲載されている
- 業務中・通勤中・私用中を問わず、必要に応じて本人や家族に案内できる可能性がある
ポイントは、会社が抱え込まないことです。
「会社で何とかする」ではなく、「会社として必要な情報につなぐ」体制を持つ。 これが、中小建設業の現実に合った備えです。
採用・定着の面でも、事故後の支援姿勢は会社の信頼につながります
若い人材を採用し、長く働いてもらううえで、給与や休日だけでなく、会社の安心感も見られる時代になっています。
現場は厳しい仕事です。車移動もあります。暑さもあります。高所作業もあります。だからこそ、従業員は無意識のうちに「この会社は、何かあった時にちゃんと動いてくれるか」を見ています。
事故後の支援体制は、派手な福利厚生ではありません。
しかし、家族を含めて守る姿勢を会社として持っているかは、組織の信頼に直結します。
たとえば安全衛生教育の中で、事故防止だけでなく、万一の相談先も簡単に共有しておく。入社時資料や安全大会の資料に、外部相談先の考え方を1ページ入れておく。こうした小さな整備が、会社の落ち着きになります。
今回の発表から自社で確認したいこと
今回のニュースを受けて、中小建設会社が大きな制度対応を迫られるわけではありません。
ただし、次の3点は確認しておく価値があります。
1つ目は、社用車・現場移動中の事故対応フローがあるか。 事故直後に誰へ連絡し、誰が家族対応を行い、誰が保険会社や元請と連絡するのか。ここが曖昧だと、現場も事務所も混乱します。
2つ目は、従業員や家族に案内できる外部相談先を持っているか。 産業医、保険会社、社会保険労務士、行政窓口に加えて、今回のような自動車事故被害者等向けの相談支援も候補になります。
3つ目は、安全管理を「事故防止」だけで終わらせていないか。 事故を防ぐ仕組みと、事故後に支える仕組み。この両方がある会社は、従業員から見ても、取引先から見ても、信頼されやすくなります。
建設業は、日々のものづくりを支えるために、車両と人が動き続ける仕事です。だからこそ、事故を起こさない努力と、万一の時に孤立させない備えをセットで考えることが大切です。
自社の事故対応体制を一度整理しておく
今回の発表は、すぐに何かを申請する類のニュースではありません。けれども、社用車や現場移動が多い会社にとっては、自社の事故対応体制を見直すきっかけになります。
「事故対応マニュアルはあるが、家族対応や相談先までは整理できていない」「安全教育はしているが、事故後の支援体制は属人的になっている」。そうした段階でも、まずは現状を見える化するだけで前に進みます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。安全管理や労務対応も、会社の持続的成長を支える土台の一つです。
「うちの場合は、どこから整理すればよいか」を壁打ちしたい段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な時に落ち着いてご相談ください。

































