国土交通省は令和8年8月5日、天塩川水系、久慈川水系、那珂川水系の河川整備基本方針を変更したと発表しました。近年の水災害の頻発と、気候変動による将来の降雨量増大を踏まえ、治水計画を「過去の降雨実績に基づくもの」から「気候変動の影響を考慮したもの」へ見直す流れの一環です。
発表日 | 令和8年8月5日 |
対象水系 | 天塩川水系、久慈川水系、那珂川水系 |
変更された計画 | 河川整備基本方針 |
見直しの背景 | 水災害の頻発、気候変動による降雨量増大の予測 |
主な変更内容 | 基本高水の変更、河道配分流量・洪水調節流量の検討、流域治水の推進方向性の提示 |
中小建設業が見るべき点 | 今後の河川整備、防災・減災、流域治水関連工事の前提が変わること |
今回の発表は、すぐに個別工事の発注が決まったという話ではありません。ですが、建設業にとってはかなり重要です。河川整備基本方針は、長期的な河川整備の大きな方向を決める上位の計画だからです。ここが変わると、その後の河川整備計画、事業化、設計、用地、工事、維持管理へと、時間をかけて影響が及んでいきます。
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- 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
- 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
- 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
- 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
- 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
- 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
今回の変更は「気候変動を前提にした治水」への転換です
今回のポイントは、治水計画の前提が変わっていることです。
国土交通省は、これまでのように過去の降雨実績だけをもとに考えるのではなく、将来の気候変動による降雨量の増大を考慮した治水計画へ見直すとしています。
建設業の実務感覚で言えば、「これまでの雨を前提にした川づくり」から、「これから増える雨を前提にした川づくり」へ軸足を移すということです。
今回の河川整備基本方針変更では、主に次の内容が示されています。
- 長期的な河川整備の目標流量である基本高水を変更
- 河川で対応する流量である河道配分流量を検討
- 洪水を貯留する施設で対応する洪水調節流量を検討
- 基本高水を超える洪水や整備途上の被害を軽減するため、流域治水の取組を推進
ここで大事なのは、河川の中だけで水を処理する発想にとどまっていないことです。発表では、森林の整備・保全、霞堤の保全による遊水機能の確保、住宅の嵩上げ、輪中堤の整備、田んぼダムなども挙げられています。
つまり、これからの治水は「堤防・河道・ダム」だけでなく、流域全体の土地利用や地域整備まで含めた仕事になっていくということです。
水系ごとの主な変更点
今回対象となった3水系では、それぞれ基本高水のピーク流量などが見直されています。
水系 | 主な変更点 |
|---|---|
天塩川水系 | 基準地点誉平で基本高水のピーク流量を6,400m³/sから7,000m³/sへ変更。名寄大橋では3,300m³/sから4,400m³/sへ、真勲別では1,800m³/sから1,900m³/sへ変更。 |
久慈川水系 | 基準地点山方で基本高水のピーク流量を4,000m³/sから5,100m³/sへ変更。河道配分流量は5,100m³/sとされています。 |
那珂川水系 | 基準地点野口で基本高水のピーク流量を8,500m³/sから9,600m³/sへ変更。河道配分流量を7,400m³/s、洪水調節流量を2,200m³/sとしています。 |
いずれも、将来の洪水外力の増大を見込んだ見直しです。
また、各水系で共通しているのは、既存施設の有効活用、新たな貯留・遊水機能の確保、河川環境や河川利用、地域社会への影響を総合的に勘案している点です。
単純に川を深くする、広げる、堤防を高くする、という一方向の話ではありません。地域の土地利用、自然環境、既存施設、暮らしへの影響を見ながら、複数の手段を組み合わせる方向です。
中小建設業にとっての実務影響は「すぐの発注」より「仕事の前提変化」です
今回の発表だけを見て、「明日から工事が増える」と読むのは早計です。河川整備基本方針は長期計画であり、個別工事の発注情報ではありません。
ただし、中小建設業の経営者が見るべきなのは、もう少し手前の変化です。
今後、河川・治水・防災関連の公共工事では、気候変動対応と流域治水が標準的な前提になっていくということです。
たとえば、地域によっては次のような領域に関心が広がっていく可能性があります。
- 河道掘削、堤防整備などの河川工事
- 既存ダムや洪水調節施設の有効活用に関わる整備
