国土交通省は、令和8年8月分の建築着工統計調査報告を公表しました。ポイントは、新設住宅着工が前年同月比6.1%増と5か月連続で増えた一方、民間非居住建築物は前年同月比で減少したことです。

公表日

令和8年9月30日

対象月

令和8年8月分

新設住宅着工戸数

63,974戸

新設住宅着工戸数の前年同月比

6.1%増、5か月連続の増加

季節調整済年率換算値

753千戸、前月比2.7%減

住宅投資予定額

13,578億円、前年同月比12.4%増

民間非居住建築物

事務所は増加、店舗・工場・倉庫は減少し、全体で減少

数字だけを見ると、住宅は明るく見えます。持家、貸家、分譲住宅がそろって前年同月を上回りました。住宅投資予定額も前年同月比12.4%増です。

ただし、季節調整済年率換算値では前月比2.7%減となっています。つまり、前年同月比では強いが、直近の勢いは少し落ちているという見方も必要です。

一方で、民間非居住建築物はやや違う景色です。事務所は増えましたが、店舗、工場、倉庫が減少しました。建築全体を見ると、住宅系と非住宅系で温度差が出ている月と捉えるのがよさそうです。

1週間で 19件の相談 がありました

  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
  • 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
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住宅は「回復感あり」。ただし前月比の鈍化も見る

令和8年8月の新設住宅着工戸数は63,974戸でした。前年同月比では6.1%増です。5か月連続の増加となりました。

利用関係別では、次の通りです。

区分

戸数

前年同月比

持家

17,713戸

1.0%増

貸家

28,309戸

6.5%増

分譲住宅

16,838戸

6.4%増

うちマンション

6,475戸

5.3%増

うち一戸建住宅

10,182戸

7.5%増

中小建設業にとって注目したいのは、持家・貸家・分譲住宅がすべて前年同月比で増加している点です。住宅会社、工務店、基礎、外構、設備、内装、電気、給排水など、住宅関連の専門工事会社には、一定の追い風として読めます。

一方で、季節調整済年率換算値は753千戸で、前月比2.7%減です。こちらは2か月連続の減少です。

ここは大事です。「前年より良い」と「足元でさらに伸びている」は別物です。採用や外注先の確保を強く進める会社ほど、単月の前年比だけでなく、数か月の流れを見たほうが安全です。

住宅投資予定額は12.4%増。単価面も含めて市場を見る

参考資料では、新築に関する住宅投資予定額も示されています。

令和8年8月の住宅投資予定額は、総計13,578億円。前年同月比12.4%増でした。

内訳は次の通りです。

区分

住宅投資予定額

前年同月比

総計

13,578億円

12.4%増

持家

5,626億円

5.2%増

貸家

4,058億円

15.1%増

給与住宅

223億円

139.8%増

分譲住宅

3,672億円

18.0%増

うち分譲マンション

1,828億円

29.2%増

うち分譲戸建て

1,831億円

8.8%増

ここで見るべきは、戸数だけではありません。住宅投資予定額が戸数以上に伸びていることです。

もちろん、これは「住宅着工戸数の約9割を占める居住専用住宅で利用関係が単一のもの」について、1戸当たり単価と着工戸数を掛け合わせた推計です。実際の受注単価そのものではありません。

それでも、住宅市場を見るうえでは重要です。中小建設業にとっては、受注量だけでなく、工事費予定額、見積単価、粗利の確保をセットで見るべき局面です。

受注が増えても、利益が残らなければ会社は楽になりません。特に住宅系の下請・専門工事では、忙しさだけが先に来ることがあります。材料費、外注費、現場管理の手間を織り込んだ見積になっているか。ここを改めて確認したいところです。

