国土交通省は令和8年8月3日、日野自動車株式会社から「日野レンジャー」等についてリコールの届出があったと公表しました。対象は計35型式・4車種、合計13,471台です。燃料配管に亀裂が生じ、燃料漏れに至るおそれがあるため、全車両で燃料配管を対策品に交換する内容です。
届出者 | 日野自動車株式会社 |
リコール届出番号 | 5861 |
リコール開始日 | 令和8年8月3日 |
対象車種 | 日野レンジャー、日野メルファ、日野セレガ、日野ブルーリボンハイブリッド |
対象台数 | 計13,471台 |
不具合の部位 | 燃料装置(燃料配管) |
不具合件数 | 36件 |
事故の有無 | なし |
改善措置 | 全車両、燃料配管を対策品に交換 |
交換修理用部品の対象数 | 計5,858個 |
1週間で 18件の相談 がありました
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今回のポイントは「燃料漏れのおそれ」です
今回の不具合は、サプライポンプの燃料配管に関するものです。
国土交通省の発表によると、設計検討が不十分で、振動に対する強度が不足しているとされています。低温時に状態変化した燃料成分が燃料フィルタに詰まると、吸入負圧が増えます。すると燃料圧力の変動が大きくなります。その結果、燃料配管が想定を上回って共振し、亀裂が生じ、燃料漏れに至るおそれがある、という内容です。
現時点で事故は「なし」とされています。
ただし、建設会社にとっては軽く見ない方がよい内容です。燃料系統の不具合は、車両の稼働停止、安全管理、現場への資材・機材運搬に直結します。
「走れているから大丈夫」ではなく、まずは対象かどうかを確認する話です。
建設会社がまず確認したい車両
今回、建設業に関係しやすいのは、やはり「日野レンジャー」です。
対象となる日野レンジャーは、型式や車台番号の範囲が複数あります。製作期間の全体の範囲は、令和6年5月17日から令和7年12月23日です。
主な対象車種は次の通りです。
- 日野レンジャー
- 日野メルファ
- 日野セレガ
- 日野ブルーリボンハイブリッド
特に、現場まわりで中型トラックを使っている会社では、総務や車両管理の担当者が「うちのレンジャーは対象に入っていないか」を確認しておきたいところです。
注意点もあります。国土交通省の資料には、リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があると記載されています。
つまり、一覧表だけを見て早合点するのではなく、販売店、届出者、メーカー等のホームページ検索で確認するのが確実です。
交換修理用部品も対象に含まれています
今回のリコールでは、車両そのものだけでなく、交換修理用部品として出荷された部品も対象に含まれています。
対象として示されているのは、次の部品です。
対象の製品名 | 部品番号 | 対象部品数 |
|---|---|---|
燃料フィルタエレメント | 23304EV640 | 5,459 |
燃料フィルタアッセンブリ | 23330E0263、23330E0193 | 399 |
合計 | 5,858 |
対象部品の出荷期間は、部品によって令和6年9月17日から令和8年6月30日までの範囲で示されています。
ここは見落としやすいポイントです。新車購入時だけでなく、整備・修理の過程で対象部品が組み付けられている可能性があります。
「うちは対象年式の車両ではないはず」と思っても、過去の整備履歴によって確認が必要になる場合があります。
整備を外注している会社は、整備工場に「今回の対象部品に該当する履歴があるか」を確認しておくと安心です。
現場への影響は「車両停止の段取り」で小さくできます
リコール対応そのものは、全車両で燃料配管を対策品に交換するものです。
問題は、現場車両をいつ止めるかです。
建設会社では、1台のトラックが複数現場を支えていることがあります。朝は資材搬入。昼は残材引き上げ。夕方は翌日の積み込み。そんな車両を急に止めると、現場の段取りに影響します。
だからこそ、確認の順番はシンプルでよいと思います。
- 保有車両に日野レンジャー等があるか確認する
- 車台番号を確認する
- 販売店または日野自動車の検索・問い合わせで対象か確認する
- 対象なら、現場予定と照らして入庫日を決める
- 整備履歴に対象の交換修理用部品がないか確認する
やることは難しくありません。
ただ、後回しにすると面倒になります。対象車両が複数ある会社では、同じ週にまとめて止めると現場が詰まることもあります。安全対応は、早く把握して、静かに段取りするのがいちばんです。
小さな会社ほど「車両台帳」が効いてきます
今回のようなリコール情報を見ると、車両台帳の大切さがよく分かります。
車両名。型式。車台番号。購入日。主な使用現場。整備工場。直近の整備履歴。
このあたりがすぐ出てくる会社は、確認が早いです。現場に電話して「車検証どこにある?」と探す時間も減ります。
一方で、台帳が曖昧だと、こういう時に少し疲れます。
「たぶん大丈夫」 「誰かが見ているはず」 「整備工場に任せているから分からない」
この状態は、日々の忙しさの中ではよくあります。責める話ではありません。ただ、車両は人と同じく、会社の大事な稼働資産です。
安全、原価、工程、保険、整備費。全部につながっています。
今回のリコール確認をきっかけに、車両台帳と整備履歴を少し整えるだけでも、次の対応がぐっと楽になります。
まずは対象確認、次に運用の見直しへ
今回のリコールで、中小建設企業が見るべきことは明確です。
日野レンジャー等を保有している場合は、対象車両かどうかを確認する。
過去に対象の交換修理用部品が組み付けられていないかを確認する。
対象だった場合は、現場稼働に影響が出にくい日程で交換対応を進める。
これで十分です。
大きな制度改正のような話ではありません。けれど、こうした一つひとつの確認が、現場の安全と会社の信用を守ります。
車両は、毎日当たり前に動いてくれる存在です。だからこそ、不具合情報が出た時には、当たり前を守るための小さな点検をしておきたいですね。
車両管理や安全対応を、会社の仕組みにしていくために
リコール対応は、単発の確認で終わらせることもできます。
一方で、車両台帳、整備履歴、現場稼働予定、安全管理をつなげて見直すきっかけにもできます。
「うちの場合、誰が確認するのがよいか」 「車両台帳をどう整えれば現場が使いやすいか」 「安全管理と原価管理を、もう少し楽に回せないか」
そんな整理が必要な時は、ネクスゲートでも壁打ちできます。中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、無理な営業はいたしませんので、「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。
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