国土交通省は、令和8年7月27日に「国土交通月例経済(令和8年7月号)」を公表しました。

建設分野では、2026年5月の建設工事受注、新設住宅着工、民間建築物の着工床面積などが示されています。中小建設業にとっては、景気の話というより、「次の受注をどこで取りに行くか」「今の単価で利益が残るか」「人をどこに張るか」を考える材料になります。

発表

国土交通月例経済(令和8年7月号)

公表日

令和8年7月27日

主な建設データ

2026年5月の受注・着工、2026年4月の建設工事費デフレーター等

建設工事の元請受注高

5兆7,059億円(前年同月比3.2%減)

公共機関からの受注高

1兆3,995億円(前年同月比3.3%増)

民間等からの受注高

4兆3,064億円(前年同月比5.1%減)

下請受注高

3兆7,848億円(前年同月比26.4%増)

新設住宅着工戸数

57,877戸(前年同月比33.9%増)

建設総合デフレーター

125.0ポイント(前年同月差4.9ポイント増)

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード

まず見るべきは「元請受注減、下請受注増」の同時進行です

2026年5月の建設工事の元請受注高は、5兆7,059億円で前年同月比3.2%減でした。

一方で、下請受注高は、3兆7,848億円で前年同月比26.4%増です。

ここは、中小建設業にとってかなり大事なポイントです。

「仕事はある」。

でも、「元請全体の受注が伸びている」という話ではありません。

統計上は、元請受注高が減るなかで、下請受注高が大きく増えている形です。

つまり、下請・専門工事会社では、現場の引き合いや稼働感が強くなっている会社もあるはずです。ただし、それがそのまま利益増につながるとは限りません。

見るべきは、受注量だけではありません。

単価、工期、人工、外注費、支払条件、追加変更の扱いです。

「忙しいのに、月末に資金が残らない」。

「現場は埋まっているのに、粗利が薄い」。

こういう状態になりやすい局面でもあります。

公共は増加、民間は減少。受注先の偏りを点検したい局面です

発注者別に見ると、公共機関からの受注高は、1兆3,995億円で前年同月比3.3%増でした。

一方、民間等からの受注高は、4兆3,064億円で前年同月比5.1%減です。

公共は増え、民間は減っています。

もちろん、1か月の統計だけで自社の方針を大きく変える必要はありません。地域や工種によっても状況は違います。

ただ、民間工事に大きく依存している会社は、案件の先行き、見積提出後の失注理由、価格交渉の感触を少し丁寧に見ておきたいところです。

反対に、公共工事に関わる会社は、受注機会だけでなく、人員を確保できるか、協力会社を押さえられるか、適正な原価で入札・見積できているかが重要になります。

「取れる案件」よりも、「取ってよい案件」を見極めることです。

これは、今後ますます大切になります。

住宅着工は大幅増。ただし非居住建築物は弱さも見えます

新設住宅着工戸数は、57,877戸で前年同月比33.9%増でした。

内訳を見ると、持家は15,708戸(31.8%増)、貸家は25,175戸(33.3%増)、分譲住宅は16,600戸(39.2%増)です。

住宅関連の会社にとっては、前向きな数字です。

住宅設備、内装、外構、電気、給排水、足場、塗装、防水など、関連する専門工事にも波及する可能性があります。

一方で、民間の非居住用建築物の着工床面積は、230万㎡で前年同月比31.2%減でした。

事務所は6.8%減、店舗は29.3%減、工場は39.0%減、倉庫は49.1%減です。

ここは分けて見た方がよいです。

住宅は強い。非住宅は用途によって弱い。

同じ「建築」でも、現場の流れは一枚岩ではありません。

住宅寄りの会社は、増えた案件を無理に受けすぎないことです。人が足りないまま受けると、品質・安全・利益のどこかにしわ寄せが出ます。

非住宅寄りの会社は、足元の案件だけでなく、3か月後、半年後の見積案件の厚みを確認したいところです。

工事費デフレーターは上昇。見積単価の放置が一番こわいです

2026年4月分の建設工事費デフレーターは、建設総合で125.0ポイント、前年同月差4.9ポイント増でした。

建築総合は125.0ポイント、前年同月差4.5ポイント増

土木総合は124.4ポイント、前年同月差5.2ポイント増です。

工事費の水準は、引き続き上がっています。

ここで大事なのは、統計の数字そのものよりも、自社の見積に反映できているかです。

材料費だけではありません。

燃料費、運搬費、外注費、労務費、現場管理にかかる時間。全部が原価です。

去年の単価表を少し直して使っているだけでは、利益が静かに削られる可能性があります。

特に、次のような会社は要注意です。

  • 見積単価を半年以上見直していない
  • 現場ごとの実行予算と実績原価の差を追えていない
  • 追加変更工事の請求が遅れがち
  • 「いつもの元請だから」と価格交渉を遠慮している
  • 忙しい現場ほど粗利が低い

原価が上がる局面では、値上げ交渉だけが答えではありません。

見積条件を明確にすること。追加変更のルールを決めること。現場別の粗利を早めに見ること。

この3つだけでも、経営の見え方は変わります。

中小建設業が今月確認したいこと

今回の月例経済から、中小建設業が確認したいことは大きく5つです。

1つ目は、受注残の中身です。

売上予定額だけでなく、粗利予定、工期、人員、外注比率まで見たいところです。

2つ目は、民間・公共・元請・下請のバランスです。

どこか一つに偏ること自体が悪いわけではありません。ただ、偏りを知らないまま走るのは危険です。

3つ目は、住宅系と非住宅系の案件動向の違いです。

同じ建築でも、住宅と店舗、工場、倉庫では温度感が違います。自社の工種がどちらに近いかを見ておくと、営業や採用の優先順位を決めやすくなります。

4つ目は、見積単価と実際原価のズレです。

工事費デフレーターが上がっている局面では、過去の感覚がそのまま通用しにくくなります。

5つ目は、忙しさと利益の関係です。

下請受注高が増えているからこそ、「忙しいから大丈夫」ではなく、忙しい現場ほど利益が残っているかを見たいところです。

数字を「自社の打ち手」に変えるために

国の統計は、少し距離があるように見えます。

でも、見方を変えると、自社の経営会議で使える材料になります。

「民間が少し鈍いなら、営業先をどう組み替えるか」。

「住宅が動いているなら、人員をどこまで寄せるか」。

「下請受注が増えているなら、単価と支払条件をどう守るか」。

「工事費が上がっているなら、見積書と実行予算をいつ更新するか」。

こうした問いに変えていくことが大切です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合、この数字をどう見ればいいのか」「見積や原価管理をどこから直せばいいのか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の壁打ちとしてご相談ください。

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