宮城県は、物価高騰や中東情勢、令和7年米国の関税措置の影響を受ける中小企業・小規模事業者等に向けて、「令和8年度(令和7年度12月補正)宮城県中小企業等再起支援事業補助金」追加募集を公表しました。

項目

内容

制度名

令和8年度(令和7年度12月補正)宮城県中小企業等再起支援事業補助金

実施機関

宮城県

申請受付期間

2026年6月26日(金)〜2026年7月27日(月)

対象者

宮城県内に本店または住所を有する中小企業・小規模事業者等。個人事業主、収益事業を行うNPO法人を含む

対象となる取組

販路開拓、生産性向上、新商品・新役務の展開、売上原価の抑制、キャッシュレス化・新紙幣対応、人材確保

補助率・上限額

通常枠:3分の2以内・上限100万円。賃上げ加算枠/中東情勢影響加算枠:5分の4以内・上限120万円

補助下限額

10万円

対象経費

広報費、展示会等出展費、開発費、機械装置等費、外注費

事業実施期間

令和8年4月1日以降に発注され、令和8年11月30日までに納品、設置、支払い等が完了する取組

申請方法

原則、専用フォームによる電子申請。電子申請が困難な場合は郵送も可

まず確認すべき対象要件

この補助金は、単に設備を買うための制度ではありません。前提として、物価高騰等の影響を受け、売上高等が減少していることが求められます。

主な確認ポイントは次のとおりです。

  • 宮城県内に本店または住所があるか
  • 中小企業・小規模事業者等に該当するか
  • 県税に未納がないか
  • エネルギー価格等の物価高騰、または令和7年米国の関税措置の影響を受けているか
  • 営業利益率または売上高の減少要件を満たすか
  • 補助対象となる取組について、経営計画を策定できるか

売上高の減少で見る場合は、令和7年4月以降の任意の1か月の売上高について、令和4年1月から令和6年12月までの任意の同月比で30%以上減少していることが要件とされています。

営業利益率で見る場合は、法人と個人事業主で確認方法が異なります。法人は申請日以前の直近決算期の営業利益率が対前期比で減少していること、個人事業主は令和7年分の営業利益率が前年比で減少していることが基本です。営業利益率が減少していない場合でも、2期連続でマイナスであれば対象となる扱いがあります。

1週間で 17件の相談 がありました

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建設企業が見落としやすいポイント

建設企業の場合、資材費、燃料費、外注費、人材確保などの負担が経営に直結します。ただし、この補助金では、補助対象となる取組と経費の関係を明確にする必要があります。

たとえば、対象となる取組には生産性向上、売上原価の抑制、人材確保が含まれます。PDFの費目説明では、機械装置等費の対象例として、販促活動に役立てる顧客管理ソフトや、精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフトなども示されています。

一方で、注意すべき除外項目もあります。

  • 単なる取替更新で、新たな販路開拓等につながらない機械装置等は対象外
  • 汎用性があるパソコン、事務用プリンター、タブレット端末等は対象外例に含まれる
  • 単なる修繕は対象外
  • 店舗改装等における自社施工の場合の原材料費は対象外
  • 不動産の購入・取得費、登記費用、修理費、車検費用は対象外
  • 人件費、家賃、運転資金、公租公課、消耗品費などは対象外

建設企業にとって特に重要なのは、自社で施工すれば材料費も補助対象になる、とは限らない点です。制度上、店舗リニューアル等に関して「自社施工の場合の原材料費等」は除かれる記載があります。自社の社屋、店舗、営業所、採用広報、業務効率化などに関する取組を検討する場合も、対象経費の区分と除外項目を先に確認する必要があります。

3つの申請枠と補助上限

申請枠は、次の3つです。併用はできず、いずれか1つで申請します。

申請枠

補助率

補助上限額

通常枠

3分の2以内

100万円

賃上げ加算枠

5分の4以内

120万円

中東情勢影響加算枠

5分の4以内

120万円

賃上げ加算枠は、常時使用する従業員の平均賃金を、2025年9月比で3.5%以上引き上げることが要件です。実施済みの場合と実施予定の場合で、提出書類の扱いが異なります。

中東情勢影響加算枠は、中東情勢の影響に起因して、主要な原材料等の仕入が困難であること、または仕入価格が一定期間との比較で令和8年4月以降に20%以上上昇していることが要件です。

どの枠を選ぶかは、補助率だけで決めるべきではありません。賃金台帳、仕入価格の請求書・領収書、仕入困難を示す通知など、要件を証明できる書類を用意できるかが判断の中心になります。

申請前に準備したい書類と段取り

申請は原則として、申請受付開始日に公開予定の専用フォームから行います。電子申請が困難な事情がある場合は、郵送申請も受け付けるとされています。

発表元ページでは、必要書類として、補助対象経費として取得する物品等の金額が分かる見積書県税に未納がないことを証する納税証明書などが挙げられています。

実務上は、次の順で確認すると進めやすくなります。

  1. 売上高または営業利益率の減少要件を確認する
  2. 実施したい取組が、6つの補助対象事業のどれに当たるか整理する
  3. 経費が広報費、展示会等出展費、開発費、機械装置等費、外注費のどれに当たるか確認する
  4. 対象外経費に該当しないか確認する
  5. 見積書、納税証明書、賃金台帳、仕入価格資料などを準備する
  6. 通常枠、賃上げ加算枠、中東情勢影響加算枠のいずれで申請するか決める

また、補助対象事業は、令和8年4月1日以降に発注され、令和8年11月30日までに納品、設置、支払い等が完了する取組とされています。やむを得ず交付決定前に事業へ着手する場合は、事前に「交付決定前着手届」の提出が必要です。

交付決定前に進める場合でも、補助金が交付されない可能性は残ります。契約、発注、支払いのタイミングは慎重に管理してください。

採択に関する考え方

交付要綱では、補助金の交付が適当と認められる事業者数が予算の上限を超える場合、優先採択基準に基づいて交付決定するとされています。

優先採択では、令和2年度以降の本補助金の交付実績に応じて、交付回数が少ない者を優先することが示されています。また、同一順位内で採択枠を上回る場合には、パートナーシップ構築宣言の公表状況や営業利益額なども基準として挙げられています。

したがって、申請すれば必ず交付される制度ではありません。自社の取組が、物価高騰等からの再起にどうつながるのかを、事業計画の中で整理することが重要です。

自社で使える可能性を確認する

この補助金は、建設企業にとっても、価格高騰下での経営改善、人材確保、生産性向上を考えるきっかけになります。ただし、対象要件、対象経費、除外経費の確認を誤ると、準備した取組が補助対象にならない可能性があります。

まずは、売上高や営業利益率の減少要件、実施予定の取組、見積書の内容を整理することから始めてください。自社の計画が制度に合うか確認したい場合は、無理な営業はいたしませんので、必要な範囲で状況を整理しながらご相談いただけます。

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