国土交通省は、令和8年8月の「建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)」の結果を公表しました。大手50社の受注総額は1兆4,388億円で、前年同月比3.6%減。2か月連続の減少です。特に民間工事は1兆1,072億円、前年同月比10.6%減となり、6か月連続で減少しました。一方、公共工事は2,747億円、前年同月比46.3%増と大きく伸びています。

公表日

令和8年9月30日

対象月

令和8年8月

調査名

建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)

受注総額

1兆4,388億円

受注総額の前年同月比

3.6%減、2か月連続の減少

民間工事

1兆1,072億円、前年同月比10.6%減、6か月連続の減少

公共工事

2,747億円、前年同月比46.3%増

海外工事

91億円、前年同月比69.1%減、6か月連続の減少

1週間で 19件の相談 がありました

  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
  • 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
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今回の数字は「大手の話」で終わらせない方がいいです

今回の調査は、大手50社を対象にしたものです。中小建設会社の受注状況そのものを表す統計ではありません。

ただし、見逃せない点があります。

大手の受注は、民間設備投資、大型開発、公共投資の流れを映しやすいです。そこから数か月遅れて、専門工事、協力会社、地域工事会社の仕事量に影響が出ることがあります。

特に今回は、民間工事が6か月連続で減少しています。

「最近、民間の見積依頼が少し鈍い」 「大型案件の着工時期が読みにくい」 「元請からの声かけはあるが、確度が見えない」

そんな感覚がある会社にとっては、今回の数字は現場感覚を確認する材料になります。

大手50社の統計は、自社の受注予測を少し早めに見直すためのサインとして使うのが現実的です。

民間工事は、不動産・運輸郵便・情報通信が減少しています

民間工事は、前年同月比10.6%減でした。

発注者別では、減少した主な業種として次が挙げられています。

  • 不動産業
  • 運輸業,郵便業
  • 情報通信業

工事種類別では、建築が減少し、土木が増加しました。建築では、事務所庁舎、倉庫・流通施設、教育・研究・文化施設などが減少しています。

これは、中小建設業にとってかなり具体的なヒントです。

たとえば、内装、電気、空調、給排水、鉄骨、外装、建具、仕上げなど、民間建築に関わる会社は、今後の見積案件の質を丁寧に見た方がよさそうです。

単に「案件数があるか」だけでは足りません。

見るべきは、次のような点です。

  • 見積後に発注が止まっていないか
  • 着工時期が後ろ倒しになっていないか
  • 予算調整の依頼が増えていないか
  • 仕様変更やVE要請が増えていないか
  • 元請側の受注確度が下がっていないか

民間建築の需要が弱含む局面では、「忙しそうに見えるけれど、利益が残りにくい案件」が増えることがあります。

仕事量だけでなく、粗利・支払条件・工程の読みやすさをセットで確認することが大切です。

一方で、製造業や工場・発電所は増加しています

民間工事全体は減少しましたが、すべてが悪いわけではありません。

製造業は前年同月比37.6%増でした。工事種類別でも、工場・発電所、宿泊施設、土木その他などは増加しています。

つまり、民間の中でも濃淡があります。

不動産や物流・倉庫系が弱く見える一方で、製造業関連、工場、発電所、宿泊施設では動きがあります。

ここは、営業戦略の見直しどころです。

「うちは民間建築が中心だから厳しい」と一括りにするのではなく、どの発注者業種に近い仕事をしているかを分けて見る必要があります。

たとえば、同じ設備工事でも、商業施設中心なのか、工場中心なのかで見通しは変わります。同じ土木でも、宅地造成なのか、工場関連なのか、公共インフラなのかで動きは違います。

