売上3億円弱、作業員約12名で受注減と人手不足が重なった解体工事会社の現在地
首都圏で解体工事を手がける、作業員約12名の会社があります。売上は3億円弱。数年前の売上水準に戻し、将来的には4億円台半ばを目指したいと考えています。
課題は、仕事と人の両方です。
主要取引先からの受注が一時期大きく減り、売上も連動して下がりました。直近では少し戻りつつあるものの、主要取引先だけで売上の約半分を占めています。
「一社の仕事が減ると、うちの売上もどんどん下がってしまう。偏っているのはよくないと思っています」
新しい取引先を増やす必要があります。一方で、現場を担う人材にも余裕がありません。
特に欲しいのは、単にトラックを運転する人ではありません。業務の6〜7割は現場作業で、必要に応じて解体材の運搬も担える人です。在籍者の多くは免許を持っていますが、職長や重機オペレーターは現場を離れにくく、実際に運搬を担えるのは5人ほど。あと1〜2人増やしたい状況です。
仕事が足りない一方で、仕事を増やしすぎると回せない。この二つが同時に起きている会社では、営業か採用かを単独で決めるのではなく、施工能力を起点に順番を組む必要があります。
1週間で 18件の相談 がありました
- 10月6日防水工事会社大阪府業務効率化システムの相談
- 10月6日配管工事会社福井県人材確保の相談
- 10月5日電気設備工事会社大阪府高卒採用の相談
- 10月5日配管工事会社埼玉県人材育成の相談
- 10月5日ビルメンテナンス千葉県案件獲得の相談
- 10月4日総合建築長野県人材育成の相談
- 10月4日電気設備工事会社新潟県人材育成の相談
- 10月4日内装工事会社鳥取県人材確保の相談
- 10月4日塗装工事会社愛知県人材育成の相談
- 10月3日空調設備工事会社鳥取県業務効率化システムの相談
- 10月3日総合建築茨城県原価管理の相談
- 10月2日総合建築岩手県利益率向上の相談
- 10月2日内装工事会社熊本県原価管理の相談
- 10月2日リフォーム会社滋賀県業務効率化システムの相談
- 10月2日造園会社福岡県案件獲得の相談
- 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
- 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
- 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
- 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
受注を増やしても職人が足りず、採用を先行しても固定費を支えにくい状態
営業と採用のどちらを優先するか。この問いが難しいのは、どちらにももっともな理由があるからです。
「仕事がなければ話にならないので、一番は仕事数を増やすことです。でも、仕事が増えても回せる職人がいなければ、結局は断ることになります」
営業を先に進めれば、受注後の施工人員が不足するかもしれません。現場を断れば、新しい取引先との関係づくりも難しくなります。
反対に、採用を先に進めれば、人件費は増えます。受注量が安定しないまま人を抱えることには、慎重にならざるを得ません。求人広告を継続していても、現場作業と運転の両方を担える人材は簡単には集まりません。
この会社では、すべての現場を自社施工しているわけではなく、協力会社にも仕事を依頼しています。ただし、金額の大きな現場になるほど、自社だけでは賄いにくくなります。協力会社を使えば受けられる案件は増えますが、外注比率が上がれば利益の残り方も変わります。
優先順位を売上だけで決めると、「受注は増えたが利益が残らない」「人を採ったが任せる仕事が安定しない」というずれが起きやすくなります。見るべきなのは、売上、施工能力、外注比率、利益率の組み合わせです。
主要取引先への依存と実働人員の不足が、営業と採用を切り離せなくしている構造
仕事と人の問題が絡み合う背景には、受注構造があります。
この会社の中心は、住宅の建て替えに伴う解体工事です。主要取引先から継続的に仕事を受けてきましたが、その取引先の発注が減ると、自社の売上も大きく下がります。
別の取引先からは、年に数件、1件あたり1,000万円を超えるマンションなどの解体工事を受注しています。件数は多くありませんが、住宅案件より単価が大きく、利益率も良好です。
「住宅案件も数が取れればいい。ただ、数が取れないなら、1件で大きく利益を取れる仕事を増やしたいです」
とはいえ、単価が大きければ何でも受けられるわけではありません。5,000万円規模になると、自社の人員だけで施工するのは難しく、協力会社の確保が前提になります。営業先を増やすだけでは、受注可能な案件は増えません。
また、新しい取引先の開拓にも時間がかかります。過去には複数の住宅会社へ営業したものの、「決まった業者がいる」と断られることが多く、継続受注にはつながりませんでした。
「つながりがない状態で電話をしても、タイミングが合わなければ話を聞いてもらえません」
一方、採用したい人材の条件も明確です。運転だけを担当するドライバーではなく、現場作業ができ、必要なときに運搬も担える人。そのため、一般的なドライバー求人として出すと、仕事内容の認識がずれる可能性があります。
