埼玉県内で月2〜4件の再販リフォームを請け、3〜4社との取引で現場をつないでいる現在地
埼玉県内を中心に、買取再販物件の内装・リフォーム工事を一式で請けている小規模な施工会社があります。1件あたりの受注額は、おおむね250万〜350万円。大工や解体などは協力会社に発注し、代表が工程調整や現場管理を担っています。
取引先は全国展開する不動産会社を含む3〜4社です。一社に依存せず、それぞれから案件を受けることで、職人の手が空かないように現場をつないでいます。
一方、外注中心のため、もともと利益率は高くありません。電話だけでは納まりのニュアンスが伝わらず、代表が現場へ確認に行くこともあります。
「電話で説明して、最後に少し違うとなって手直しするなら、現場へ行ったほうが早いんです」
この会社にとって大切なのは受注額の大きさではなく、外注費と管理負担を引いた後に、いくら利益が残るかです。
1週間で 18件の相談 がありました
- 10月6日防水工事会社大阪府業務効率化システムの相談
- 10月6日配管工事会社福井県人材確保の相談
- 10月5日電気設備工事会社大阪府高卒採用の相談
- 10月5日配管工事会社埼玉県人材育成の相談
- 10月5日ビルメンテナンス千葉県案件獲得の相談
- 10月4日総合建築長野県人材育成の相談
- 10月4日電気設備工事会社新潟県人材育成の相談
- 10月4日内装工事会社鳥取県人材確保の相談
- 10月4日塗装工事会社愛知県人材育成の相談
- 10月3日空調設備工事会社鳥取県業務効率化システムの相談
- 10月3日総合建築茨城県原価管理の相談
- 10月2日総合建築岩手県利益率向上の相談
- 10月2日内装工事会社熊本県原価管理の相談
- 10月2日リフォーム会社滋賀県業務効率化システムの相談
- 10月2日造園会社福岡県案件獲得の相談
- 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
- 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
- 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
- 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
案件量が安定していても、低単価と無償の手直しで実質採算が崩れる取引
大手の発注元には、継続的に案件を出してもらいやすい安心感があります。ただし、案件数が安定していることと、利益が安定することは同じではありません。
この会社が感じていたのは、単価の低さだけではない負担でした。
- 指定されたマニュアルと現場の実態が合わない
- 疑問点を確認しても、担当者から明確な回答が得られない
- 担当者が現場を十分に理解しないまま工事が進む
- マニュアルに沿って施工しても、後から別の仕上がりを求められる
- やり直しが発生しても、追加費用が出ない
「マニュアルどおりにやったのに、後から『これでは困る』と言われることがあります。やり直しの金額も出ないので、無駄が多いんです」
受注書に記載された金額だけを見れば、一定の売上にはなります。しかし、確認の電話、現地への移動、職人への再説明、工程の組み直し、無償是正まで重なると、実際に残る利益は小さくなります。
取引先を見極めるときは、提示単価ではなく、管理と手直しを含めた「実質採算」で比べる必要があります。
マニュアルと現場判断の間を施工会社が埋め続ける取引構造
利益を削っている背景には、発注元の規模そのものではなく、発注側と施工側の役割が曖昧な取引構造があります。
大手では、施工品質をそろえるためにマニュアルが整備されています。本来は、指示を明確にし、認識ずれを減らすための仕組みです。ところが、マニュアルが現場の納まりまで想定できておらず、担当者も判断できない状態では、施工会社側が空白を埋めることになります。
さらに担当者の入れ替わりが多いと、過去の経緯や施工上の注意点が引き継がれにくくなります。工事前に確認したくても回答が得られず、施工後になって是正を求められる。こうした流れが続けば、現場管理を担う代表の時間まで原価化していきます。
外注中心の施工体制では、無償の手直しによる影響がさらに大きくなります。協力会社へ再訪を依頼する調整が必要になり、別の現場にも影響が及ぶためです。
問題は「大手か地域企業か」ではなく、曖昧な指示や発注側の判断不足によるコストを、施工会社がどこまで負担しているかです。
受注単価に管理工数・是正費用・担当者の現場理解・継続性を加えた取引先評価
取引先は、案件量や会社規模だけで選ばず、複数の項目を並べて評価すると判断しやすくなります。まずは直近数件を対象に、発注元ごとの実績を振り返るところから始めます。
見る項目は、次の5つです。
- 受注単価と粗利
受注額から材料費と外注費を引き、工事そのものから残る金額を確認します。
- 管理工数
打ち合わせ、電話確認、現場訪問、職人への再説明に、代表や担当者が何時間使ったかを記録します。
- 指示の明確さと担当者の現場理解
着工前の質問に回答があるか、納まりを理解して判断してもらえるか、担当者が変わっても認識が引き継がれるかを見ます。
- 追加・是正費用の扱い
施工側の責任ではない変更や手直しに対し、追加費用が認められるかを確認します。口頭だけで進めず、誰の指示による変更かを残しておくことも大切です。
- 案件の継続性
月ごとの案件数だけでなく、自社の職人や協力会社の工程に合わせて、途切れず発注されるかを見ます。
実質採算は、次のように捉えると整理しやすくなります。
実質採算=受注額-材料・外注原価-管理工数の負担-無償是正の負担
厳密な原価計算から始める必要はありません。「管理が少ない・普通・多い」「無償是正がない・時々ある・多い」といった3段階でも、取引先ごとの差は見えてきます。
そのうえで、大手と地域企業を二者択一にしないことも重要です。たとえば、案件量を確保しやすい発注元を一定割合残しながら、実質採算の良い地域企業との取引を増やしていく方法があります。
この会社も、すでに3〜4社との取引をほぼ均等に組み合わせ、現場の切れ目を抑えていました。ここから先は、各社の案件数だけでなく、管理負担と是正負担を比べ、残す取引と増やす取引を決めていく段階です。
大手は安い、地域企業は良いと一括りにせず、実際の案件を同じ物差しで比べることが、利益の残る取引構成につながります。
まとめ
安定した案件量は、職人の稼働をつなぎ、売上の見通しを立てるうえで大きな価値があります。ただし、単価が低く、確認や現場訪問が多いうえに、無償の手直しまで発生する取引では、忙しさほど利益が残らないことがあります。
取引先を判断するときは、次の点を一緒に見る必要があります。
- 受注単価と工事粗利
- 打ち合わせや現場確認にかかる管理工数
- 指示の明確さ
- 担当者の現場理解
- 追加変更や是正費用の扱い
- 自社の施工体制に合った案件継続性
取引先の規模ではなく、工事完了までに自社が負担するコストを含めて評価することが、利益の残る受注判断の基準になります。
利益の残る取引先構成を整理したいときに
「案件はあるのに利益が残らない」「今の発注元を維持しながら、どのような取引先を増やすべきか迷う」という場合は、取引先別の実質採算から整理してみると、次の動きが見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、現場体制、原価管理、組織づくり、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何を比較すればよいか」という段階でも問題ありません。
無理にサービスを勧めることはありません。まずは、現在の取引先ごとの負担や、今後増やしたい案件の条件を一緒に整理できます。