自社の売上を、元請名だけでなく、最終発注者の業種別に見直すことが有効です。

公共工事は46.3%増。追い風に見えるが、地域差には注意です

公共工事は、前年同月比46.3%増となりました。先月の減少から再び増加しています。

内訳では、国の機関が35.4%増、地方の機関が65.2%増です。工事種類別では、建築、土木ともに増加しました。

公共工事を受けている会社にとっては、明るい材料です。

ただし、この数字をそのまま「自社エリアでも公共工事が増える」と読むのは少し早いです。今回の統計は大手50社調査です。地域の中小建設会社が入札する市区町村工事、県工事、維持修繕工事の動きとはズレることがあります。

むしろ見るべきは、次の確認です。

  • 自社が入れる等級・工種で発注が出ているか
  • 県・市区町村の発注見通しに変化があるか
  • 年度後半に工事が偏っていないか
  • 技術者配置が重なりすぎないか
  • 公共工事の増加で協力会社の手配が難しくならないか

公共工事が増える局面では、仕事は見えていても、人と協力会社が足りないことがあります。

また、公共工事は書類、配置技術者、施工体制、検査対応も重くなります。民間工事から公共工事へ急に軸足を移す場合は、社内の管理負担も見ておく必要があります。

公共工事の増加はチャンスですが、受注余力・技術者配置・書類対応力まで含めて判断したいところです。

中小建設業が今月確認したいこと

今回の統計から、中小建設業がすぐに確認できることは多くありません。けれど、経営会議や営業会議で見るべきポイントははっきりしています。

まず、自社の受注予定表を見直したいです。

今後3か月から6か月の案件について、次のように色分けすると見えやすくなります。

  • 発注確度が高い案件
  • 見積中だが未確定の案件
  • 着工時期がずれそうな案件
  • 金額交渉が長引いている案件
  • 受けても利益が薄い案件

次に、案件を工種別・発注者別に分けます。

民間建築が多いのか。公共土木が多いのか。工場関連が多いのか。不動産業向けが多いのか。元請だけでなく、その先の発注者を見ることが大事です。

そして最後に、人員配置です。

需要が減っているように見える分野で人を抱えすぎていないか。逆に、公共工事や工場関連で声がかかったときに、技術者や職長を出せるのか。

受注環境がまだら模様になる時期ほど、「売上を取りに行く力」と「利益を守る力」の両方が問われます。

価格と工程の交渉は、いつも以上に丁寧に進めたいです

民間工事が弱含むと、発注者側から価格調整の圧力が強まることがあります。

一方で、材料費、人件費、外注費、移動費、書類対応コストは簡単には下がりません。

ここで無理をすると、現場が苦しくなります。

「受注はできた。でも利益が残らない」 「工程が詰まりすぎて、職長に負担が寄る」 「追加変更があるのに、精算が曖昧なまま進む」

こうした状態は避けたいところです。

今回のように民間工事の減少が続く局面では、案件ごとに次の点を確認したいです。

  • 見積条件を書面で残す
  • 追加・変更工事の扱いを事前に確認する
  • 工程遅延時の負担を曖昧にしない
  • 外注先の単価を先に確認する
  • 赤字になりそうな案件を無理に取りに行かない

強く構える必要はありません。

ただ、丁寧に確認することです。言いにくいことを後回しにすると、最後に現場と管理部門が苦しくなります。

受注環境が変わる時期ほど、見積・契約・変更対応の基本が会社を守ります。

自社への影響を一緒に整理するという選択肢

今回の発表は、大手50社の統計です。だからこそ、そのまま自社に当てはめるのではなく、「うちの会社では何に影響するか」を整理することが大切です。

民間案件の見通し。公共工事への向き合い方。技術者配置。協力会社の確保。見積と原価管理。どれか一つだけではなく、つながって動きます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「ものづくりに集中できる建設業界へ」という考え方を大切にしながら、建設企業の持続的成長を支援しています。

「自社の場合は、民間減少をどう見ればいいか」 「公共工事を増やしたいが、体制面が不安」 「受注はあるのに利益が残りにくい」

そんな段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の壁打ちとしてお話しください。

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