国土交通省と経済産業省は、令和8年8月4日、「災害時における電動車から医療機器への給電活用マニュアル」を改定したと発表しました。電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車などの多くは外部給電機能を備えており、災害時に移動式の非常用電源として使える可能性があります。

今回の主な対象は医療機器への給電です。ただし、中小建設業にとっても、社用車・現場車両を「移動手段」だけでなく「非常用電源」として捉えるきっかけになります。災害対応、地域との防災協定、現場の停電対策、車両更新の判断材料として押さえておきたい内容です。

発表日

令和8年8月4日

発表者

国土交通省、経済産業省

改定された資料

災害時における電動車から医療機器への給電活用マニュアル

対象となる電動車

EV、FCV、PHEV、HEVなど

主な給電対象

人工呼吸器、酸素濃縮器、吸引器など

建設業が見るべき観点

BCP、非常用電源、車両更新、防災協定、地域貢献

1週間で 16件の相談 がありました

  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
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今回のポイントは「電動車を移動式電源として使う」前提が進んでいることです

今回の発表では、電動車から医療機器へ給電する際の注意事項が整理されています。

対象となる給電方法は、主に次のようなものです。

  • 車室内の100V電源用コンセントから給電する方法
  • 充電端子に外部給電器を接続して給電する方法
  • 交換式バッテリーと専用給電器を使って給電する方法

建設業の実務に置き換えると、ここで重要なのは医療機器そのものよりも、国が電動車を災害時の電源インフラの一部として位置づけているという点です。

これまで車両は、人や資材を運ぶものとして考えられてきました。今後はそれに加えて、停電時に照明、通信機器、事務機器、一定の電動工具などへ電気を供給する役割も期待されます。

特に地域密着の建設会社は、災害時に道路啓開、応急復旧、避難所周辺の支援などで動く場面があります。そのとき、電源を持って動ける車両があるかどうかは、対応力の差になり得ます

すぐ確認したいのは、自社車両に外部給電機能があるかです

まず確認したいのは、自社で保有している電動車やハイブリッド車に、外部給電機能があるかどうかです。

マニュアルでは、電動車の外部給電方法として、100V電源用コンセント、外部給電器、固定型給電器などが紹介されています。車種や仕様によって、使える給電方法や出力は異なります。

中小建設業では、車両台帳に「車種」「年式」「リース期間」「用途」は記載していても、非常時に何Wまで給電できるか、どのコンセントが使えるかまで整理していない会社が多いはずです。

今回を機に、次の項目だけでも確認しておくと実務に役立ちます。

  • 100V電源用コンセントの有無
  • 外部給電機能の有無
  • 給電時の最大出力
  • 給電に必要な機器の有無
  • 車両のバッテリー・燃料残量と給電継続時間の考え方
  • 取扱説明書上の注意点

とくに車室内100Vコンセントからの給電では、マニュアル上、AC100Vで1500W以内という考え方が示されています。実際には車種や機器によって条件が異なるため、「使えるはず」ではなく、事前確認が必要です。

現場で使う機器にも「起動電力」の落とし穴があります

今回のマニュアルには、参考として電気製品の消費電力も掲載されています。建設会社に関係しやすいものでは、LED作業灯、LED投光器、ノートパソコン、電動ドリル、電動のこぎり、インパクトレンチ、電動丸ノコなどが挙げられています。

ここで注意したいのは、消費電力だけでなく、起動時に一時的に大きな電力が必要になる機器があることです。

たとえば、平常時の消費電力が給電可能範囲内に見えても、起動時の電力で給電が停止する可能性があります。これは医療機器に限らず、モーターを使う機器や一部の電気製品でも起こり得ます。

建設業の現場では、「小型だから大丈夫だろう」「短時間だけだから問題ないだろう」と判断しがちです。しかし非常時ほど、電源が止まると作業全体が止まります。

そのため、非常時に使いたい機器をリスト化し、実際に給電できる組み合わせを平時に確認することが大切です。

医療機器への給電は、建設会社が安易に判断する領域ではありません

今回のマニュアルは、人工呼吸器、酸素濃縮器、吸引器などへの給電を主な対象にしています。ただし、マニュアル自身も、医療機器は商用電源への接続を前提として設計されており、電動車からの給電では同じ安全・性能が保証されるわけではないとしています。

また、医師、医療関係者、本人、本人の親族等と相談のうえで使用することが示されています。

中小建設業としては、ここを誤解しないことが重要です。建設会社が独自判断で医療機器への給電可否を判断するべきではありません

一方で、災害時に自治体や地域から協力要請を受ける可能性はあります。その場合に備えて、会社としては次のような整理をしておくとよいでしょう。

  • 自社車両で給電できる容量・台数を把握する
  • 医療機器への直接給電は専門関係者の判断に従う
  • 協力できる範囲を自治体・地域団体と事前に確認する
  • 延長コード、コードリール、雨対策、輪留めなど周辺備品も確認する
  • 給電中の車両管理者を決めておく

ポイントは、「善意で何でもやる」ではなく、「安全に協力できる範囲を決める」ことです。

車両更新の基準に「非常用電源として使えるか」を加える時期です

今回の発表から読み取れる大きな流れは、電動車の価値が燃費や環境性能だけではなくなっていることです。

もちろん、建設会社にとって車両は仕事道具です。積載性、走行距離、耐久性、リース料、燃料費、整備性は引き続き重要です。

しかし今後はそこに、災害時に電源として使えるかという観点を加える必要があります。

特に次のような会社では、車両更新時に外部給電機能を確認する意味があります。

  • 自治体や地域と防災協定を結んでいる
  • 災害復旧工事や応急対応の可能性がある
  • 停電時にも事務所・倉庫・資材置場を動かしたい
  • 現場で照明や通信機器を確保したい
  • 社員や地域住民の安全確保に関わる役割がある

車両選定は、単なるコスト比較ではなくなっています。「平時の稼働率」と「非常時の機能」を合わせて見ることが、これからの車両管理です

中小建設業が今できる整理

今回のマニュアル改定を受けて、すぐに大きな投資をする必要はありません。まずは、今ある車両と備品を見える化するだけでも十分に意味があります。

具体的には、次の4点から始めるのが現実的です。

  1. 自社車両の給電機能を確認する

EV、PHEV、HEVなどに100Vコンセントや外部給電機能があるかを確認します。

  1. 非常時に使いたい機器を決める

LED照明、スマートフォン、ノートパソコン、無線機、投光器、最低限の工具など、優先順位をつけます。

  1. 給電可能な組み合わせを試す

消費電力と起動電力を踏まえ、実際に動作するかを平時に確認します。

  1. BCPや防災協定に反映する

どの車両を、誰が、どこで、何に使うのかを簡単に決めておきます。

災害対応は、立派な計画書だけでは動きません。車両、電源、備品、人の役割がつながっていることが重要です。

自社の防災力を、車両と電源から見直す

今回のニュースは、医療機器への給電マニュアルの改定です。ただ、中小建設業にとっては、災害時に自社がどのように地域と現場を支えるかを考える材料になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。BCPや車両管理も、単独の書類作成ではなく、現場運用・人員体制・資金計画とつなげて考えることが大切です。

「うちの車両で何ができるのか」「防災協定やBCPにどう落とし込めばよいのか」「車両更新の基準を見直したい」といった段階でも、整理の壁打ちは可能です。無理な営業はいたしませんので、必要な範囲でお気軽にご相談ください。

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