中小機構の「デジタル化・AI導入補助金2026」について、インボイス枠(インボイス対応類型)の3次締切分が公表されています。インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトウェア等の導入を支援する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型) |
対象 | 中小企業・小規模事業者等 |
申請期限 | 2026年7月21日(火)17:00 |
交付申請期間 | 2026年3月30日(月)~ |
補助対象 | インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済の機能を1種類以上有するソフトウェア等 |
補助額 | ITツール:下限なし~350万円、PC・タブレット等:~10万円、レジ・券売機:~20万円 |
補助率 | ITツール:3/4以内、4/5以内、2/3以内。ハードウェア:1/2以内 |
3次締切分の交付決定予定日 | 2026年9月2日(水)予定 |
事業実施期間 | 交付決定~2027年2月26日(金)17:00予定 |
実績報告期限 | 2027年2月26日(金)17:00予定 |
建設企業がまず確認すべき対象要件
この補助金は、インボイス制度への対応と生産性向上を目的に、登録されたITツールを導入する中小企業・小規模事業者等を支援するものです。
建設業の場合、中小企業等の定義は、資本金の額または出資の総額が3億円以下、または常時使用する従業員数が300人以下の会社および個人事業主です。
小規模事業者に該当するかどうかも重要です。小規模事業者は、補助額50万円以下の部分について補助率が4/5以内になります。建設業は「製造業その他」に含まれるため、小規模事業者の定義では、常時使用する従業員数20人以下かどうかを確認します。
ただし、対象要件は規模だけではありません。主な確認点は次のとおりです。
- 日本国内で事業を営み、国内に本社および補助事業の実施場所を有すること
- 交付申請の直近月において、事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
- GビズIDプライムを取得していること
- IPAのSECURITY ACTION「一つ星」または「二つ星」を宣言していること
- 国や中小機構、その他独立行政法人の他の補助金等と重複する事業ではないこと
- IT導入支援事業者と確認しながら申請・実績報告・効果報告を行うこと
また、IT導入補助金2022からIT導入補助金2025までの間に交付決定を受けた事業者には、賃上げを含む3年間の事業計画策定・実行が求められる場合があります。過去にIT導入補助金を使ったことがある会社は、ここを必ず確認してください。
1週間で 17件の相談 がありました
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補助対象になる経費
補助対象は、インボイス制度に対応し、かつ「会計」「受発注」「決済」のうち1種類以上の機能を有するソフトウェアが中心です。
対象となる主な経費は次のとおりです。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用費(最大2年分)
- 機能拡張
- データ連携ツール
- セキュリティ
- 導入コンサルティング・活用コンサルティング
- 導入設定・マニュアル作成・導入研修
- 保守サポート
- PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機
- POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機
ハードウェアだけの申請はできません。ハードウェアを補助対象にする場合は、補助対象となるソフトウェアの使用に資するものである必要があります。
また、補助対象となるITツールは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたものです。自社で自由に選んだソフトや機器がすべて対象になるわけではありません。
補助額と補助率の見方
ITツールの補助額は、導入するソフトウェアの機能数によって変わります。
区分 | 機能要件 | 補助額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
ソフトウェア購入費・導入関連費 | 会計・受発注・決済のうち1機能以上 | ~50万円 | 3/4以内。小規模事業者は4/5以内 |
ソフトウェア購入費・導入関連費 | 会計・受発注・決済のうち2機能以上 | ~350万円 | 50万円以下部分は3/4以内。小規模事業者は4/5以内。50万円超部分は2/3以内 |
PC・タブレット等 | ITツールの使用に資するもの | ~10万円 | 1/2以内 |
レジ・券売機 | ITツールの使用に資するもの | ~20万円 | 1/2以内 |
ここで大事なのは、「1機能か、2機能以上か」です。会計だけなのか、会計と受発注をあわせて導入するのかで、補助上限が変わります。
建設企業では、まず自社が導入したいITツールが、会計・受発注・決済のどの機能に該当するのかを確認してください。そのうえで、IT導入支援事業者に、登録済みITツールかどうか、補助対象経費に含められる範囲はどこまでかを確認する流れになります。
申請前に整えるもの
交付申請には、申請マイページを使います。申請者とIT導入支援事業者が共同で進める仕組みです。
公募要領では、法人の場合、交付申請に必要な書類として次の3種類が示されています。
- 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内)
- 税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」または「その2」)
- 直近分の貸借対照表および損益計算書
個人事業主の場合は、本人確認書類、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書が必要です。
加えて、申請にはGビズIDプライムが必要です。公募要領では、GビズIDプライムの発行までの期間はおおむね2週間とされています。締切直前に準備を始めると、申請作業が間に合わない可能性があります。
交付決定前の契約・発注・支払いは避ける
この補助金では、交付決定前にITツールを契約、発注した場合は補助対象になりません。
補助事業の実施は、次の流れで進みます。
- ITツールの契約・発注
- ITツールの納品・導入
- ITツール代金の請求・支払い
- 実績報告
- 補助金額の確定、補助金交付
契約・発注は、必ず交付決定後です。ここを誤ると、せっかく採択されても補助金を受けられない場合があります。
支払方法にも注意が必要です。支払いは原則として、銀行振込またはクレジットカード1回払いです。法人の場合は、法人名義の口座からの支払いなど、証憑で確認できる形にする必要があります。
3次締切分の実務上の動き方
3次締切は2026年7月21日(火)17:00です。建設企業が検討する場合は、次の順番で進めるのが現実的です。
- 自社の規模要件を確認する
- GビズIDプライムの取得状況を確認する
- SECURITY ACTIONの宣言状況を確認する
- インボイス対応で見直したい業務を、会計・受発注・決済のどれに該当するか整理する
- IT導入支援事業者と、登録済みITツール・補助対象経費・見積内容を確認する
- 交付申請に必要な書類をそろえる
- 交付決定後に契約・発注・導入・支払いを進める
特に、補助金のためだけにツールを選ぶと、導入後の運用が重くなります。大切なのは、インボイス対応と日常業務の効率化を同時に進められるかです。
活用可能性を落ち着いて確認する
この補助金は、会計・受発注・決済まわりのデジタル化を進めたい会社にとって、検討価値があります。一方で、対象ツール、申請要件、交付決定後の契約順序、実績報告、効果報告まで確認すべき点は少なくありません。
自社が対象になるか、どの業務から見直すべきか、申請前に整理したい場合は、制度内容と現在の業務フローを照らし合わせて確認しておくと安心です。無理な営業はいたしませんので、必要な範囲で状況をお聞かせください。