独立行政法人中小企業基盤整備機構の「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(電子取引類型)」について、3次締切分の申請期限が公表されています。発注側の事業者が、インボイス制度に対応した受発注ソフトを導入し、受注側の中小企業・小規模事業者等に無償でアカウントを供与する場合に、クラウド利用費の一部が補助される制度です。

項目

内容

制度名

デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(電子取引類型)3次締切分

実施機関

独立行政法人中小企業基盤整備機構

対象

中小企業・小規模事業者等、およびその他の事業者等。中小企業・小規模事業者等と受発注取引を行い、発注側として対象ITツールを導入する事業者が対象です。

補助対象

インボイス制度に対応した「受発注」機能を有し、受注側にアカウントを無償発行できるクラウド型ソフトウェア

補助対象経費

クラウド利用費。クラウド利用料は最大2年分が対象です。

補助率

中小企業・小規模事業者等:2/3以内、その他の事業者等:1/2以内

補助額

下限なし〜350万円以下

交付申請期間

2026年3月30日〜

3次締切

2026年7月21日(火)17:00

交付決定予定

2026年9月2日(水)予定

事業実施期間

交付決定〜2027年2月26日(金)17:00予定

実績報告期限

2027年2月26日(金)17:00予定

建設企業がまず確認すべき対象条件

この制度は、単に自社の会計ソフトや請求書発行ソフトを入れる補助金ではありません。ポイントは、自社が発注側となり、受注側の中小企業・小規模事業者等に受発注ソフトのアカウントを無償で使わせる仕組みであることです。

建設企業であれば、まず次の点を確認してください。

1. 自社が「発注側」としてITツールを導入するか

申請者は、取引関係における発注者である必要があります。自社の費用負担で、インボイス制度対応の受発注ソフトを導入し、受注側にアカウントを無償で発行する形です。

そのため、確認すべきことは「自社だけが便利になるツールか」ではありません。受注側の取引先も同じ受発注ソフトを使える形にできるかです。

2. 受注側に中小企業・小規模事業者等が1社以上含まれるか

交付規程では、アカウントを無償で発行される受注側に、1社以上の中小企業・小規模事業者等が含まれていることが必要とされています。

建設業の中小企業等の定義は、次のいずれかに該当する会社または個人事業主です。

  • 資本金の額または出資の総額が3億円以下
  • 常時使用する従業員数が300人以下

また、取引先である中小企業・小規模事業者等については、インボイス制度における適格請求書発行事業者の登録を受けていることも申請要件に含まれています。

3. 補助対象経費はアカウント数で按分される

補助対象経費は、契約したクラウド利用費の全額がそのまま対象になるとは限りません。公募要領では、次の考え方で算出されます。

ITツールの導入費用(クラウド利用費) × 受注側の中小企業・小規模事業者等が利用するアカウント数 ÷ 契約する受注側アカウント総数

つまり、受注側アカウントのうち、中小企業・小規模事業者等に供与するアカウントの割合が重要です。申請前に、誰に何アカウントを無償供与するのかを整理しておく必要があります。

4. 対象ITツールは「登録された1つのソフトウェア」

この類型で対象となるのは、事務局に登録されたITツールです。要件として、インボイス制度に対応した受発注機能を有し、受注側の利用者にアカウントを無償で発行できるクラウド型ソフトウェアである必要があります。

また、公募要領では、交付申請時のITツールについて、申請するITツールはソフトウェア1つのみとされています。複数のITツールを組み合わせて申請する前提ではありません。

1週間で 17件の相談 がありました

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申請前に見落としやすい注意点

この補助金は、申請要件と実績報告の確認が細かい制度です。特に次の点は、社内で先に確認してください。

  • GビズIDプライムを取得していること
  • IPAのSECURITY ACTION「一つ星」または「二つ星」を宣言していること
  • 交付申請の直近月において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であること
  • 国・中小機構・その他独立行政法人の他の補助金等と重複する事業でないこと
  • 取引先から、本事業に申請する旨の同意を得ること
  • 交付決定前に契約、発注、納品、支払いをしないこと
  • 支払いは原則として、銀行振込またはクレジットカード1回払いで行うこと

過去のIT導入補助金の交付決定状況によっては、対象外や減点、賃金引上げ計画の要件に関係する場合があります。特に、IT導入補助金2022から2025までの交付決定を受けている企業は、公募要領の対象外要件・申請要件を必ず確認してください。

次に進める実務手順

3次締切は2026年7月21日17時です。申請を検討する場合は、制度を読むだけでなく、次の順で実務を進めるのが現実的です。

  1. 自社が発注側となる受発注取引を洗い出す
  2. アカウントを無償供与する取引先を整理する
  3. 取引先が中小企業・小規模事業者等に該当するか確認する
  4. 取引先が適格請求書発行事業者か確認する
  5. IT導入支援事業者と対象ITツールを選定する
  6. GビズIDプライム、SECURITY ACTION、必要書類を準備する
  7. 申請マイページから交付申請を行う

交付申請に必要な書類には、申請者自身の書類だけでなく、アカウントを供与する取引先ごとの書類も含まれます。法人の取引先であれば履歴事項全部証明書や法人税の納税証明書、個人事業主の取引先であれば本人確認書類や所得税の納税証明書、確定申告書の控えなどが必要です。

採択後も「導入して終わり」ではない

交付決定後は、ITツールの契約、導入、支払い、実績報告を期限内に進める必要があります。3次締切分では、事業実施期間と実績報告期限が2027年2月26日17時予定とされています。

さらに、事業終了後には、インボイス制度への対応状況やITツールを継続的に活用していることを証する書類等を、効果報告期間内に報告する必要があります。補助金を受ける以上、導入後の運用と証憑管理まで含めて計画することが大切です。

自社の受発注デジタル化に合うか整理しておきましょう

この補助金は、協力会社や取引先との受発注をデジタル化し、インボイス対応もあわせて進める企業には検討価値があります。一方で、対象経費の按分、取引先書類、交付決定前の契約禁止、効果報告など、確認すべき点も少なくありません。

自社の取引構造で使える可能性があるか、申請前に一度整理しておくことをおすすめします。無理な営業はいたしませんので、制度の活用可能性や準備事項を確認したい場合は、必要な範囲でご相談ください。

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