独立行政法人中小企業基盤整備機構は、「デジタル化・AI導入補助金2026」通常枠の3次締切分について案内しています。中小企業・小規模事業者等が、自社の課題に合ったITツールを導入する際の経費を支援する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」 |
対象 | 中小企業・小規模事業者等 |
建設業の規模要件 | 資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下の会社・個人事業主 |
補助額 | 5万円以上450万円以下 |
補助率 | 1/2以内。一定の最低賃金近傍事業者は2/3以内 |
対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費、導入関連費など |
3次締切 | 2026年7月21日(火)17:00 |
交付決定予定 | 2026年9月2日(水) |
事業実施期間 | 交付決定後から2027年2月26日(金)17:00までの予定 |
申請方法 | IT導入支援事業者と連携し、申請マイページから申請 |
建設会社がまず確認すべき対象条件
この通常枠は、ITツール導入による労働生産性の向上を目的とする補助金です。
建設業の場合、まず自社が中小企業等の定義に入るかを確認します。公募要領では、建設業は資本金の額または出資総額が3億円以下、または常時使用する従業員数が300人以下の会社・個人事業主が対象に含まれます。
あわせて、次の要件も確認が必要です。
- 日本国内で事業を営み、本社と補助事業の実施場所が日本国内にあること
- 交付申請の直近月における事業場内最低賃金が、地域別最低賃金以上であること
- GビズIDプライムを取得していること
- IPAのSECURITY ACTION「一つ星」または「二つ星」を宣言していること
- 労働生産性を向上させる3年間の事業計画を策定・実行すること
- 国や中小機構などの他の補助金と、同じ事業で重複していないこと
労働生産性の計算式は、「営業利益+人件費+減価償却費」÷年間の事業者当たり総労働時間です。現場管理、事務、経理、営業管理のどこで時間を削減できるかを、数字で説明できる状態にしておく必要があります。
1週間で 17件の相談 がありました
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
補助額はプロセス数で変わる
通常枠では、導入するITツールが持つ業務プロセス数により、補助額の区分が分かれます。
補助金申請額 | 必要なプロセス数 | 補助率 |
|---|---|---|
5万円以上150万円未満 | 1プロセス以上 | 1/2以内。一定要件で2/3以内 |
150万円以上450万円以下 | 4プロセス以上 | 1/2以内。一定要件で2/3以内 |
150万円以上で申請する場合は、4プロセス以上が必要です。また、賃上げに関する要件も必須になります。
公募要領では、150万円以上の補助金を申請する場合、原則として次の計画が求められます。
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3%以上とすること
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
- 交付申請時点で、賃金引上げ計画を従業員に表明していること
過去にIT導入補助金2022からIT導入補助金2025までの間に交付決定を受けた事業者は、賃上げ要件が異なる場合があります。該当する会社は、公募要領の該当箇所を必ず確認してください。
建設業で対象になり得るITツール
公募要領の業種・プロセス一覧では、建設・土木業の業種固有プロセスとして、次のような機能例が示されています。
- 点群データ解析
- 点群データ処理
- CAD
- 積算、拾い出し、見積
- 出来形管理、総括表、電子小黒板
- 図面管理
- 工程管理、品質管理、写真管理、工事台帳
- 施工管理
- 安全衛生管理
- BIM/CIM対応
- 省エネ性能の分析・評価
- 建築確認申請書等法令提出
- 電子納品対応
現場では、紙の図面、写真台帳、日報、実行予算、工程表、見積書、グリーンファイルなどが分散しがちです。補助金申請では、単に「便利そうだから導入する」では足りません。どの業務プロセスを改善し、労働生産性をどう高めるかを整理することが重要です。
汎用プロセスのみを持つITツールは、単独では交付申請できません。文書作成、表計算、チャット、オンラインストレージ、RPAなどの汎用ツールを導入する場合も、業務プロセスを持つソフトウェアと組み合わせる必要があります。
対象経費と注意点
補助対象となるのは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールの導入費用です。
対象経費には、主に次のものがあります。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用費(最大2年分)
- 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティなどのオプション
- 導入コンサルティング、活用コンサルティング
- 導入設定、マニュアル作成、導入研修
- 保守サポート
一方で、交付決定前に契約・発注・納品・支払いをしたITツールは対象外です。これは特に注意が必要です。現場で先に使い始めてしまうと、補助対象にならない場合があります。
支払い方法も限定されています。原則として、銀行振込またはクレジットカード1回払いです。現金払いなど、要件に合わない支払いをすると補助金を受けられない可能性があります。
申請までに進める実務
3次締切は2026年7月21日(火)17:00です。申請は、IT導入支援事業者と連携して進めます。
建設会社の管理部門・経営者は、次の順で確認すると進めやすくなります。
- 自社の規模要件を確認する
- GビズIDプライムを取得する
- SECURITY ACTIONを宣言する
- 改善したい業務を整理する
- 登録済みIT導入支援事業者とITツールを選定する
- 労働生産性向上の3年間の事業計画を作る
- 150万円以上で申請する場合は、賃上げ要件を確認する
- 交付決定前に契約・発注・支払いをしないよう社内で共有する
法人の場合、申請には履歴事項全部証明書、法人税の納税証明書、直近分の貸借対照表・損益計算書などが必要です。個人事業主の場合は、本人確認書類、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書などが必要です。
自社で使えるかを整理する
この補助金は、施工管理システムや積算、図面管理、写真管理、安全衛生管理など、建設会社の日常業務と接点が多い制度です。ただし、採択には、自社の課題と導入するITツールの機能が合っていることが求められます。
まずは、いま時間がかかっている業務を洗い出してください。次に、削減できる作業時間、転記ミス、確認待ち、書類作成の負担を整理します。そのうえで、補助対象となるITツールに当てはめるのが現実的です。
制度の活用可能性や、申請前に整理すべき業務課題を確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしません。自社で申請を進めるべきか、まず課題整理から始めるべきかを一緒に確認できます。