地域差は大きい。自社エリアの数字を見る

全国では新設住宅着工が増えています。ただし、地域別では差があります。

地域

総戸数の前年同月比

主な動き

首都圏

9.2%増

持家、貸家、分譲住宅が増加

中部圏

11.0%増

総戸数は増加、分譲住宅は15.9%減

近畿圏

12.3%増

分譲住宅が35.5%増

その他地域

2.0%減

持家、貸家が減少

特に分譲住宅は地域差が出ています。近畿圏では前年同月比35.5%増ですが、中部圏では15.9%減です。

中小建設業の経営では、全国平均だけを見ても足りません。自社の営業エリアで、何が増えて何が減っているかを見ることが重要です。

例えば、首都圏で貸家が伸びているなら、賃貸住宅向けの設備・内装・外構の動きに目を向ける。近畿圏で分譲住宅が伸びているなら、分譲系の元請・デベロッパー・住宅会社との接点を見直す。その他地域で総戸数が減っているなら、住宅新築だけに依存しすぎず、改修・メンテナンス・非住宅の小口案件を組み合わせる。

統計は、現場感覚を置き換えるものではありません。ですが、営業先の優先順位を考える材料になります。

非住宅は「事務所は増、店舗・工場・倉庫は減」

民間非居住建築物は、住宅とは違う動きになりました。

国土交通省の資料では、前年同月と比較して、事務所は増加したものの、店舗、工場、倉庫が減少したため、全体で減少したとされています。

主な使途別の床面積は次の通りです。

民間非居住用の使途

床面積

前年同月比

事務所

28万㎡

1.7%増

店舗

25万㎡

7.1%減

工場

34万㎡

32.7%減

倉庫

49万㎡

18.0%減

ここは、鉄骨、電気、空調、給排水、外構、舗装、内装、建具、消防設備など、非住宅系の仕事をしている会社には見逃せないところです。

工場と倉庫の減少幅が大きいため、設備投資系の建築需要は、少なくともこの月の着工ベースでは弱く出ています。

ただし、単月の数字です。大規模案件の有無で振れやすい面もあります。資料の用語説明でも、前年に大きなプロジェクトがあると伸び率に影響することが示されています。

したがって、必要なのは悲観ではありません。非住宅は用途別に営業戦略を分けることです。工場・倉庫だけでなく、事務所、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、その他サービス業など、自社が入れる領域を見直すきっかけになります。

中小建設業が今回の統計から考えたいこと

今回の統計から、中小建設業が見るべき点は大きく3つです。

1つ目は、住宅系は受注機会が戻ってきている可能性があることです。持家、貸家、分譲住宅がそろって増えています。住宅関連の会社は、営業先、協力会社、職人手配の見直しを進める価値があります。

2つ目は、非住宅は一括りにしないことです。事務所は増えていますが、店舗、工場、倉庫は減っています。非住宅全体が悪い、良い、という見方では粗すぎます。自社が強い用途を分けて、受注先を点検したいところです。

3つ目は、売上より粗利を見ることです。住宅投資予定額は伸びています。だからこそ、値決めが重要です。人件費、外注費、材料費、移動時間、現場管理の負担を見積に反映できているか。忙しい現場ほど、利益管理の精度が問われます。

この統計は、明日の現場を直接変えるものではありません。けれど、半年先の営業、採用、協力会社づくり、資材調達を考える材料になります。

「住宅は前向きに見る。ただし足元の鈍化も見る。非住宅は用途別に見る。」

今回の数字は、そのように受け止めるのが実務的です。

自社の受注環境に置き換えて整理する

統計は全国の数字です。大切なのは、ここから自社の判断に落とすことです。

「自社のエリアでは住宅が本当に増えているのか」「元請別・用途別の粗利はどうなっているのか」「来期の採用や外注体制をどこまで強めるべきか」。こうした問いに置き換えると、数字が経営判断に変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような市場統計を、自社の営業戦略や利益管理にどうつなげるかを一緒に整理することもできます。

「うちの場合はどう見ればよいか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要なタイミングで壁打ち相手としてご活用ください。

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