- 遊水機能の確保に関わる土木工事
- 輪中堤や住宅嵩上げなど、地域防災に近い工事
- 森林の整備・保全、田んぼダムなど流域治水に関わる取組
- 内水被害軽減に関わる排水・雨水対策
特に地域密着の建設会社にとっては、国の直轄河川工事だけでなく、県、市町村、土地改良、農業・森林、防災まちづくりの動きまで含めて見ていく必要があります。
流域治水は、発注者の範囲も、関係者の範囲も広がりやすいテーマです。河川管理者だけで完結せず、自治体、農地、森林、住民、防災部局、まちづくり部局が関わります。中小建設業にとっては、地域の中で「水害に強いまちをどうつくるか」に関わる機会が増えていく可能性があります。
見るべき資料は「基本方針」だけで終わらせないことです
今回の発表では、河川整備基本方針の本文と、社会資本整備審議会での審議経過の掲載先も示されています。
ただ、経営判断としては、基本方針を読むだけでは十分ではありません。次に見るべきは、各地域で今後どのように具体化されるかです。
特に確認したいのは次の情報です。
- 対象水系の河川整備計画の見直し状況
- 国、地方整備局、県、市町村の事業予定
- 流域治水プロジェクトの更新内容
- 防災・減災、国土強靱化関連の予算や事業メニュー
- 自治体の立地適正化計画、防災集団移転、高台整備などの動き
今回のPDFでは、気候変動を踏まえた基本方針の見直しを行った水系が46水系、そのうち今回変更が3水系であることも示されています。全水系数は109水系とされ、審議中の水系もあります。
つまり、これは一部地域だけの特殊な話ではありません。全国的に、河川計画の前提が順次変わっている流れの中にある発表です。
自社の営業エリアに大きな河川がある会社は、今回の3水系に直接関係しなくても、同じ流れが自地域にも及ぶ可能性を見ておくべきです。
地域建設会社が今から整えておきたいこと
今回のような計画変更を、単なる行政資料として流してしまうのはもったいないです。中小建設業にとっては、数年先の仕事の地図を読む材料になります。
まず整えておきたいのは、自社が流域治水のどの領域に関われるかを棚卸しすることです。
たとえば、土工、護岸、排水、法面、舗装、構造物、森林整備、農地周辺工事、宅地造成、維持管理など、自社の得意工種と流域治水の接点を整理します。
次に、地域の発注者や元請との情報接点を増やすことです。河川整備は長期で動くため、基本方針、整備計画、測量設計、用地、施工、維持管理という流れがあります。いきなり工事公告だけを見るのではなく、計画段階から地域の方向性を把握しておくと、準備の質が変わります。
さらに、水害対応を前提にした安全管理・施工管理の力も重要になります。河川工事や水辺の工事は、出水期、仮設、濁水、近隣対応、環境配慮など、通常の土木工事とは違う神経を使う場面があります。経験者の知見を社内に残し、若手に引き継ぐことも経営課題です。
気候変動対応は、単に公共工事のテーマではありません。現場の安全、工程の組み方、災害時の応急対応、地域からの信頼にも直結します。
これからの地域建設会社は、「工事を請ける会社」であると同時に、「地域の水害リスクを下げる担い手」として見られていくはずです。
価格と人員の見通しにも影響します
流域治水関連の仕事が広がるとしても、会社としては冷静に見積もる必要があります。
河川・防災関連工事は、地域にとって意義の大きい仕事です。一方で、施工条件が厳しい場合もあります。出水リスク、仮設の制約、環境配慮、周辺住民への説明、工程変更への対応など、見えにくい負荷が出やすい領域でもあります。
だからこそ、「地域のためだから何とかする」だけで受けるのではなく、必要な人員、機械、協力会社、利益、リスクを見積に反映できる体制が必要です。
公共性の高い仕事ほど、継続して担える会社が必要です。継続するには、利益が必要です。利益を残すには、原価管理と工程管理が必要です。
今回のような計画変更を見たときは、「仕事が増えるかもしれない」だけでなく、「自社はその仕事を適正な体制と価格で担えるか」まで考えておきたいところです。
自社の地域では何を見るべきか、早めに整理しておきましょう
今回の発表は、天塩川、久慈川、那珂川の3水系に関するものです。ただし、背景にあるのは全国的な気候変動対応と流域治水の流れです。
地域の建設会社にとって大切なのは、国の資料を読んで終わることではありません。自社の営業エリアで、どの河川、どの自治体、どの発注者、どの工種に影響が出そうかを整理することです。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。流域治水や防災関連の動きについても、「うちの地域では何を見ればよいか」「自社の強みとどうつなげればよいか」「原価管理や人員体制をどう整えるか」といった段階から一緒に整理できます。
無理な営業はいたしませんので、まずはニュースを読んだ後の整理先として、必要なときにご相談ください。建設企業がものづくりに集中できるよう、持続的成長に向けた考え方づくりから伴走します。






