案件不足は営業だけ、人手不足は採用だけの問題ではありません。受注経路が偏り、必要人材の役割が複合的で、協力会社の供給力も限られるため、三つを一つの計画として扱う必要があります。
協力会社を含む施工余力を確認し、受注基盤づくりから採用投資へつなぐ進め方
この状況では、協力会社を含めて一定の施工余力があるなら、営業をやや先行させ、その粗利を採用へ回す進め方が現実的です。
ただし、営業を無制限に増やすわけではありません。先に「どの案件なら受けられるか」を決めます。
1.自社と協力会社の施工能力を分けて把握する
最初に確認したいのは、人数ではなく実働です。
この会社でも、免許を持つ人は多いものの、職長や重機オペレーターは運搬へ回りにくい状況でした。「できる人」と「実際に配置できる人」は分けて考える必要があります。
整理する項目は、次の四つです。
- 自社だけで同時に動かせる現場数
- 職長、重機オペレーター、現場作業兼ドライバーの実働人数
- 協力会社へ依頼できる現場の種類と規模
- 協力会社を使った場合にも確保できる利益率
社員数ではなく、役割別の実働人数と協力会社の供給力を見れば、営業してよい案件の上限が見えてきます。
2.売上額ではなく、粗利と施工負荷で営業先を選ぶ
この会社は、住宅案件に加え、単価と利益率が比較的高いビル・マンション案件を増やしたいと考えています。ただし、大型案件ほどよいとは限りません。
判断したいのは、次の三点です。
- 自社の許可や施工体制で無理なく受けられる規模か
- 協力会社を使っても必要な利益が残るか
- 既存現場と重なっても職長や車両を配置できるか
単価が大きくても、外注費が膨らみ、社内の中核人材が拘束されれば、次の現場を受けにくくなります。反対に、単価が小さくても一定件数を継続受注でき、段取りを標準化しやすい案件なら、受注基盤になり得ます。
営業先は「売上が大きい会社」ではなく、「自社と協力会社で回せて、粗利を確保できる案件を継続発注する会社」という基準で絞ることが大切です。
3.協力会社で受注基盤をつくり、採用原資を確保する
受注が増えた初期段階では、すべてを自社施工に切り替えようとせず、協力会社を活用します。まずは新しい取引先との受注実績をつくり、仕事量と粗利の見通しを持つためです。
この段階で追う数字は、売上だけではありません。
- 新規取引先からの受注額
- 協力会社へ依頼した金額と外注比率
- 案件ごとの粗利
- 自社施工へ切り替えた場合に増える利益
協力会社への発注は、単なる人手不足の穴埋めではありません。受注機会を逃さず、新しい販路を育てるための選択肢です。ただし、外注比率が上がりすぎて利益が残らなければ、採用原資をつくれません。
協力会社を使っても粗利が残る案件を積み上げ、その粗利を採用へ再投資する流れをつくることが、営業と採用をつなぐポイントです。
4.安定した仕事量が見えた役割から採用する
採用は「職人を増やす」という広い募集ではなく、現場の詰まりを解消する役割から始めます。
この会社であれば、現場作業を中心に担いながら、必要に応じて運搬もできる人です。「ドライバー募集」とだけ見せると、運転専業を想定した応募者とのずれが生まれます。
募集時には、少なくとも次の点を明確にしたいところです。
- 現場作業と運転の割合
- 必要な免許や経験
- 入社後に任せる現場での役割
- 将来的に担ってほしい範囲
採用後は、協力会社へ出していた仕事のうち、自社施工に戻したほうが利益を確保しやすい部分から内製化します。
「採用してから仕事を探す」のではなく、「安定受注が見えた仕事を自社へ戻すために採用する」と考えると、採用人数と必要な役割を決めやすくなります。
まとめ
仕事を増やしたいのに職人が足りない会社では、営業か採用かを二者択一で考える必要はありません。
協力会社を含めた施工余力があり、外注しても利益が残るなら、営業を先行できます。新しい取引先からの受注基盤をつくり、確保した粗利を採用へ回します。その後、協力会社へ依頼していた仕事を段階的に自社施工へ戻せば、内製比率と利益率を高められます。
一方、協力会社にも余力がなく、既存現場で職長やドライバーが埋まっているなら、営業を増やす前に施工体制の確保が必要です。
優先順位を決める基準は、売上目標だけではありません。自社の施工能力、協力会社の供給力、外注比率、案件ごとの利益率を並べることで、営業と採用の順番が見えてきます。
営業と採用の順番を、自社の施工体制から整理するために
「営業を増やすべきか、先に人を採るべきか」は、会社の施工体制や協力会社との関係によって答えが変わります。受注できる案件規模、実働人数、外注後の粗利まで整理すると、次に打つ手を選びやすくなります。
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「うちの場合は営業と採用のどちらが先か」「何から数字を整理すればよいかわからない」という段階でも問題ありません。状況を伺いながら、無理のない進め方を一緒に整理します。無理にサービスを勧めることはありませんので、今後の判断材料をそろえる場としてご活用ください。