国土交通省は、6月を「不正改造車を排除する運動」の強化月間として、全国で啓発活動や街頭検査を進めると発表しました。

不正改造は、国の安全・環境基準に適合しない状態にする行為です。発表では、事故や環境悪化につながる「犯罪行為」とされています。

建設業にとっても、これは他人事ではありません。現場には、トラック、ダンプ、ライトバン、作業用の車両が日々出入りします。車両は「移動手段」であると同時に、会社の安全管理そのものが表に出る存在です。

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今回、何が行われるのか

今回の発表では、主に3つの取組が示されています。

1つ目は、ポスター、チラシ、SNS等による啓発です。全国のバス事業者の協力により、バス車両前面への広報横断幕の掲示も行われます。

2つ目は、街頭検査です。警察機関、自動車技術総合機構、軽自動車検査協会等と連携し、全国各地で街頭検査が実施されます。違反車両には整備命令が発令されます。

3つ目は、情報提供窓口の活用です。運輸支局等に「不正改造車・迷惑黒煙情報提供窓口」が設置され、通報情報をもとに、不正改造車ユーザーへ改善・報告を求める仕組みです。

なお、強化月間は、各地方運輸局では6月、内閣府沖縄総合事務局では10月とされています。

建設会社が特に見ておきたいポイント

中小建設業でまず確認したいのは、自社車両が「知らないうちに基準不適合になっていないか」です。

「改造」と聞くと、派手な改造車を思い浮かべるかもしれません。けれど、現場車両ではもっと身近なところに注意点があります。

たとえば、発表資料では不正改造の例として、前面ガラスへの装飾板等の装着や、タイヤのはみ出しが挙げられています。

また、タイヤ等の不正改造や点検整備未実施が大きな事故につながることも周知対象になっています。現場では「少しぐらい大丈夫だろう」「次の点検で見ればいいだろう」と流れがちです。しかし、車両事故は一度起きると、被害者、運転者、会社、元請、現場全体に影響します。

6月は、車両の見た目だけでなく、タイヤ、黒煙、視界を妨げる装備、後付け部品の状態を確認するタイミングと考えるのがよさそうです。

「運転者任せ」にしないことが大切です

車両管理で難しいのは、日常点検が現場任せ、運転者任せになりやすいことです。

「この車、誰が最後に見た?」

「タイヤはいつ確認した?」

「後付けした部品は、基準に合っている?」

こうした確認が、忙しい朝の出発前に曖昧になりがちです。特に複数現場を回る会社では、車両が事務所に戻らない日もあります。責任者が現物を見る機会も少なくなります。

だからこそ、今回の強化月間は、車両管理のルールを社内で再確認するきっかけになります。

たとえば、次のような確認です。

  • 自社車両に不正改造にあたるおそれのある装備がないか
  • タイヤの状態や取付状態を定期的に確認しているか
  • 黒煙など、周囲から通報される可能性のある状態を放置していないか
  • 点検整備の記録が残っているか
  • 車両の異常を運転者が報告しやすい流れになっているか

大がかりな仕組みでなくても構いません。まずは、「誰が、いつ、何を見るか」を決めることが第一歩です。

安全管理は、採用や信用にもつながります

車両管理は、単なる法令遵守だけの話ではありません。

きれいに管理された車両は、現場で目立ちます。逆に、タイヤが不安そうな車両、黒煙が目立つ車両、視界を遮るような装備がある車両も、すぐに見られています。

元請、近隣住民、通行人、そして入社を考える若い人たちも見ています。

車両の状態は、会社の安全文化を映す鏡です。

「うちは安全にうるさい会社です」と言葉で伝えるより、毎朝出ていく車両が整っていることのほうが、ずっと説得力を持つ場面があります。

今回の国交省の発表は、自動車行政のニュースです。けれど、中小建設業にとっては、現場の安全、会社の信用、社員を守る仕組みを見直すニュースとして受け止めたいところです。

まずは6月中に自社車両を一度見てみる

今回の強化月間に合わせて、まずは6月中に自社車両を一度確認してみるのが現実的です。

特別な会議を開かなくても、朝礼後に10分だけ車両を見る。車両ごとに担当者を決める。気になる装備やタイヤの状態を写真で共有する。そうした小さな取組でも、事故を防ぐ入口になります。

大切なのは、「車検に通っているから大丈夫」で止めないことです。日々の使用で状態は変わります。現場で使う車両ほど、傷みも早くなります。

6月の強化月間を、叱られるための月ではなく、自社の安全管理を一段整える月として使っていきたいですね。

自社の車両管理をどう整えるか考える機会に

車両管理は、安全、労務、原価、信用が重なるテーマです。点検表を作るだけでは続かないこともあります。誰が見るのか。どこまで記録するのか。現場の負担を増やしすぎず、どう運用するのか。ここで悩む会社も多いと思います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両管理や安全管理も、会社の持続的成長を支える大切な土台です。

「うちの場合は、まず何から確認すればよいか」「点検や報告の仕組みを現場に合う形にしたい」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、考えを整理する場として必要なときにご相談ください。

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