国土交通省は、砂防関係事業のDXを進めるため、「砂防関係事業における遠隔・自動施工の推進検討委員会(第3回)」を令和8年8月6日に開催すると発表しました。今回の会議では、中間とりまとめ案について検討されます。

発表内容

砂防関係事業における遠隔・自動施工の推進検討委員会(第3回)の開催

開催日

令和8年8月6日

主な検討内容

中間とりまとめ案、施工会社へのヒアリング結果、施工機械に関する話題提供など

背景

中山間地域での担い手不足、厳しい施工条件、土砂災害の多発化・激甚化への対応

今後の予定

8月に中間とりまとめ、令和8年度内に提言予定

関連する国の方針

i-Construction 2.0。2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍に向上させる目標

今回の発表は、直ちに中小建設会社の入札条件や施工方法が変わるというものではありません。ただし、砂防工事のように急峻・狭隘・遠隔地・火山地域など厳しい現場が多い分野で、遠隔施工・自動施工を通常工事にも広げていく方向性が検討されていることは重要です。

中小建設業にとっては、「特殊な大手向け技術の話」と見るよりも、公共工事における省人化・安全性向上・施工DXの流れが、より現場に近い領域へ降りてきていると捉えるべきニュースです。

1週間で 16件の相談 がありました

  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
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なぜ砂防工事で遠隔・自動施工が重視されるのか

砂防関係事業は、山間部、渓流、斜面、火山地域、河道閉塞発生箇所など、施工条件が厳しい現場が多い分野です。

国土交通省の参考資料では、中山間地域における生産年齢人口の減少や建設業の担い手不足が顕著であり、近い将来、省人化の取組なしには工事ができなくなるという問題意識が示されています。

ここで重要なのは、遠隔・自動施工が「便利な新技術」ではなく、人が足りない中でも地域の安全を守るための施工体制そのものとして位置づけられ始めている点です。

これまで遠隔施工は、災害対応や危険区域での施工など、安全確保の文脈で語られることが多くありました。今回の検討では、従前の安全目的の工事に加えて、通常の砂防関係工事でも遠隔・自動施工を推進するために必要な事項が検討対象になっています。

これは、技術の適用範囲が一段広がる可能性を示しています。

検討されている主な論点

参考資料では、具体的な検討内容として次の3点が示されています。

  • 砂防事業で取り組むべき遠隔・自動施工の方向性
  • 遠隔・自動施工を推進すべき具体的工事内容の抽出
  • 遠隔・自動施工の推進にあたり、実施すべき技術実証

また、砂防工事における遠隔・自動施工事例として、除石、土砂運搬、掘削、伐根、ブロック据付、遠隔操作室などが示されています。

中小建設会社の経営目線で見ると、ここで注目したいのは「技術そのもの」だけではありません。むしろ、どの作業が遠隔化・自動化の対象として選ばれていくのかです。

対象工種や作業が整理されていけば、将来的には発注仕様、施工計画、技術提案、機械選定、協力会社との役割分担にも影響する可能性があります。現時点では検討段階ですが、公共工事に関わる会社ほど、早めに流れを把握しておく価値があります。

中小建設業が見るべき実務上のポイント

今回のニュースから、中小建設業が確認しておきたいポイントは大きく3つあります。

1つ目は、自社が関わる工種に省人化の余地があるかです。

砂防工事そのものを直接請けていない会社でも、土工、運搬、掘削、法面、ブロック据付、仮設、測量、施工管理など、周辺業務に関わる会社は少なくありません。自社の作業を分解し、「人が現場に張り付かないと成立しない作業」と「機械化・遠隔化・データ化しやすい作業」を分けて考えることが第一歩になります。

2つ目は、機械やシステムを買う前に、施工管理と人材の設計を見直すことです。

遠隔・自動施工というと、すぐに高額な建機やシステム投資を想像しがちです。しかし、中小企業にとっては、いきなり大きな投資をするよりも、まずは施工手順、出来形管理、写真管理、日報、位置情報、オペレーター教育、通信環境などを整理する方が現実的です。

DXは機械だけで決まりません。現場の仕事を標準化し、若手や未経験者でも理解できる形にすることが、省人化の土台になります。

3つ目は、安全対策を「人を増やす」以外の方法で考えることです。

厳しい現場では、これまで経験者の勘と人数でリスクを抑えてきた面があります。しかし、人材不足が進む中では、そのやり方だけでは限界があります。遠隔施工や自動施工は、危険箇所から人を離すという意味でも、安全管理の選択肢になります。

安全・人材・生産性は別々の課題ではありません。今後は、安全性を高めることが、採用や定着、生産性向上にもつながるという見方がより重要になります。

「大手の話」で終わらせない方がよい理由

遠隔・自動施工は、現時点では大規模工事や特殊現場での導入が先行しやすい領域です。そのため、中小建設会社から見ると「自社にはまだ遠い」と感じるかもしれません。

ただし、公共工事の流れは、まず国の方針や実証から始まり、次に一部工事での適用、標準化、発注条件や評価項目への反映へと進むことがあります。今回も、令和8年8月に中間とりまとめ、令和8年度内に提言という予定が示されています。

つまり、今すぐ全社で遠隔施工に投資するという話ではなく、今後どの工事・どの作業・どの地域から変わっていくのかを見ておく段階です。

特に、砂防・河川・道路・災害復旧・中山間地域の工事に関わる会社は、今回の議事概要や今後公開される資料を確認しておくとよいでしょう。施工会社へのヒアリング結果も議題に含まれているため、現場側の課題がどのように整理されるかは実務上の参考になります。

経営者が今から準備できること

中小建設業が今からできる準備は、必ずしも大きな設備投資ではありません。

まずは、自社の現場で「人が足りないと止まる作業」を洗い出すことです。どの作業が属人化しているのか。どの工程で熟練者に負荷が集中しているのか。どの現場で安全リスクが高いのか。ここを見える化するだけでも、次の打ち手が変わります。

次に、デジタル化しやすい業務から整えることです。日報、写真、出来形、配車、重機稼働、原価、労務配置などの情報が整理されていないと、遠隔化や自動化の前段階でつまずきます。逆に言えば、こうした基本業務を整えている会社ほど、新しい施工技術を取り入れやすくなります。

そして、若手や中堅が機械・データ・施工管理を横断して学べる環境をつくることです。これからの現場では、重機を動かす力だけでなく、機械の特性、施工データ、通信、リスク管理を理解する人材がより重要になります。

今回の発表は、砂防関係事業の検討委員会開催に関するものです。しかし、その奥には、建設業全体に共通する構造があります。人手不足の中でも、地域の安全を守り、工事を続けられる会社になるために、施工のあり方を変えていくという流れです。

自社にとっての省人化の進め方を整理する

遠隔・自動施工のようなテーマは、いきなり機械導入やシステム選定から入ると、自社に合う形を見失いやすくなります。まずは、自社の工種、現場条件、人員構成、協力会社体制、原価管理の状況を踏まえて、どこから省人化・安全性向上・デジタル活用に着手するかを整理することが大切です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何から考えるべきか」「DXや省人化を進めたいが、現場に合う形が分からない」という段階でも、壁打ち相手として活用いただけます。

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