前提

3名ほどの現場体制で屋内通信工事を担い、社長自身も施工に出ている会社の現在地

中国地方の地方都市を拠点に、オフィスや店舗などの屋内通信工事を手がける、創業20年前後の会社があります。LAN工事や防犯カメラの設置などを中心に、長く付き合う取引先から仕事を受けてきました。

以前は10名弱の体制でしたが、現在は社長を含めて3名ほど。社長自身も現場に出ているため、新しい取引先を探す時間はなかなか取れません。

採用についても、求人ページを作るなど数年間にわたって動いてきました。年間2〜3名の現場人員を採りたいと考えていた時期もありましたが、応募の母数そのものが少なく、思うような結果にはつながっていません。

一方で、取引先によっては、仕事を任せる条件として一定の人員体制を確認されます。社長の言葉を整えると、「この規模の体制でやっています、と示さないと仕事を流してもらえない会社もあります」という状況です。

少人数の会社では、人手不足が施工能力の問題にとどまらず、取引先から仕事を任せてもらうための信用条件にもなります。

1週間で 18件の相談 がありました

  • 10月6日防水工事会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 10月6日配管工事会社福井県人材確保の相談
  • 10月5日電気設備工事会社大阪府高卒採用の相談
  • 10月5日配管工事会社埼玉県人材育成の相談
  • 10月5日ビルメンテナンス千葉県案件獲得の相談
  • 10月4日総合建築長野県人材育成の相談
  • 10月4日電気設備工事会社新潟県人材育成の相談
  • 10月4日内装工事会社鳥取県人材確保の相談
  • 10月4日塗装工事会社愛知県人材育成の相談
  • 10月3日空調設備工事会社鳥取県業務効率化システムの相談
  • 10月3日総合建築茨城県原価管理の相談
  • 10月2日総合建築岩手県利益率向上の相談
  • 10月2日内装工事会社熊本県原価管理の相談
  • 10月2日リフォーム会社滋賀県業務効率化システムの相談
  • 10月2日造園会社福岡県案件獲得の相談
  • 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
  • 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
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課題

人を採る根拠となる仕事と、仕事を受ける条件となる人員が互いに不足する状態

この会社が直面しているのは、採用だけ、営業だけでは切り分けられない成長のジレンマです。

人がいなければ、取引先が求める体制を示せず、受注機会を逃しやすくなります。しかし、採用後に任せる仕事が毎月安定しているとは限らないため、人件費という固定費を先に増やす判断も簡単ではありません。

協力会社を活用する選択肢はあるものの、相手にも仕事の都合があります。必要なときに必ず動いてもらえるとは限らず、案件が少ない月を含めて関係を保つ難しさもあります。また、取引先によっては、協力会社を含む体制でよいのか、自社の常用人員を求めるのかも異なります。

ここで「売上を伸ばしたいから採用する」「人が少ないから営業する」とだけ考えると、判断の根拠が足りません。

採用と取引先開拓の優先順位は、売上目標ではなく、受注の確度、求められる人数、施工体制の条件、教育余力、固定費を抱えられる期間で決める必要があります。

背景

長年の取引関係はあるものの、案件量と人員条件を自社で選びにくい取引構造

背景には、既存取引先との関係が長い一方で、案件の量や条件を自社側で選びにくい取引構造があります。

現状では、複数の案件から利益率や施工条件を見て選ぶというより、依頼された仕事へ限られた人数で対応する形に近くなっています。社長が現場に入ることで施工は回せても、その分、新規開拓や採用後の教育に割ける時間は減ります。

採用で1名増えたとしても、取引先が求める体制人数に届かなければ、受注環境が大きく変わらない可能性があります。反対に、新しい取引先とつながっても、必要人数や案件開始時期が見えないままでは、採用に踏み切る根拠になりません。

また、地域内には知り合いの会社が多く、新規開拓先を広げにくい事情もありました。そのため、首都圏や関西圏などに本社を置き、地方にも案件を持つ通信工事会社との接点を検討しています。ただし、本社の規模や知名度だけでは、自社の商圏に仕事が流れるかは判断できません。地方支店や営業所の有無、対象エリア、協力会社に求める体制まで確認する必要があります。

問題の中心は仕事の有無ではなく、「何人いれば、いつから、どの程度の仕事を任せてもらえるか」が曖昧なことです。

解決

受注見込みの確認、暫定的な施工体制の確保、段階的な採用という順序

最初から採用と取引先開拓を同じ強さで進める必要はありません。まず仕事の見通しを具体化し、その見通しに合わせて暫定的な施工体制をつくり、最後に固定費を伴う採用へ進む順序が現実的です。

