国土交通省は、令和8年度の「流域治水オフィシャルサポーター」として、38の企業・団体等を新たに認定しました。
流域治水オフィシャルサポーター制度は、流域全体で治水対策に取り組む「流域治水」を広げるため、企業・団体等の取組を国土交通省が認定し、紹介する制度です。今回の新規認定により、令和8年5月22日時点の一覧では計186企業・団体等が掲載されています。
今回の発表で中小建設業が見るべき点は、単なる認定企業の一覧ではありません。建設業が、地域防災の担い手として自社の取組をどう言語化し、外へ伝えるかです。
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- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
何が起きたか
国土交通省は、流域治水を推進する企業等を「流域治水オフィシャルサポーター」として認定しています。
令和8年度は、新たに38企業・団体等が認定されました。発表では、既存サポーターの半分以上を建設業に携わる関係者、具体的には建設業者、建設関連業者、建材卸売業者等が占めているとされています。
今回の新規認定にも、建設会社、建設コンサルタント、コンクリート製品・水門・防災関連設備などに関わる企業が多く含まれています。また、新たに鉄道事業者等も賛同している点が示されています。
つまり、流域治水は行政や河川管理者だけの話ではなく、建設会社、資材会社、測量・設計会社、設備会社、地域企業まで含めた「地域インフラ経営」のテーマになっているということです。
サポーターに求められる取組は、特別な大企業向けだけではありません
発表資料では、サポーターの取組例として次のようなものが挙げられています。
- 企業・団体等のウェブサイト、SNS、広報誌、ポスター等への情報掲載
- 流域治水に関する広報資料の配付・掲示、アナウンス
- イベント、セミナー、学会、講座、研修等での紹介
- 貯留施設の設置など、自らが流域治水に資する取組を実施
- 上流地域と下流地域の連携を推進する取組
- 自治体等との防災協定の締結、避難所としての場所の提供等、防災活動への参加
ここで重要なのは、流域治水への関わり方が「大規模な河川工事」だけではないことです。
たとえば、自社サイトでの情報発信、工事現場での掲示、社内外の勉強会、地域イベントでの説明、防災協定、災害時の資機材提供、駐車場や社屋の一時的な活用なども、制度上の取組例に含まれています。
中小建設業にとっては、すでに行っている地域貢献や災害対応を、「流域治水」という国の政策文脈に接続して整理する余地があると見てよいです。
経営者が見るべきポイントは「受注」だけではなく「信頼の設計」です
この制度について、発表資料上、公共工事の入札評価に直接つながるとは示されていません。そこは慎重に見る必要があります。
一方で、建設業にとって水害対応力や地域防災への参加は、今後ますます会社の信用を左右します。豪雨災害が激甚化するなかで、地域の建設会社には、平時の施工力だけでなく、災害時に動ける会社か、地域とつながっている会社か、防災を説明できる会社かが問われやすくなります。
今回の認定企業の取組を見ると、方向性は大きく分けて三つあります。
一つ目は、広報・教育型です。自社ホームページ、SNS、名刺、ポスター、学校教育、イベント、研修などを通じて、流域治水を伝える取組です。
二つ目は、技術・製品型です。雨水貯留、田んぼダム、水位計、河川監視、予測システム、プレキャスト製品、水門・樋門関連技術など、自社の技術や製品を流域治水に位置づける取組です。
三つ目は、地域防災型です。自治体等との防災協定、災害時の調査・測量・復旧対応、避難場所の提供、電源や資機材の提供などです。
中小建設業が考えるべきことは、自社がこの三つのどこで地域に役立てるのかを明確にすることです。
まず社内で確認したいこと
今回の発表を受けて、すぐに大きな投資をする必要はありません。まずは、自社の現在地を確認することが現実的です。
確認したいのは、次のような点です。
- 自社が関わった河川、排水、道路、法面、造成、上下水道、防災関連工事を説明できるか
- 災害時に自治体や地域からどのような協力を求められる可能性があるか
- 防災協定や応急復旧対応の体制があるか
- 資機材、重機、駐車場、倉庫、社屋など、災害時に提供できるものがあるか
- 若手社員や採用候補者に、自社の地域防災上の役割を語れているか
- ホームページや会社案内で、地域防災・流域治水に関する実績を整理しているか
特に採用面では、建設業の仕事を「きつい仕事」としてではなく、地域を守る仕事として伝えられる会社は強くなります。流域治水は、その説明に使いやすい政策テーマです。
中小建設業にとっての示唆
今回のニュースは、認定された38企業・団体だけの話ではありません。
むしろ、建設業界全体に対して、国が「治水は行政だけでなく、流域のあらゆる関係者で進めるもの」というメッセージを重ねて出していることに意味があります。
地域建設会社は、災害時に最後の砦になることが多い存在です。しかし、その価値は、日頃から言葉にしておかないと伝わりません。
今後は、施工実績、災害対応、防災協定、地域清掃、現場での啓発、雨水対策、技術提案などを、ばらばらの活動としてではなく、「当社の流域治水への貢献」として束ねて発信することが重要になります。
国土交通省の特設ページでは、各サポーターの主な取組も紹介されています。自社と近い規模・業種・地域の事例を見れば、すぐに参考にできる取組もあるはずです。
流域治水は、公共政策であると同時に、地域建設会社が自社の存在意義を再定義する入口でもあります。まずは自社の防災貢献を棚卸しし、社内外に伝えられる形に整えることから始めたいところです。
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地域の未来を守る取り組みを、共に言葉にしていきませんか
記事の中でご紹介した通り、自社が持つ地域防災の価値を棚卸しし、伝わる形に整えることは、これからの企業経営において非常に重要なステップです。しかし、「何から手を付ければいいか分からない」「自社の強みを客観的に整理してほしい」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
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