国土交通省は、道路管理の高度化・効率化に向けて、自動運転車両を活用する実証実験の協力者募集を始めました。将来的なレベル4(L4)無人自動運転による道路管理車両の実装を見据え、まずは自動運転開発車両(L2++相当)を使って、道路巡回や点検などへの活用効果を検証するものです。

発表内容

道路管理における自動運転車両導入に向けた実証実験の協力者募集

募集期間

令和8年7月31日(金)~令和8年8月28日(金)12時

実験場所

国土交通省 関東地方整備局管内を想定

実験期間

検証・評価期間を含め、令和9年度末までを想定

主な実験内容

道路管理への自動運転車両活用、車両データ連携の検討

想定される活用場面

道路巡回、日常点検、災害時点検、規制作業、除雪、凍結防止剤散布、清掃・散水など

申請先

国土交通省 道路局 道路交通管理課 ITS推進室

今回の公募は、一般の建設会社がそのまま応募しやすい内容ではありません。参加要件には、日本国内に車両の研究開発拠点を有すること、一般道でのL2++相当の車両開発実績を有することなどが示されています。

ただし、中小建設業に関係が薄い話ではありません。むしろ、道路維持管理の現場にとっては大きな流れの始まりです。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
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直接の応募対象は「自動運転車両の開発者」に近い

公募要領を見ると、実験参加者に求められている役割はかなり明確です。

実験参加者は、自動運転開発車両を国土交通省へ貸与すること走行データ取得装置を貸与・設置すること車両や機器のメンテナンスを行うことなどが求められます。

また、参加要件には次のような内容があります。

  • 一般道でのL2++相当の車両開発者であること
  • 自動運転車両の開発実績を有すること
  • 本実験に必要な走行情報等データを無償で提供すること
  • 安全確保のため、運転者への教育を行うこと
  • 民間企業、企業共同体、大学及び研究機関であること

つまり、道路維持を担う建設会社向けの通常の工事公募ではありません。

「うちは舗装や道路維持はやっているけれど、自動運転車両の開発会社ではない」。 そう感じる会社が多いはずです。

その感覚は自然です。今回の公募だけを見れば、直接応募できる企業は限られると考えられます。

それでも道路維持会社が見ておきたい理由

今回の実証で扱われている活用場面は、建設業の現場にかなり近いものです。

国土交通省の資料では、自動運転車両の活用シーンとして、道路巡回、日常点検、災害時等の緊急点検、規制作業、除雪・凍結防止剤散布、清掃・散水などが挙げられています。

これは、まさに道路維持管理の現場です。

朝のパトロール。夜間の規制。雪の日の除雪。災害後の緊急点検。人手が足りない中で、誰が、何時に、どの路線を見るのか。現場では毎日のように悩むところです。

今回の実証は、そこに対して、車両の自動運転、自動点検技術、カメラ・センサー、走行データを組み合わせて省人化・効率化を進めるという方向を示しています。

中小建設企業にとって大事なのは、「すぐに無人車両が入って仕事がなくなる」と受け止めることではありません。

そうではなく、道路維持管理の発注内容が、少しずつ“作業”だけでなく“データを扱える体制”を含むものに変わっていく可能性があると見ることです。

現場の価値は「人手」から「判断と運用」へ広がる

自動運転車両が道路管理に使われるようになると、現場の仕事は単純に機械へ置き換わるだけではありません。

たとえば、AIカメラで舗装の異常を検知できるようになったとしても、そこから先には人の判断が残ります。

「これはすぐ補修が必要か」 「次回巡回で様子を見るべきか」 「通行規制をかけるほどの損傷か」 「発注者へどう報告するか」

こうした判断は、地域の道路を見てきた会社ほど強い部分です。

一方で、これからはその判断を支える材料として、映像データ、位置情報、路面状況、車両挙動データなどが増えていきます。

国土交通省の公募要領でも、共有データとして、位置、上下加速度、ABS、横ブレ、外部環境、天候、路面状況などが想定されています。

つまり、将来の道路維持管理では、現場経験に加えて、データを読んで説明できる力がより重要になるかもしれません。

中小建設企業が今から見ておきたい3つのこと

今回の公募に直接応募しない会社でも、見ておきたいポイントがあります。

1つ目は、自社の道路維持業務のどこに省人化余地があるかです。

巡回、写真整理、報告書作成、損傷箇所の記録、除雪時の判断、規制作業の安全確保。どこに時間がかかっているか。どこで人が疲れているか。まずはそこを棚卸しするだけでも意味があります。

2つ目は、発注者との会話で“データ活用”が増えていく前提を持つことです。

今後、道路維持管理の現場でカメラ、センサー、スマートフォン、クラウド、AI点検などの言葉が増える可能性があります。そのときに、「うちは関係ない」と距離を置くより、少しずつ慣れておく方が動きやすくなります。

3つ目は、技術会社との組み方を考えることです。

中小建設企業が自動運転車両を自社開発する必要はありません。ただ、地域の道路を知っている会社には、技術会社だけでは持てない知見があります。

「この路線は冬に凍りやすい」 「この交差点は規制時に危ない」 「この区間は路肩の草で視認性が落ちる」

こうした現場知は、技術導入の精度を上げます。将来的には、建設会社が技術会社と組み、現場運用側のパートナーになる形も考えられます。

道路維持管理は“人が足りない時代”の設計に入っている

今回の実証は、単なる新技術の実験ではありません。

背景にあるのは、道路管理をこれまで通りの人員とやり方だけで続ける難しさです。

資料では、想定される効果として、巡回頻度の向上、作業員の安全性向上、省人化・無人化、長時間作業、現地対応力の向上などが示されています。

これは、中小建設業の経営課題と重なります。

採用が難しい。夜間作業の負担が大きい。ベテランに頼る場面が多い。災害時や降雪時に人員配置が厳しい。そうした悩みは、多くの会社が抱えています。

だからこそ、今回のニュースは「自動運転の会社向けの公募」として終わらせず、自社の維持管理業務を、これからどう安全に、少ない人数で、品質を落とさず回すかを考えるきっかけにしたいところです。

まずは自社の維持管理業務を整理するところから

今回の公募に直接応募できる会社は限られるかもしれません。

それでも、道路維持管理の将来像は少しずつ見えてきています。巡回、点検、規制、除雪、清掃といった業務に、自動化技術とデータ活用が入り込んでくる流れです。

いきなり大きな投資をする必要はありません。まずは、自社の現場で「どの作業が人に依存しているか」「どの記録が紙や写真フォルダに埋もれているか」「どこに安全上の負担があるか」を整理するだけでも、次の一手が見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。道路維持管理の省人化やデータ活用についても、「うちの場合は何から考えるべきか」という段階から一緒に整理できます。

無理な営業はいたしません。ニュースを読んで少し気になったことを、次の整理先として話していただく形で大丈夫です。

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