1.取引先候補ごとに受注条件を確認する

取引先開拓の目的を、すぐに案件を獲得することだけに置かないことが大切です。最初に確認したいのは、採用判断に使える情報です。

  • 自社の施工エリアに、継続的な案件があるか
  • 屋内通信工事や防犯カメラ設置など、自社の施工領域と合うか
  • 何名程度の体制が求められるか
  • 協力会社を含む体制でも受け入れられるか
  • 案件の開始時期と継続期間はどの程度か
  • 現場責任者や資格者に関する条件があるか

売上規模の大きな取引先でも、自社の地域へ案件が流れなければ採用の根拠にはなりません。反対に、一度の発注量は大きくなくても、毎月の見通しを共有できる取引先であれば、段階的な採用につなげやすくなります。

取引先開拓では、会社の大きさよりも、自社の地域に流れる案件量と必要人員を確認することが先です。

2.採用前に暫定的な施工体制を組めるか整理する

受注見込みが見えても、すぐに複数名を採用するのは固定費の面で負担があります。そこで、自社の既存人員と協力会社を組み合わせ、どこまで対応できるかを整理します。

協力会社については、社数だけを数えるのではなく、対応可能な工事、地域、人数、時期を確認します。あわせて、取引先が協力会社を含む施工体制を認めるかも確認が必要です。

ここで一定の体制を組めれば、受注後すぐに人手が足りなくなる事態を避けながら、案件が継続するかを見極められます。ただし、協力会社は採用の完全な代替ではありません。あくまで、受注見込みを確かめて常用人員の採用へ移るまでの橋渡しとして考えます。

協力会社の活用は、人を採らないためではなく、受注の確度を見極めながら採用時期を調整するための暫定策です。

3.教育できる人数から段階的に採用する

仕事の見込みと暫定体制が整理できたら、採用人数を決めます。年間2〜3名という目標を掲げる場合でも、一度に採る必要はありません。

判断したいのは、現場に出ている社長や既存社員が、入社者へ仕事を教えられる余力です。経験者と未経験者のどちらも対象にするのであれば、現場へ配置できるまでの期間も変わります。

採用人数は、次の範囲に収めると判断しやすくなります。

  • 受注見込みから逆算した必要人数
  • 現場で同時に教育できる人数
  • 案件量が一時的に減っても雇用を維持できる人数

1名採用しても取引先の人員条件を満たせない場合は、採用そのものが無意味なのではありません。協力会社を含めた体制の中で、その1名がどの役割を担えば次の受注につながるかを先に決めておくことが重要です。

採用人数は希望人数ではなく、受注条件、教育余力、固定費を維持できる期間の重なる範囲で決めます。

4.採用と開拓の優先順位を一定期間ごとに見直す

優先順位は一度決めて終わりではありません。取引先への確認が進めば、必要な人員や案件開始時期が具体化します。採用活動を始めれば、応募数や採用までの期間も見えてきます。

次のように状況を分けると、動き方を整理しやすくなります。

  • 具体的な案件と必要人数が見えている場合:採用を優先する
  • 案件はあるが開始時期が不明な場合:条件確認と協力会社の確保を優先する
  • 人員を増やしても仕事量が読めない場合:取引先候補の開拓を優先する
  • 社長が現場を離れられず教育も難しい場合:採用人数を絞り、受入体制から整える

「採用か営業か」を固定的に決めるのではなく、受注の確度が上がった段階で採用へ比重を移す進め方が、小規模な会社には合っています。

まとめ

人がいなければ仕事を受けられず、仕事が見えなければ人を採れない。この状態では、採用と取引先開拓の両方が必要に見えます。

ただし、限られた人数で社長も現場に出ている会社が、両方を同時に全力で進めるのは簡単ではありません。まず取引先候補へ案件量、開始時期、必要人数、協力会社の扱いを確認し、次に暫定的な施工体制を組み、その後に教育できる人数から採用する流れが現実的です。

小規模建設会社の成長では、先に人か仕事かを二者択一で決めるのではなく、仕事の見通しを採用判断に使える情報まで具体化することが最初の一手です。

採用と取引先開拓の順序を自社の数字で整理したい方へ

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人員体制、取引先開拓といった課題を横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は採用と開拓のどちらを先に進めるべきか」「取引先から求められる人数と、採用できる人数が合わない」といった段階でも問題ありません。受注見込みや教育余力、協力会社の活用可能性を確認しながら、無理のない進め方を一緒に整理します。

無理に支援をおすすめすることはありませんので、まずは現在の人員と案件の状況を整理する場としてご活用ください。

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